複数台が絡む事故… 玉突き事故の過失は後続車が高くなる?
2020年5月19日午前、群馬県でトラックや乗用車など17台が絡む玉突き事故が発生しました。このような複数車両に影響が及ぶ事故の場合、どのような対処をすれば良いのでしょうか。そして、過失割合はどうなるのでしょうか。
玉突き事故時の対処法とは?
3台以上のクルマが絡む追突事故を俗に「玉突き事故」といいます。では、自分が巻き込まれてしまった場合には、どのように対処するべきなのでしょうか。
2020年5月19日午前、群馬県前橋市の北関東道の伊勢崎ICと駒形ICの間で、トラックや乗用車など17台が絡む事故が発生しました。
事故の概要は、車両の異変を感じて路肩に停車していたトラックのエンジン付近から出火、その煙で周囲の視界が悪くなり、後続の大型トラックなど16台が追突した玉突き事故だったようです。
このニュースを見たユーザーからは「巻き込まれたらどうすればいいのか」、「追突したら過失割合はどうなるのか」といったコメントが多く寄せられました。
玉突き事故に遭遇した場合の対処方法として、玉突き事故に巻き込まれてしまった場合でも、通常の事故発生時と大きくは変わりません。
交通事故の際にドライバーがおこなうべき行動は、道路交通法第72条に記載されています。
「交通事故があつたときは、当該交通事故に係る車両等の運転者その他の乗務員(以下この節において「運転者等」という。)は、直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない。」(道路交通法第72条抜粋)
事故の際は、負傷者の救護を優先してハザードランプや発煙筒を使用し、後続車に対する安全措置を取ります。その後、救護と安全確認が終わったら警察に通報する流れとなります。
なお、これらを怠ると「救護義務違反」や「危険防止等措置義務違反」とされ、5年以下の懲役または50万円以下の罰金が適用されます。加害者の運転により死傷者が出た場合であれば、10年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科せられます。
また、警察への連絡をしなかった場合は「事故不申告」とされ、3か月以下の懲役又は5万円以下の罰金が科せられます。
これは、道路交通法に当該事故に係る者と定められているように、加害者・被害者を問わず共通している内容です。
警察庁では、高速道路における緊急時は「路上に立たない・車内に残らない・安全な場所に避難する」という3原則を提唱しています。
さらに、警察署の交通課職員は以下のように話します。
「高速道路上は、基本的に駐停車が禁止されているため、『クルマが停まっていることが想定されていない』道路です。事故の状況によりますが、まずは本線から離れての安全確保が最優先です。
また、玉突き事故であれば、事故全体の様子が掴みにくいため、車外に出たくなるドライバーも多いでしょう。しかし、道路上にむやみに出ることは大変危険ですので、しっかりと安全確認をおこなってからにしてください。
そして、事故後に取るべき行動の義務は、必ず守ってください。事故を起こすと、我々警察官でさえ動揺してしまいますが、その後の行動が不適切であれば重い刑事罰がくだされるほか、2次事故のリスクが非常に高くなります」
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