M3のピックアップも!? スワップ上等!! メーカーが手掛けた魔改造「M3」とは
ありそうでなかった「M3」の派生モデルとは?
ちょうどE46型3シリーズがまだ現役だった頃、ツーリング(ワゴン)がブームとなり、いろいろなメーカからセダンをベースにしたツーリングモデルがリリースされていた。
そこで、プロダクションモデルとして真剣に検討されていたのが、「M3ツーリング」である。
●2000 BMW「M3ツーリング」
Mモデルでツーリングがラインナップに加わったのは、E34型「M5ツーリング」とE60型「M5ツーリング」のみである。E46型M3ツーリングは市販化されることはなかったが、プロトタイプを製作することで、社内的にはある目標を達成することが出来た。
たとえば、量産モデルの3シリーズ・ツーリングモデルからM3ツーリングを製造するのに、たいした困難を伴わないという事が判明したのである。もっとも困難だと考えられていたプロダクションモデルのリアドアを改造して、リアのオーバーフェンダーと合致させるために、コストの掛かる特別な設備が必要ないということがわかったのである。
万が一、M3ツーリングの生産にゴーサインが出たら、内装などのMモデル専用パーツを簡単に取り付けることができることを知る上で、プロトタイプが重要な役割を担ってくれたのである。
しかし、残念ながらこのあとM3ツーリングがラインナップに加わったというニュースはまだ届いていない。
●1996 BMW「M3コンパクト」
「M3コンパクト」は、若い顧客層向けのMモデルのエントリーモデルを探ることだった。コンパクトにまとまったそのボディサイズは、現在のBMW「M2」の祖先だと考えてもいいかもしれない。
M3コンパクトには、E36「M3C」のエンジンが321psの最高出力そのまま搭載されていた。E36M3Cの車重が1470kgだったことを鑑みると、わずか1.3tの軽いボディには、十分すぎるパワーだったことが伺える。
ドイツの自動車雑誌「auto motor und sport」が1996年の13号でテストした際、「150kgも軽量で、機敏で、より堅くて(高剛性で)、しかも妥協をしなかった」と熱狂的に記している。
しかし、BMWのワークショップのチーフによると、M3コンパクトが仮に市販されたとしたら、S50エンジンはパワーダウンして搭載することになったであろうということだ。
このE36のコンパクトボディにE36M3のエンジンを換装するというチューニングは、2000年代前半に、日本でもチューナーが製作している事実が数例ある。
しかし、エンジンパワーとシャシのバランスが悪く、クラッシュした固体も多い。いみじくも、ワークショップチーフが語ったように、パワーダウンさせないと市販化は無理であったことを、裏付けるエピソードである。
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