高齢ドライバーの2割強は認知機能に問題あり? 一部の高齢ドライバー特有の傾向とは

65歳以上の高齢ドライバーを対象とした調査で、2割強の人の認知機能が低下している疑いがあることが判明しました。また、一部の高齢ドライバーの保有者にはある特有の傾向があることもわかったといいますが、どのようなものなのでしょうか。

認知機能低下の恐れがあるドライバーは全体の21.3%

 一般ユーザーを対象とした、クルマの運転時に必要な認知機能についてチェックしたインターネット調査において、65歳以上の高齢ドライバーのうち2割以上の人に認知機能が低下している疑いがあることがわかりました。

 しかし、高齢ドライバーのうち免許返納を近々に検討している人はごくわずかとなっているほか、認知機能の疑いがある高齢ドライバーには、ある特有の傾向があるといわれています。いったい、どのような現状となっているのでしょうか。

一部の高齢ドライバーは認知機能に問題を抱えている可能性がある(画像はイメージ)
一部の高齢ドライバーは認知機能に問題を抱えている可能性がある(画像はイメージ)

 クルマの運転は、「認知→判断→操作」の連続で、それぞれ視力、聴力、認知力、判断力、反射神経、筋力などのさまざまな身体的能力を高度に必要とします。

 そのため、運転に慣れていない人や高齢者の事故が多いのは、「認知」「判断」「操作」のいずれかに支障が生じる頻度が高いことが原因だと考えられます。

 加齢に伴って起こる運転に必要な能力の衰えに加え、認知機能が低下すると運転そのものに重大な影響を及ぼすこととなります。

 今回のインターネット調査は運転時の身体機能や認知機能の低下、疾病の有無等に関する23個の設問にそれぞれ「はい」「いいえ」で回答してもらい、65歳以上の対象者2689名のデータが集められました。

 そして、2689名の回答結果を「ホワイト」(認知機能は正常)、「グレー」(軽度認知障害の恐れあり)、「ブラック」(危険群)の3つに分類したところ、認知機能低下の疑いがあるグレーとブラックの合計は21.3%と、2割を超えていることがわかりました。

 しかし、免許返納に対する意識もあわせて調査すると、免許返納を近々に検討している人の割合は、グレーに分類された408人(15.2%)のうち7%、ブラックに分類された164人(6.1%)のうち17%と、近々の免許返納を考えていない人も多く存在することも判明しています。

 また、グレーとブラックに分類された人は、ホワイトに分類された人に比べて、長い間同じ車両に乗り続けている(年式の古いクルマに乗っている)割合が高いことがわかっています。

 保有車の年式が2011年式以前の人の割合(高齢ドライバー全体では40.9%)を見ると、グレーの45.1%、ブラックの50.6%に対し、ホワイトは39.4%です。

※ ※ ※

 今回の調査では、認知機能検査の結果が「認知症のおそれがある(第一分類)」と出ても、医師から認知症だと診断されなければ運転し続けたい高齢ドライバーが全体の15%の割合で存在することや、交通が不便なエリアの居住者ほど、免許返納に慎重になっていることなども判明しています。

 今回、調査をおこなった株式会社ADKクリエイティブ・ワンのモビリティチームは、次のように説明しています。

「今後、我が国の高齢化は進み、2025年には団塊の世代が75歳以上になります。

 免許保有率が高く、クルマとともに人生を歩んだこの世代および前後世代の運転傾向の把握と理解は、高齢ドライバーの存在がますます際立つこれからのクルマ社会に必要不可欠と考え、このような調査を実施しました」

【画像】高齢ドライバーの認知機能が低下するとどうなる? 影響が出る範囲とは(10枚)

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Writer: くるまのニュース編集部

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