金メダリスト達に総額3億円以上の高級車を贈呈!? 50台以上の紅旗「H9」を送った背景とは
中国の第一汽車が展開する高級車ブランド「紅旗」が、今回の東京五輪で金メダルを獲得した中国人選手全員に高級セダン「H9」をプレゼントすると発表しました。
中国・第一汽車、中国の金メダリスト全員に紅旗「H9」を贈呈
2021年8月8日、17日間に及ぶ東京オリンピック(東京五輪)が閉幕しました。
東京五輪のメダリストには、国により異なるものの報奨金や物品が贈られることがあります。
そんななか、東京五輪において中国では金メダリスト全員に高級車が贈られたといいます。
五輪でメダルを獲得した選手には、基本的に各国の委員会などが報奨金を贈る形となっており、それ以外に各競技団体やスポンサーからも報奨金や物品が送られています。
そうしたなかで、中国の第一汽車が展開する高級車ブランド「紅旗」が、今回の東京五輪で金メダルを獲得した中国人選手全員に高級セダン「H9」をプレゼントすると発表しました。
紅旗は1958年に中華人民共和国で最初に誕生した国営自動車メーカー「第一汽車」の最高級車ブランドで、60年以上にわたって中国の要人たちに愛されてきました。
H9は、2020年8月に中国で発表された新しい高級車で紅旗としては初めて、グローバル市場での販売を展開しているクルマです。2021年2月には日本への上陸も果たし、すでに日本国内で販売と納車がおこなわれています。
中国は2021年7月23日から開催された東京五輪へ413人の選手から構成される選手団を派遣。
大会期間中、中国はアメリカ合衆国と熾烈なメダル争いをおこなっていましたが、競技日程最終日の8月8日午後におこなわれたバスケットボール女子の決勝にてアメリカ合衆国のチームが優勝したことにより、金メダルの数においてアメリカが1つリードする形で決着が付きました。
それでも中国は14の競技にて38個の金メダルを獲得し、金メダル獲得数は今大会2位となっています。
第一汽車は今回のH9をプレゼントする理由について「金メダルの数だけ会場に紅旗(中国の国旗である五星紅旗のこと)をはためかせたことに対する感謝の印」としています。
また、メダル数は38個ですが、卓球や飛込、ボート、競泳、バドミントンなどの団体競技もいくつか含まれるため、金メダルを実際に獲得した選手は52人(うち6名が複数の種目で金メダル)となります。
選手1人につき1台プレゼントとなることでしょうから、第一汽車は52台のH9をプレゼントすることとなります。
プレゼントされる予定のH9は2リッターモデルの最上級グレード「2.0T智聯旗暢版」で、中国の車両価格は36万9800元(邦貨換算:約630万円)となります。
52人全員にプレゼントするとなると、総額1922万9600元、日本円にして3億2760万円という驚異的な額になります。
第一汽車による暖かく豪華な贈り物は金メダル選手だけではありません。
銀メダルと銅メダルを獲得した選手にはH9を無料で使用できる「無料使用権」を提供すると発表しました。
ちなみに中国の選手団は銀メダルを32個、銅メダルを18個獲得しています。
金メダル選手だけでなく、銀メダルと銅メダル選手に対してもここまで手厚く待遇するのは、さすが中国の国営企業といいざるを得ません。
中国は一企業による現物支給の報酬のみならず、その選手が出身としている地方政府や中央政府からも報奨金や毎月の特別手当が出るとのことです。
それらすべてを合計すると日本円でひとりあたり1億円はゆうに超えるので、いかに金メダリストという存在を大切にしているかがよくわかります。
中国第一汽車は2018年1月に「新紅旗ブランド戦略」を発表し、紅旗を「中国で最初の世界的に有名なクルマ」にすると約束しました。
2020年8月にフラッグシップのH9が発売されてから次々と新型車を発表しており、世界戦略車として成功を収めるための準備も着々と整えています。
中国第一汽車が最近発表したデータによると紅旗ブランドの売上は2021年1-7月の7か月間で17万600台超となり前年同期比95%もの増加を果たしました。
今回の紅旗H9贈呈は、世界の頂点に立った選手たちへの感謝を示すとともに、紅旗ブランドを世界に向けてアピールする狙いもあると思われます。