重視するのは「機能性?それとも見た目?」 トヨタ86カスタムへの道【ブレーキ編】

タイヤ、ホイール、車高調など、見た目が変わるだけでなく走りにも直接影響するパーツを交換した事により、さらに運転を楽しめるクルマに進化した私のトヨタ「86」。そうなると、走りを楽しむ上で一番大切だと言っても過言ではない『止まる』という部分。ブレーキを交換しないなんて有り得ない!という事で、より止まれるブレーキを装着する事になりました。

TOM’Sのブレーキラインの特徴とは

 TOM’Sのブレーキラインについて、株式会社トムス 自動車用品部の桑原氏は次のように説明します。

ブレーキフルードの交換作業

 「純正のブレーキラインはホース自体がゴム製で出来ています。そのため、ペダルを踏んでパットがブレーキディスクを挟む時に、オイルの勢いでホースが若干膨張し、オイルの圧力が伝わるのが遅くなるのです。

 TOM’Sのブレーキラインは、ホースをステンレスのメッシュにする事で、ホースが縮まることがなくオイルの圧力がダイレクトに伝わるので、ブレーキのペダルタッチにラグがありません。

 そしてもう一つ。ペダルタッチがダイレクトに伝わるという事は、タイヤのグリップも感じられるという事。ブレーキを当てた時に、タイヤがグリップしている感覚が伝わりやすくなるんです。

 そうなるとコントロール性も上がり、ブレーキの性能も良くなるので、TOM’Sではステンレスメッシュを使っています」

 TOM’Sこだわりのブレーキラインとブレーキパッドを組み込んだ「86」は、いったいどのような変化を遂げたのでしょうか。

「86」の制動力はどう変化したのか?

 まず、ブレーキの踏み始めからキーンという金属の擦れる音が小さく、それでいてハッキリとコクピット内に鳴り響くようになりました。そしてキャリパーがディスクをぎゅっと挟み込む感覚が伝わってきた瞬間に、想定以上の勢いで停止します。

 その制動力の高さは慣れるまでは少し扱いづらく、普段通りにブレーキングしていても、全てが急ブレーキになってしまう程です。

 しかし感覚を掴むと、その扱いづらさは一変。ペダル操作に遅れることなくついてくる、減速のスピードが面白い。パットがどの程度キャリパーを挟み込んでいるのかが手に取るように分かるので、どんな速度域からも止まれないという不安を感じる事は一切ありません。さらにタイヤのグリップ感も伝わってくるのでブレーキの怖さもなくなりました。

 そして、最初は耳についていたブレーキパッドが擦れる音も、愛車が一所懸命かつ最速で減速しようと頑張ってくれているみたいでなんだか可愛くなってきて、パッドが鳴かないように加工もできるそうだけど、敢えてこのまま乗る事に決めました。

 新車で納車した時から運転しやすく、全く不満を感じない完璧な1台だと思っていましたが、カスタムをする事でよりドライバーの思うままに走ってくれるクルマに進化した私の「86」。パーツを追加していくごとに明確な変化を感じられ、まるで成長しているみたい。

 そんなカスタムの世界に魅了され、次はどこを変えようかな?そればかり考えてしまいます。

【了】

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