斬新「黄色すぎる路線バス」が“快挙”達成! 超“昭和レトロ”内外装で懐かしすぎる! 「西東京&埼玉エリア」を支えた「黄色い西武線」モチーフの「きいろいバス」がグッドデザイン賞獲得
西武バスは、西武鉄道「2000系電車」をモチーフにした特別カラーリング車両「きいろいバス」が「2026年度グッドデザイン賞」を受賞したと発表しました。
「西武2000系」の“再現度の高さ”が評価
西武バスは2026年10月15日、西武鉄道の「2000系電車」をモチーフにした特別カラーリング車両「きいろいバス」が「2026年度グッドデザイン賞」を受賞したと発表しました。
どのような車両なのでしょうか。
西武バスでは、2025年が「昭和100年」を迎えたことを契機に、西武グループの交通ネットワークを身近に感じられるよう、鉄道とバスが連携した沿線事業の活性化を目指し、“黄色い電車”をモチーフにした「きいろいバス」を企画しました。
上石神井営業所管内と小平営業所管内で運行する路線バス車両のうち、「A6-967号車(上石神井営業所)」と「A6-23号車(小平営業所)」の2両に対し、“黄色い電車”仕様のラッピングを施し、2026年3月1日から運行を開始しています。
ここでいう“黄色い電車”とは、西武鉄道で長らく活躍している「2000系電車」のことを指します。

西武鉄道では、昭和の時代から黄色い塗装の車両が活躍しており、その源流は1969年に登場した「101系電車」まで遡ります。
飯能駅から西武秩父駅にかけ、武甲山にかかる急峻な山岳区間を持つ西武秩父線の開業とともに導入された101系は、勾配にも耐える高性能電車です。
性能の強化とともにブレーキの方式が一新されており、従来の車両とは連結ができなくなっています。これを識別するために、旧型の「701系電車(および501系・801系)」とは異なる「レモンイエロー」を車体塗装色に採用しました。
101系は大幅なマイナーチェンジを行った通称「新101系・301系」に進化しつつ、1984年まで大量に導入されます。
そして101系の次にデビューしたのが、きいろいバスのオマージュ元となった2000系電車でした。
1977年に登場した2000系は、さらに高性能になった走行機器を採用するとともに、それまで西武各線で標準だった3ドアではなく、朝夕のラッシュに対応できる4ドア構造とし、西武新宿線などに大量に投入されます。
1988年にビッグマイナーチェンジを経た新デザインの通称「新2000系」もデビューし、池袋線などに配置されます。述べ400両以上が製造され、西武線のおなじみの顔となりました。
そして1983年には、3ドアの新101系・301系に2000系と同じ走行機器を搭載した兄弟車「3000系電車」も登場。池袋線に投入され、“黄色い電車”のラインナップはどんどん増えていきます。
続いて1993年にデビューした「9000系電車」は、池袋線を10両化するために8編成が製造された車両です。
新2000系とほぼ同じ車体ながら、陳腐化してきた101系の走行機器を活用して車体を新製したもので、のちに走行機器は当時最新のVVVFインバータ制御へと変更されています。
いっぽうで、1992年からは営団(現:東京メトロ)有楽町線の乗り入れを目的としたインバータ制御の新世代省エネ電車「6000系電車」が登場しています。
こちらは黄色い塗装ではないステンレスボディで、ラインカラーはブルーと白を採用。イメージチェンジを図っています。後に6000系のブルーと白のカラーは、西武鉄道の標準色となり、続いて登場した「20000系」にも採用されることになります。
結果、“黄色い電車”は9000系最後の編成「9108編成」の落成をもって、製造が終わりました。
9000系の登場から30年以上が経過した現在、省エネとバリアフリーの促進、旅客サービスの向上を目的に、近年では全く新しい「30000系電車」や「40000系電車」が導入され、すでに6000系のカラーも旧世代のものとなりました。
“黄色い電車”は特に陳腐化が激しく、30000系の導入により、101系はほとんどが廃車され、多摩川線のみで運用されています。3000系は全廃し、2000系と9000系も40000系の代替により廃車が進み、多くがローカル線で余生を送っています。
西武鉄道では、2030年度までに車両の大幅な省エネやメンテナンスフリー化が図れるVVVFインバータ制御化100%を目指しており、旧来の“黄色い電車”の消滅までは秒読みとなりました。
さて、数を消しつつある“黄色い電車”を再現したきいろいバスは、バリアフリーに配慮した最新の路線バス車両(三菱ふそう「エアロスター」)をベースに、そのカラーリングを車体全体にラッピングで施し、さらに旧型の701系から9000系まで採用し続けてきた、ヘッドライト周りのシルバーのデコレーションパネルも再現。
車内にもこだわり、座席モケットは新2000系の素材に変更し、運転席周りも新2000系同様の若草色にラッピングを施工。外装・内装を“黄色い電車”仕様にしています。
細部にわたる再現は、西武バスの若手社員の発案がきっかけだったといい、社内横断のプロジェクトチームを発足し、試行錯誤を重ねて実現したといいます。
こうしたデザイン性に加え、将来的な活用も見据えたサステナブルな発想、社内横断プロジェクトとしての推進体制、さらには沿線利用者の愛着形成につながる取り組みなどが高く評価され、2026年度グッドデザイン賞を受賞しました。
同賞審査委員は、以下のようにコメントしています。
「黄色の色味にこだわった外装は、耐久性のある塗装で丁寧に表現されており、運転席周りも実車と同じ淡緑色にラッピングされているなど、内外装ともに鉄道車両そっくりの再現にこだわり抜いた点を高く評価した。
鉄道車両と同じ座席用の表皮素材は、ノンステップバスとしての認証も取得し、将来的に黄色い電車とセットでグループ企業へ譲渡することも見据えた、サステナブルな仕様としている。
公募による社内横断のプロジェクトチームの結成や、完成までのプロセスに密着する映像の公開など、沿線の人々の愛着形成につながる取り組みの観点でも評価したい」
昭和から平成にかけ、西武鉄道を支えてきた“黄色い電車”は、まもなく終焉を迎えますが、きいろいバスを見かけた際は、その歴史に思いを馳せてみるのはいかがでしょうか。



















