もっとぶっ飛ぶべき! ホンダ 新型「NSX」は2年ぶりの改良でどう進化した?

スーパーカーであれば、もっとぶっ飛んで良い!

 足回りは、普通の速度域で走っていればスポーティ。それじゃ少し攻めてみましょう、とばかりショートサーキットに持って行きました。60km/hくらいのコーナーで曲がりながらアクセル踏むと、1回目はこの手のクルマの文法通りテールが流れました。テールが流れても横滑り防止装置が付いているため、瞬時に収束し、テールが50cmくらい外に出るだけです。

 次のコーナーも同じようにアクセル踏んでみたらアンダーです。アクセル踏んだ瞬間、前輪が『ツン!』と前に出ます。この手のクルマで唐突なアンダーが出ると怖い。走行ラインが膨らむからです。その後も試してみると、10回中6回テールが流れ、4回アンダーといった具合。同じようにアクセル開けてもバラついてこれも不安です。

 試乗会場に戻りハンドリング担当の技術者に聞いてみると、やはりそういった傾向なのだといいます。ニュルブルックリンクに代表されるサーキットの中速から高速コーナーでは安定しているのですが、低速コーナーがバラつくようです。ニュルブリックリンクを走るというオーナーなら問題無いでしょう。しかし私はサーキットを走らないので少し不満が残りました。

ホンダ「NSX(2019年モデル)」の価格は2370万円

 こう書くと『お前は買うのか?』と突っ込まれるかもしれません。私は何を隠そう最後の1台はスーパーカーにしようと思っています。もちろん新車はとても買えません。予算1500万円くらいの中古車です。数年後マクラーレン「540C」とか予算内に入ってきたら考えます。スーパーカーの走行距離は少ないため、中古車で十分です。でも今のホンダ「NSX」であれば考えません。

 スーパーカーは年間1000キロくらいしか乗らないオーナーがほとんど。つまり本来なら不要な乗り物です。だからこそ意味があるんだと思う。たまにハンドル握った時に爆発的な楽しさを味合わせてくれたら100点です。

 そう考えると、今の「NSX」は不要な乗り物感は薄く、実用性を考えちゃってます。もっともっとぶっ飛んで良いはずです。エクステリアもインテリアも同じ考えです。

 根本的に変える必要などはありません。パワーユニットは十分な性能を持つし、スタイルも私は大好きです。走りを尖らせ、ボッテリしたボディパネルにシャープさを出し、乗用車のような内装材に革やアルカンターラを張ってくれれば十分です。普通の乗用車と共通部品のスイッチ類も変えてほしいです。開発担当者の水上さんなら、ぶっ飛んだ「NSX」を作ってくれると信じています。
 
【了】

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Writer: 国沢光宏

Yahooで検索すると最初に出てくる自動車評論家。新車レポートから上手な維持管理の方法まで、自動車関連を全てカバー。ベストカー、カートップ、エンジンなど自動車雑誌への寄稿や、ネットメディアを中心に活動をしている。2010年タイ国ラリー選手権シリーズチャンピオン。

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