正式発表前にトヨタ 新型「スープラ」試乗! 注目の国産スポーツその特徴とは
新型「スープラ」の特性を体得するなら「スポーツ」モード
続いて、横滑り防止制御の介入が少し遅くなると思われる「スポーツ」を選び、ATはマニュアルモードでコースイン。当然ながらコチラの方がずっとスポーティかつ楽しいです。コーナー立ち上がりで丁寧にアクセル踏むと、横に滑りながらも加速。新型「スープラ」の特性を体得するなら、しばらくこのモードを使うことを推奨します。
コーナーでハンドルを切った時の「ターンイン」は、さすが前後重量配分50対50だけあり素直。クリッピングポイントの少し手前からジンワリとアクセル踏んでいくと、若干テールスライド気味の姿勢になり気持ち良く立ち上がって行く走りをしようとすると、少しばかり丁寧かつ微細なドライビングセンスが必要です。
袖ケ浦サーキットを6ラップし、慣れたので横滑り防止装置を完全オフ。素のスープラを味わってみます。前述の通り、前後の重量配分が同じだと素直な挙動になる反面、コマのように回りやすくなります。そのあたりの味付けがけっこう難しい。BMWもポルシェもデビューしたばかりの新型車はセッティングに苦労しているようです。
デビューしてから3年目くらい経つと「いいね!」というレベルに達するほど。BMWと共同開発したスープラも同じで、意のままに姿勢をコントロール出来るというレベルには届いていない。新型「スープラ」の開発責任者 多田氏に話を聞くと、「今回の『スープラ』は、ターンインからコーナリング中、立ち上がりまで、とにかく“ニュートラル”を目指して開発」と言ってただけあり、素性の良さをキッチリ感じさせてくれました。3年目くらいで横滑り装置カットでも自由自在に振り回せるようになると予想します。
この手のスポーツモデルの場合、初年度と2年目くらいまでは「粋」(新しいクルマにいち早く乗るのがクルマ通です)を魅力とすればOK。3年目から中身で勝負です。ちなみに海外情報によれば250馬力前後の2000ccターボもあり、こちらは一段と軽快なハンドリングで価格もお手頃になるようで、大いに楽しみです。
【了】
Writer: 国沢光宏
Yahooで検索すると最初に出てくる自動車評論家。新車レポートから上手な維持管理の方法まで、自動車関連を全てカバー。ベストカー、カートップ、エンジンなど自動車雑誌への寄稿や、ネットメディアを中心に活動をしている。2010年タイ国ラリー選手権シリーズチャンピオン。