日本の大動脈「新東名高速」“最後の未開通部”どうなっている? 超・難所「高松トンネル」貫通まで“もう少し”! 残る「新秦野〜新御殿場」間の進捗が明らかに
NEXCO中日本は、整備を進めている「新東名高速」の海老名南JCT〜御殿場JCT間について、最新の状況を共有する「第8回 連絡調整会議」を開催し、進捗について明らかにしました。
度重なる“開通延期”をもたらす工事の「最大の難所」もちょっとずつ進行
NEXCO中日本は2026年10月19日、整備を進めている「新東名高速」の海老名南JCT〜御殿場JCT間について、最新の進捗状況を共有する「第8回 連絡調整会議」を開催しました。
新東名の残る未開通部の状況は、いまどうなっているのでしょうか。
新東名は、東京から神奈川・静岡・愛知と通り抜け、東日本〜中部地方を結ぶ「第一選択ルート」を担う「東名高速」のバイパスとなるべく建設されている高速道路です。
圏央道と接続する神奈川県の海老名南JCTから愛知県の豊田東JCTまで、総延長約250kmで結びます。
4車線でカーブが多く走りにくいうえ、交通がひっ迫してあちこちで大渋滞が発生している東名に対し、新東名は山側(北側)を最短経路を取り、しかも一部区間では最高速度を120km/hに設定し、東名よりも快適かつ時短になるルートとなります。
終点の豊田東JCTでは、そのまま伊勢湾岸道に直通し、西日本の大動脈となる名神高速・新名神高速や、同じく主要ルートの東名阪道・伊勢道などへのアクセスが優れます。
2022年4月までに、静岡〜愛知県内のほぼ全区間となる御殿場JCT〜豊田東JCTまでの区間、神奈川県内の海老名JCT~新秦野IC、静岡県内の新御殿場IC〜御殿場JCTまでの区間が開通済みです。
残る区間が、神奈川県と静岡県をまたぐ新秦野IC〜新御殿場IC間の約27kmとなります。
当初2020年度の開通を予定していたものの、難工事が続いたことで、すでに6年遅れとなっています。

さて、この工事の進捗を共有する「連絡調整会議」が19日、開催されました。今回で通算8回目となります。
まず同区間の橋りょうについては、31橋あるうち、26橋が完成。進捗は87%となっています。土工部についても、17.4kmあるうち、13.8kmが完成。進捗は79%と、前年同時期と比較し、30%も進みました。
具体的には、未開通部のちょうど中間地点にある「山北天空大橋」は2026年に入って橋桁がつながり、現在はクルマが走る土台の床である床版を架設しているところで、ほとんど完成形です。
そのほか、工事の終盤作業となる舗装工事が38%、施設工事は11%と、着実に工事が進行しているところです。小山PA付近から新御殿場ICにかけては、舗装工事がほぼ完成。すでに道路の形になりました。
道路本体が完成したところは、先に最終仕上げを行っており、一部区間では渋滞情報を伝える道路情報板や照明装置まで設置が進み、完成形が見えています。
いっぽうで、トンネルの進捗は14本あるうち、12本が完成済みで2本を残しています。前年同時期と比べて、完成したトンネルの本数には変化がありません。
これは新東名工事で最大の難所となっている「高松トンネル」の上下線2本がまだ完成していないためです。
神奈川県山北町と静岡県小山町を結ぶ「高松トンネル」は活断層が付近に通るところに立地しており、地盤が非常にもろく、トンネルの変形や大量の湧き水、崩落に見舞われるという災難が続いています。
湧き水の量は途方もなく、2024年9月の掘削時には「1分あたり2.5トン」という過去最大規模の湧き水が発生。この湧いた水を排水する設備を強化しなくてはならなくなりました。
その後も掘ってはトラブルが発生して、工事計画の変更・対策をし、直すというのを繰り返している状態です。
2026年9月末の時点で高松トンネルの掘削は、上り線が2847m中、あと約300mを残すところとなっています。進捗は約89.6%です。下り線は2864m中、あと約200mで、進捗は94.3%です。
議事録によると、「脆弱な地山の出現や湧水の発生が想定以上に広範囲に及ぶなど、自然的要因によって掘削が難航している」としており、「安全かつ慎重に掘削を進めている」としています。引き続き、地盤のもろさや湧き水は予断を許さない状況で、大きなトラブルが起きぬよう、慎重に工事を進めているといった様子です。
とはいえ、トラブルで得られたデータは有識者とともに分析を進め、対策する方法が確立。「どう工事を進めればいいかわからない」という状態は解消し、今は「トラブルが起きないように掘削をしつつ、適切に対策工も行う」という段階です。
また掘削を完了した区間は、トンネル仕上げの中盤である覆工も行っており、上下線ともに1200m以上が完成済みです。
残るは上り線の300m、下り線の200mの掘削を完了させ、「貫通」を待つのみとなります。
もちろん「貫通」とは、トンネルが「ただ向こう側まで突き抜けただけ」なので、そこから覆工を行い、それが完了して舗装、照明や消火設備の設置が行われます。貫通しただけではまだまだ完成とはいえず、トンネルの完成見込みも立ちません。
では、全線開通はいつになるのでしょうか。
ちなみに2025年の段階では、「予定していた2027年度から少なくとも1年以上遅延する見込み」としていましたが、今回は「工程精査が必要」としただけで、具体的な開通日に関する言及はありませんでした。
すなわち、「全線開通」もまだまだ未定ということになりますが、「高松トンネル上下線が貫通したのちに公表」としており、残る上り線300m、下り線200mの貫通が待たれるところです。
晴れて全線開通すれば、海老名南JCTから交通分散し、東名・新東名の2ルート選択が可能になり、新東名の持てるポテンシャルがフル発揮されます。
東名の「秦野中井IC」や「都夫良野トンネル」など、しょっちゅうラジオのトラフィックリポートで聞くような渋滞ポイントも、大幅に解消することが期待されます。
Writer: くるまのニュース編集部
【クルマをもっと身近にするWEB情報メディア】
知的好奇心を満たすクルマの気になる様々な情報を紹介。新車情報・試乗記・交通マナーやトラブル・道路事情まで魅力的なカーライフを発信していきます。クルマについて「知らなかったことを知る喜び」をくるまのニュースを通じて体験してください。


























