5800万円! 元祖ランボルギーニV12はGTカーだった! フェルッチオが目指したクルマとは

ランボルギーニの起源ともいえるクルマの評価額とは?

 350GTの生産台数には諸説あり、135台とも143台ともいわれている。世界的に人気があった割に意外にその生産台数が少ないのは、フェルッチオが発売後ほどなくして「400GT 2+2」へとモデルチェンジする決断を下したためである。

 車名が物語るとおり400GT 2+2は、350GTのエンジンをベースに排気量を4リッターに拡大し、最高出力を320psにアップしたエンジンを搭載。さらに350GTでは2シーター、もしくはリアに1シートを備えた3シーターであったのを完全な2+2キャビンに変更した。

 エクステリアでは、ヘッドライトのデザインなどを見直したことなどが大きな違いだ。また、ボディパネルもアルミニウムからスチールへと変更され、量産体制も整えられている。

クラシック ランボルギーニは「ミウラ」が特に人気があるが、「350GT」と「400GT 2+2」も近年にわかに注目が集まっている(C)2021 Courtesy of RM Sotheby's
クラシック ランボルギーニは「ミウラ」が特に人気があるが、「350GT」と「400GT 2+2」も近年にわかに注目が集まっている(C)2021 Courtesy of RM Sotheby's

●1966 ランボルギーニ「400GT 2+2」

 350GTと400GT 2+2の間には、両方の特徴を併せ持つモデルも数台存在している。それらは「400GTインテリム」と称され、オーククション市場でもとくに貴重な存在として有名だ。

 今回VAGUEで注目したRMサザビーズがアメリア・アイランド・オークションに出品した個体は、オードソックスな1966年式の400GT2+2であった。

 トータルで247台が生産された400GT 2+2のなかで、70番目にサンタアガタ・ボロネーゼの本社工場からデリバリーされた個体である。オドメーターには現在でもわずかに4万2771マイル(約6万8434km)の数字が刻まれているのみだ。

 出品者が、この400GT 2+2をオークションに出品しようと考えたのは2016年のことだったという。そこからのレストア作業は、トータルで10万ドル(邦貨換算約1080万円)に迫るもので、そのなかには分解後に損傷していると判断されたエンジンブロックや、新品への交換の必要性が認められたウォーターポンプ、燃料ポンプ、ディストリビューター、ウェーバー製のキャブレターなども含まれていたという。

 注目の落札価格は、52万2000ドル(邦貨換算約5800万円)。ここ数年、「ミウラ」や「カウンタック」以外のV12を搭載したクラッシック・ランボルギーニがオークション・シーンで人気を高めているというが、どうやらそれは間違いではないようだ。

【画像】1000万円かけてレストアしたクラシックランボをチェック!(35枚)

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