天は二物を与えた? 速いだけじゃなく美しい車3選
これまで世界中のメーカーから星の数ほどのクルマが誕生しました。なかにはいまも語り継がれるほど美しいと評されたモデルがありますが、さらに美しさに加えて高い動力性能を獲得したクルマも存在。そこで、速いだけでなく美しいクルマを3車種ピックアップして紹介します。
美しさと速さを兼ね備えたクルマを振り返る
19世紀の終わりにガソリンエンジンを搭載した自動車が発明されて以来、世界中の自動車メーカーから膨大な数のクルマが世に送り出されました。そうしたクルマのなかには、個性的な外観が美しいと評されたモデルも存在します。
また、高性能なエンジンを搭載し、優れた足まわりを組み合わせて、動力性能やコーナリング性能の向上を図ったクルマも星の数ほどあります。
このふたつを組み合わせた「美しく速いクルマ」の代表的なモデルというと、1970年代以降に誕生したスーパーカーが挙げられます。
しかし、スーパーカーは非日常を体現したクルマで、使い勝手は無視してデザインや高性能さに特化して開発されたため、美しくて速いのは必然といえるでしょう。
一方で、もっと実用的なクルマのなかにも、美しくて速いと絶賛されたクルマが存在。そこで、優れたデザインとスピードを獲得したクルマを、3車種ピックアップして紹介します。
●マツダ(アンフィニ)「RX-7」
1991年に発売されたマツダ(アンフィニ)「RX-7」は、ハイパワーなロータリーターボエンジンを搭載した、ピュアスポーツカーとして開発されたモデルです。
外観はダブルバブル形状のルーフやショートデッキ・ロングノーズを採用したスタイルによって、新しさのなかにもクラシカルな手法を取り入れ、複雑な曲面を組み合わせたフォルムは妖艶な雰囲気を醸しています。
フロントフェイスには日本車で最後となったリトラクタブルヘッドライトを採用。低いボンネットと小ぶりなキャビン、ワイドトレッドが相まって、見た目にも高い運動性能を予感させます。
エンジンは654cc×2ローターターボが搭載され、発売当初は最高出力255馬力を発揮し、後に改良が重ねられた結果、国内での自主規制値上限である280馬力に到達。
シャシ性能も高く、アルミ製サスペンションアームを多用した4輪ダブルウイッシュボーンにより、優れた運動性能を発揮しながら、2+2の4シーター(後に2シーター車も登場)で、深さは浅いながらも荷室も確保されるなど、実用的なスポーツカーという一面もあります。
RX-7は強化された排出ガス規制の対応が困難ということから2003年に生産を終了しましたが、いまも優れた走りとスタイルによって、国内外に存在する数多くのファンを魅了し続けています。
●ボルボ「850エステート T-5R」
1980年代の終わりから1990年代の初頭にかけ、好景気という背景やスキーブーム、アウトドアレジャーブームが重なったことで、ステーションワゴン人気が一気に高まりました。
その人気の先駆けだったのが、国産車ではスバル初代「レガシィツーリングワゴン」で、輸入車ではボルボ「850エステート」ではないでしょうか。
1991年に発売された850はセダンとステーションワゴンをラインナップし、とくに850エステートはボクシーなフォルムながらも美しさが感じられる洗練されたデザインによって、国内のLサイズ・ステーションワゴン市場を席巻。
搭載されたエンジンは2.3リッターから2.5リッターの直列5気筒で、これを横置きに搭載したFFを基本とし、4WDもラインナップされました。
さらに、ターボモデルをさらにチューニングした最高出力240馬力のハイパワーな限定車「850エステート T-5R」や「850Rエステート」が発売され、どちらも高い人気を誇ります。
欧州では850エステートをベースにツーリングカーレースに参戦するなど、基本性能の高さをアピールし、スポーツワゴンというイメージを定着させました。
850エステートは日本でデザインやコンセプトが高く評価され、1994年度に「グッドデザイン大賞」を受賞。現在まで自動車がグッドデザイン大賞を受賞した例は5車種しかなく、850エステートは唯一の輸入車で受賞したモデルです。
なお、今も850エステートの美しさに魅了されたファンは多く、ボルボ・カー・ジャパンでは末永く維持することをサポートするレストアサービス、「ボルボ・クラシック・ガレージ」を展開しています。
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