BMW「M5」が275万円! 同じエンジンを搭載した「Z8」の落札価格は?
小排気量ターボが当たり前の時代になってしまったが、いまから20年ほど前までは、自然吸気大排気量エンジンも隆盛を誇っていた。F1のレギュレーションが自然吸気エンジンだった時代だ。この時期に、BMWでは名機と呼ばれるV8自然吸気エンジン、「S63B50」を搭載したモデルがあった。この名機を搭載した2台のアイコニックなBMWを紹介しよう。
大排気量でも自然吸気でブンブン回していた時代
燃焼効率の高さを求めた小排気量ターボエンジンが主流となりつつあるいま、大排気量NA(自然吸気)エンジンの愉しさを実感した経験を持つ人も減ってきている。
というよりも、クルマを運転することに愉しさを求めるというのが、すでに古い考え方なのかもしれない。
しかし、である。運転しているクルマがよくできたものなら、たとえ渋滞中や、街中をゆっくり走っているときであっても、運転そのものに愉しさを覚えるはずである。
その愉しさの大きなポイントのひとつは、エンジンにあるだろう。エンジンの回転数によって変化するサウンドやパワーデリバリー。モーターでは得られない個性を感じられるエンジンの魅力は、わかる人にはわかるはずだ。
電子制御されてはいても、燃焼によって膨張したガスの力を利用するという、いわば原始的な部分が人の野生を呼び起こすのかもしれない。
●2002 BMW「Z8」
エンジンを製造するカーメーカーのなかで、昔から高評価を得ているのがBMWだ。
第一次世界大戦当時から航空機用エンジンを製造していたBMWは、その後オートバイの分野に進出。第二次世界大戦後には自動車の分野に進出し、数々の名機といわれるエンジンを開発し、モータースポーツの世界でも数多くの勝利を手にしてきた。
そんなBMWが、2000年前後にMモデルに搭載していたのが、5リッターV型8気筒自然吸気──S63B50型エンジンである。
94.0mm×89.0mmというショートストロークのこのエンジンは、最高出力400psを6600rpmで、最大トルク500Nmを3800rpmで発生する。
このスペックを現代のエンジンと比較してみてほしい。ピストンやクランクがはるかに軽い2リッター程度のエンジンですら、最高出力を発生するのはせいぜい7000rpm程度だ。ひと昔前なら、9000rpmまで回るエンジンも存在したが、いまは6000rpmを超えると高回転といわれる時代である。
V型8気筒のS63B50型エンジンが、いかに高回転型ユニットであったかがわかるだろう。
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