やっぱり日本の技術は凄い! ロータリーや直噴、HVなど量産車世界初の技術が搭載された日本車5選
今は当たり前になった直噴ガソリンエンジンも日本発
●三菱「ギャラン」直噴ガソリンエンジン
欧州を中心に広がりをみせた「ダウンサイジングターボ(排気量を小さくしてターボでパワーを補う)」のほとんどは「直噴ガソリンエンジン」を採用しています。
ガソリンエンジンの場合、燃料と空気が混ざった「混合気」をエンジンが吸い込み、プラグで点火して爆発させるのが一般的です。「直噴ガソリンエンジン」は空気だけを吸い込んだエンジン内(シリンダー内)に、直接燃料を噴射して、内部で空気と燃料が混ざったところで点火するというものです。
決して新しい技術ではありませんでしたが量産化は困難でしたが、1996年に三菱が「ギャラン/レグナム」に「GDI」という名で量産世界初となる「直噴ガソリンエンジン」を搭載し、発売しました。
三菱のGDIエンジンはさまざまな車種に展開してきますが、低燃費、低CO2排出をアピールしていたものの、技術的には完璧ではなくカタログ値から乖離し、そのうえ不具合も発生してしまいます。
そして、2007年にGDIエンジンの生産は終了します。後に燃料噴射制御技術などの技術革新や、前述の「ダウンサイジングターボ」の登場で「直噴ガソリンエンジン」は復活を遂げることになります。
●インフィニティ「QX50」可変圧縮比エンジン
内燃機関は空気や混合気を吸って圧縮し爆発、排気というサイクルを繰り返して回転します。この圧縮が重要で、たくさん圧縮する=圧縮比が高くなると、エンジンの熱効率も良くなり性能も向上します。
しかし、ガソリンエンジンの場合は圧縮比が高くなると、運転状況によっては「ノッキング」と呼ばれる異常燃焼を起こすといった不具合も発生してしまいます。
そこで、日産が2016年に世界初となる量産型可変圧縮比エンジン「VCターボ」を開発し、同社の高級車ブランド「インフィニティ」のモデルに搭載すると発表しました。
「VCターボ」はエンジン内部の機構により圧縮比を8:1(高性能)から14:1(高効率)の間で自在に変えることができ、ターボと組み合わせることで、全域にわたって燃費と排出ガスの大幅な削減と高性能化を両立しています。
この「VCターボ」が初めて搭載されたのが2017年に北米で発売されたインフィニティ「QX50」というSUVでした。エンジンは2リッター直4で、最高出力は268馬力ほどですが、可変圧縮比によりターボを効率よく使うことができ、力強いトルクと高い効率性を併せ持つエンジンとなっています。