もう「SUVブーム」とは呼べない? いまや世界のスタンダード! SUV人気はいつまで続く?
このSUVブームはいつまで続くのか
近年のSUVブームは、それぞれ起源は違えど、市場のニーズに対応する形で登場してきたのは、ここまで説明してきたとおりです。
前述のように、SUVはそのトータルバランスの高さから、多くの人にとって「もっとも都合の良いクルマ」になっているのが現状です。つまり、特定の目的や事情がない限りは、SUVを買うほうが理にかなっているといえます。
「特定の目的や事情」とは、駐車場のサイズ、予算面の都合あるいは、スポーツカーやクーペなど、特定の車種に興味を持っていたりすることかもしれません。
しかし、「そこそこの予算で、そこそこカッコよくて、そこそこ使い勝手が良くて、そこそこ走りも良くて…」といったようなニーズを最大公約数的に満たすのは、現状ではSUV以外にはありません。
このように考えると、近年のSUV人気は、もはや「ブーム」と呼べるほど一過性のものではなく、クルマのスタンダードになりつつあるということができます。
かつてはセダンがスタンダードの立場にあり、セダンの派生形としてワゴン(エステート)やクーペがありました。
しかし、いまではセダンはどちらかといえば少数派であり、むしろ積極的な理由(例えば、「セダンが好き」とか「セダンしか車庫に入らない」とか)がない限りは、セダンを選ぶ必然性は薄れつつあります。
こうした市場のニーズが、さらにSUVのラインナップ増加(とそれ以外のラインナップ減少)を推し進めることになるのです。
もし、将来このトレンドに転換点が来るとすれば、電気自動車(EV)がより一般化するか、完全自動運転が浸透するかのどちらかのタイミングでしょう。
エンジンを必要としなければ、クルマのボディ構造やデザインも大きく変わります。
また、完全自動運転が実用化されれば、居住性や安全性をより重視したデザインになる可能性があります。
いずれにせよ、そうしたトレンドの転換点は少なくとも10年から20年は先のことでしょう。
それまで、SUVは「クルマのスタンダード」として君臨し続けることは間違いないといえます。
初代RAV4はカムリではなく、スターレットがベースですよ。
このたびはご指摘をいただき、誠にありがとうございます。
一部変更いたしました。