“スバルエンジン”搭載の「2ドアスポーツカー」がスゴい! 「インプレッサの強心臓」詰まった“ポルシェ”! ド迫力ボディもカッコいい…米国で披露された「911 GT3 STI」とは
2026年11月3日から6日にかけて、米国ラスベガスで「SEMAショー2026」が開催されます。過去のSEMAショーでは、ポルシェのスポーツカーにスバル製エンジンを搭載した異色のカスタムカーが披露され、注目を集めました。どのようなモデルだったのでしょうか。
スバル製「水平対向4気筒ターボ」搭載!
2026年11月3日から6日にかけて、米国ラスベガスで世界最大級の自動車パーツ見本市「SEMAショー2026」が開催されます。
SEMAショーは、世界中の自動車メーカーやカスタムパーツブランドが、個性的なカスタムカーやコンセプトモデルを披露するイベントです。
そんなSEMAショーでは、過去にもさまざまなユニークなクルマが登場してきました。そのなかの一台が、2022年11月に開催された「SEMAショー2022」で披露された「ENEOS Porsche 911 GT3 STI(エネオス・ポルシェ911 GT3 STI)」です。
同車は、ENEOSの米国法人とカスタムショップ「DevSpeed Motorsports」が手がけた特別なカスタムカーで、2007年型のポルシェ「911 GT3(997型)」をベースに製作されました。
そもそもポルシェ911は、1963年に初代モデルが登場した、ドイツを代表する2ドアスポーツカーです。リアに水平対向エンジンを搭載する独特のレイアウトが特徴で、長年にわたって世界中のスポーツカーファンから支持されてきました。
なかでも911 GT3は、モータースポーツで培った技術を取り入れ、サーキット走行を重視した高性能モデルです。
ベースとなった911 GT3には、本来3.6リッター水平対向6気筒自然吸気エンジンが搭載され、最高出力415馬力を発揮します。
しかし、今回の911 GT3 STIは、通常のポルシェとはまったく異なるパワートレインを搭載しているのです。
その名の通り、採用されたのはスバルの高性能モデル「インプレッサ STI」に搭載されていた水平対向4気筒エンジンです。
実は、ベースとなった911 GT3は事故によって損傷し、エンジンやトランスミッションなどが取り外された状態でオークションに出品されていた個体でした。
これを入手したDevSpeed Motorsportsのファルク・クガイ氏が、新たなカスタムカーとして再生させるために選んだのが、2008年型インプレッサ STIの2.5リッター水平対向4気筒ターボエンジン「EJ25型」だったのです。
ポルシェとスバルは、どちらも水平対向エンジンを採用してきたメーカーです。気筒数こそ6気筒から4気筒へと減りましたが、エンジン形式の共通点を生かしながら、両ブランドの特徴を融合させたわけです。
とはいえ、単純にエンジンを載せ替えただけではありません。
搭載されたEJ25型エンジンには、ボルグワーナー製の大型ターボチャージャーや高性能インタークーラー、専用の燃料供給システムなどを採用。エンジン内部にも強化パーツを組み込み、専用エキゾーストなどと組み合わせています。
その結果、最高出力はなんと550馬力に到達。ベースとなった911 GT3の415馬力を大きく上回るパワーを発揮します。
さらにENEOSによると、スバル製の水平対向4気筒エンジンは、ポルシェ純正の水平対向6気筒エンジンより約77kgも軽いといいます。エンジンを変更することで、パワーアップだけでなく軽量化にもつながっています。
トランスミッションには、スバル「インプレッサ STI」の6速MTを採用。専用のアダプターやギアを組み合わせるなど、大幅な改造が施されています。
なお、元のインプレッサ STIは4WDですが、この911 GT3 STIでは後輪駆動(RWD)へと変更されています。スバル製エンジンと6速MTを採用しながらも、ポルシェ911らしい後輪駆動のレイアウトを維持しているのです。
こうした独特なメカニズムもさることながら、エクステリアも大きな見どころです。

ボディカラーには、かつて世界ラリー選手権(WRC)で活躍したスバルのラリーマシンを思わせる鮮やかなブルーを採用。イエローのアクセントを組み合わせたカラーリングによって、ひと目でスバルのモータースポーツ活動を連想させるデザインに仕上がっています。
さらに、ボディには英国の「VAD Design」が手がけたGT3Rスタイルのワイドボディキットを装着。大きく張り出した前後のフェンダーや専用バンパー、カーボン製ルーフなどによって、レーシングカーのような迫力を演出しています。
足元には、往年のポルシェ「917」をイメージしたROTIFORM製の19インチホイールを採用。タイヤには高いグリップ性能を持つ「TOYO PROXES R888R」を組み合わせています。
ブルーとイエローのラリーカラーに、クラシックなポルシェのデザインを取り入れたゴールドのホイールを合わせるなど、スバルとポルシェ双方のモータースポーツの歴史に敬意を表した仕上がりです。
足まわりにも本格的な装備が採用されています。BC Racing製の車高調整式サスペンションに加え、ポルシェ911のレース車両に由来するサスペンションパーツを装着。ブレーキには911 GT3純正のシステムを使用し、競技用のブレーキパッドを組み合わせています。
さらに、車内には専用のロールケージを組み込み、カーボン製バケットシートや専用ステアリングを装備。レース中のタイヤ交換を想定したエアジャッキシステムまで搭載するなど、サーキット走行を強く意識した仕様となっています。
このように911 GT3 STIは、単にポルシェの外観をスバルのラリーカー風に仕立てたモデルではありません。エンジンやトランスミッションまでスバル製に載せ替え、550馬力の高出力と本格的なサーキット仕様の足まわりを組み合わせた、非常にユニークな一台なのです。
※ ※ ※
2022年のSEMAショーで披露されたエネオス・ポルシェ911 GT3 STIは、カスタムカーとして製作された特別なモデルで、市販車として販売されたものではありません。
しかし、ポルシェの高性能スポーツカーにスバル「インプレッサ STI」のエンジンを組み合わせ、550馬力を発揮するという大胆な発想は、まさにカスタムカーならではといえるでしょう。
まもなく開催されるSEMAショー2026でも、世界各国のメーカーやカスタムショップがさまざまな車両を披露する予定です。
過去には911 GT3 STIのような異色のスポーツカーも登場してきただけに、今年はどのような驚きのモデルが登場するのか、注目されます。
Writer: くるまのニュース編集部
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