ターボ全盛の今だからこそ魅力を再確認! 個性的な自然吸気エンジン車5選
大排気量と高回転型、どちらも魅力のある自然吸気エンジン
●レクサス「GS F」
レクサスのクルマでは、車名に「F」もしくは「Fスポーツ」が付くと特別なモデルであることを表しています。なかでも「F」はハイパワーなエンジンを搭載し、シャシ性能もアップされるなど、ハイパフォーマンスモデルとなっています
現行モデルでは「RC F」だけになってしまいましたが、かつてはミドルクラスセダンの「IS F」と、アッパークラスセダンの「GS F」がありました。
GS Fには「LC500」や「RC F」にも搭載される自然吸気の5リッターV型8気筒エンジンを搭載。最高出力は477馬力を誇り、この大パワーを後輪だけで路面に伝えるためにシャシも手が入れられ、サスペンションやブレーキも大幅に強化されています。
組み合わされるトランスミッションは8速ATを採用。トルクコンバーターを用いたステップATながら、DCTに匹敵する最短0.1秒の変速を実現しており、2速以上をほぼ全域にわたってロックアップすることと相まって、ダイレクトな応答性と本格的なスポーツドライビングを可能としています。
GS Fは一般道ではなめらかに走り、ドライブモードを切り替えればワインディングロード、さらにサーキット走行にも対応。
外観ではカーボンファイバー製のエアロパーツが装着され、軽量化と空力性能が高められました。
なお、残念ながらGSシリーズは2020年8月で生産終了しており、GS Fも絶版車となっています。
●ホンダ「S2000」
ホンダは、日本で初めてF1に参戦した自動車メーカーとして、レースで培った技術を市販車にフィードバックすることで、これまで数々の高性能モデルを世に送り出してきました。
かつては、高回転かつ高出力な自然吸気エンジンに定評があり、ホンダは「エンジン屋」というイメージが定着。
そして、数多くの高性能自然吸気エンジンのなかでも、集大成ともいえるのが、1999年に発売されたオープンFRスポーツの「S2000」に搭載された「F20C型」です。
ホンダとしては「S800」以来となる29年ぶりのFR車で、シャシからエンジンまで、すべてが新設計されました。これほどの大事業となったのは、S2000がホンダ創立50周年を祝うメモリアルカーという意味合いもあったからです。
F20C型は、2リッター直列4気筒自然吸気で最高出力250馬力を8300rpmで発揮。レブリミットは9000rpm、リッターあたり125馬力と、市販車のエンジンとしては驚異的な高回転・高出力なものとなっていました。
2005年に実施されたマイナーチェンジで、エンジンは2.2リッターに排気量がアップされ、かつてほどの高回転エンジンではなくなりましたが、それでも十分にパワフルかつ扱いやすくなり、国内外のファンから愛されましたが、発売から10年後の2009年に生産を終了。
2020年にはホンダアクセスから、S2000発売から20年を記念して、新たなドレスアップパーツが販売され、話題となりました。
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自然吸気エンジンのレスポンスの良さや、アクセル操作に対してリニアな加速は、大いに魅力的ですが、そうしたスポーティな自然吸気エンジンは、いまでは世界的に絶滅が危惧されています。
そうしたなかポルシェは、ターボエンジンを主流としていながらも、特別に高性能なモデルでは自然吸気エンジンを復活させています。
排気音やエンジンのフィーリングといった要素はスポーツカーには不可欠ですから、自然吸気エンジンを残しているのは、ポルシェ流の哲学なのかもしれません。
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