信州の自然に身をゆだね、美と健康を促進。世界がうなる深山の一軒宿
八ヶ岳中信高原国定公園内の山峡の地ながら、「湯」も「食」「ホスピタリティ」も上質、そして美と健康にこだわる一軒の宿がある。約90年の歴史を誇る扉温泉「明神館」だ。山中のひなびた温泉と思ったら大間違い。フランスの「ルレ・エ・シャトー」のメンバーホテルという、世界が注目するラグジュアリーリゾートだった。
アジアの隠れ家リゾートにも通じる、大自然を活かした上質で贅沢なサービス
日本には素敵な温泉宿が各地に存在するが、常に進化の手を緩めず、時に驚くようなプレゼンテーションでゲストを迎えるという宿は実は少ない。もちろん変わらないことも価値であり、確立されたものを守り続けることが魅力の宿もある。しかしながら、社会環境の変化も激しく、人々の価値観も多様化しているいま、さまざまな世界を知るゲストを惹きつけることは、なかなか容易ではないだろう。
さて、そんな進化をいとわない先鋒ともいうべき宿が、長野県松本市にある。八ヶ岳や美ヶ原、霧ヶ峰といった美しい自然を懐に抱える八ヶ岳中信高原国定公園内の山峡に佇む、扉温泉「明神館」である。松本市内からビーナスラインへとつながるアザレアラインを経由、さらに松本和田線を走ること約40分。標高1050m、清流と深き緑に囲まれた場所に忽然と「明神館」は現れる。
ここは、その場所性からは想像もできない上質なサービスの数々が待ち受けている宿。これまで深山幽谷の一軒宿で、世界に通じるサービスやグルマンをうならせる食やワインが楽しめる場所は、なかったといっていい。
明神館の創業は1931年。現在は4代目となる齊藤忠政氏が当主を務める。扉温泉は、同じ長野県の戸隠と同様に天岩戸の扉の神話に由来し、神々が湯治に訪れたという伝説を持つ温泉だ。もとはまさに湯治場だったそうだが、村長であった初代が宿としてスタートさせた。高度成長とともに利用客も増え近代化。2002年には大幅な改装が施され、この宿を代表する、美しくも心地よい立ち湯の「雪月花」をはじめ、モダンで洗練された空間や施設づくりをおこなってきた。
また、フランスで研鑽を積んだ現在の総括料理長・田邊真宏氏も加わり、食事も重要なコンテンツとして試行錯誤を繰り返しながらゲストに提供している。そうしたことから、2008年には厳格な審査を通して認められたホテルやレストランだけが加盟できるフランスの「ルレ・エ・シャトー」のメンバーになったほか、いちはやくデンマーク発祥の世界基準の環境認証を取得するなど、先進的でグローバルな視野を持って取り組んでいるのだ。
近年では地産食材にこだわった日本料理のダイニング「TOBIRA」、KUSHIマクロビオティック認定シェフでもある田邉氏による、信州の自然を取り入れた料理が楽しめる「ナチュレフレンチ 菜」、そして、清流のマイナスイオンをたっぷりと体感できる優雅なバー兼サロン「サロン1050」という3つのダイニング&バーを整えるなど、それまでの純和風路線から世界のゲストを迎えるに相応しいリゾートへと変化を遂げている。胡坐をかくことなく進化の手をゆるめていないのだ。
そして、2019年には、さらに大きな魅力が加わった。露天風呂付き和室9室のうち6室を改装し、新たに「然(ZEN)」という新しいタイプの客室5室をオープンさせている。
すべてがベッドタイプそして客室露天風呂付き。室内は地元産の木材(選び抜かれたカラマツや杉)を使った開放的でモダンな空間となっている。フラットソファなどを採用するなど体を開放するかのように、ゴロゴロと自由気ままに過ごせるのがいい。目にも眩しい四季折々の自然が目の前に広がり、大自然の中でくつろいでいるかのようだ。
一方、グローバルだからこそ、より一層ローカルを大切にするのはいうまでもない。それは食材も設えも、リゾートの端々に感じられることだ。しかも、現在はグループとして地元松本市の活性化に貢献するべく、レストラン「ヒカリヤ」のオープンを筆頭に、残された貴重な古民家の活用や持続可能な田畑の運営にも取り組んでいる。
美と健康に貢献する食と温泉、そして身も心も自然に委ねるくつろぎのひと時。ここには何度でも足を運びたくなる理由がいくつもある。
■information
扉温泉 明神館
住所:長野県松本市大字入山辺8967
TEL:0263-31-2301
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