2000万円は妥当! もう二度と作れないニュルで鍛えたダッジ「バイパーACR」の本気度

ロングノーズショートデッキの典型的FRスポーツカースタイルで、見る者を圧倒する「バイパー」。なかでもニュルブルクリンクの最速タイムにチャレンジし続けた「ACR」の称号がついたモデルは別格の存在だ。

「コルベット」と人気を二分する「バイパー」

 2014年4月に発表されたサード・ジェネレーションの「バイパー」は、ダッジではなくSRTブランドからリリースされた。もちろん、バイパーがシボレー「コルベット」と並ぶ、アメリカを代表するもっとも過激なスポーツカーの1台であることは、SRTブランドにおいても変わらなかった。

●2017 ダッジ「バイパーACR」

「バイパーACR」にとってもっとも重要なオプションであるエクストリームエアロパッケージが装着されている(C)2021 Courtesy of RM Sotheby's
「バイパーACR」にとってもっとも重要なオプションであるエクストリームエアロパッケージが装着されている(C)2021 Courtesy of RM Sotheby's

 最初に登場したSRTバイパーは、スタンダードな「バイパー」と、上級モデルの「バイパーGTS」の2種類であった。長いフロントノーズのなかに収められたエンジンは、いかにもアメリカン・スポーツらしく、8.4リッターという大排気量のV型10気筒OHVであった。

 この基本スペックは前作から変更はないが、吸排気システムなどはこのフルモデルチェンジ時にさらに改良され、最高出力&最大トルクは640ps&813Nmにまで向上を果たしていた。

 トランスミッションも変わらず6速MTを採用。ただしスタビリティコントロールやトラクションコントロールの搭載で、走行時の安定性は大きく高められた。ちなみに上級モデルのGTSでは、さらにアクティブサスペンションが標準装備化されたほか、軽量化も図られている。

 今回RMサザビーズの「オープンロード」オークションに、ドイツから出品されたモデルは、2015年にラインナップに追加設定されたダッジ「バイパーACR」だ。

 ブランド名がSRTから再びダッジへと戻っているのは、2014年に当時のクライスラーがSRTブランドの廃止を決定したためである。

 出品車のバイパーACRは2017年式となるが、これはバイパーにとって最終年式となるモデルだ。2017年、アメリカの連邦安全基準における車外放出低減規定をクリアできないために、バイパーの生産は中止されたのである。

【画像】ニュル最速を狙うためのエアロを纏った「バイパーACR」とは(34枚)

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