マツダ新型「ロードスター PS」が魅力的すぎる! 厳しい騒音規制をクリアして実現した“しなやかな走り”に注目! 登場11年で遂げた進化とは!
2026年6月に実施されたマツダ「ロードスター」の商品改良では、厳しい騒音規制に対応したほか、特別仕様車「PS」を追加しました。どのようなモデルへと進化したのでしょうか。
新型「ロードスター PS」が魅力的すぎる!
マツダは2026年6月26日、「ロードスター」の商品改良を行いました。
改良のトピックは大きく分けて2つ。「車外騒音規制」への対応と、特別仕様車「PS」の追加です。それぞれ順番に見ていきましょう。
今回の規制は、国連法規で定められた規制でいわゆる「フェーズ3」と呼ばれるもの。ロードスターの主査を務める齋藤茂樹氏によると、車外騒音規制への対応は「メーカーによってはもう作るのをやめますといいたくなる」ほどの厳しい規制だったといいます。
ロードスターの場合、70dBを68dB以下に下げることが求められたのだそうで、素人目には「たった2dB」と思ってしまいますが、開発者によると同じクルマを1台から2台へと増やした際の音の変化量が3dBほどだそう。つまり、2dB下げるというのは、半分とまではいかないものの音のエネルギーをかなり低減させないといけないほどだったそうです。
そこでマツダは、静音タイヤの採用で等速状態の騒音を抑制し、レゾネーターとサイレンサーで全開加速時の騒音を抑えました。

タイヤに関しては、接地面を柔らかくすることで騒音を抑えつつ、内部構造を変更することで剛性を生み出し、コーナリングパフォーマンスやウェット性能に影響が出ないようにしています。さらに、タイヤの変更に合わせて電動パワーステアリングもチューニングすることで、ハンドリングに違和感がないように調整しました。
この変更のおかげで、街中での乗り心地はむしろ良化しています。今回、筆者(ハシモトタカシ)は新旧「Sスペシャルパッケージ」を乗り比べましたが、従来型がコツコツとした路面からの入力が残っているのに対し、新型では衝撃のカドが丸められた印象を受けました。
齋藤氏も「(規制を)逆手にとって、さらに進化させるという考えで改良を行なった」と話します。
全開加速時の音の発生源は、主に吸気音と排気音です。吸気音対策としてレゾネーターを新規で2個追加し、排気音に関しては1.5リッター車には旧型の2リッター車のサイレンサーを移植し、2リッター車では新たにサイレンサーの容量を26Lから34Lへと拡大しています。
「最初の試算で『サイレンサーが48L必要です』といわれ、どうしようかと思った」(齋藤氏)
48Lのサイレンサーはトランクを丸々潰してしまうほどの大きさで、内部構造などを工夫しなんとか34Lに抑えたそうです。結果的に2リッター車のトランクは45mm底上げされることになりましたが、それでも安価でコンパクトなFRスポーツを存続させたことは、大いに評価されるべきといえるのではないでしょうか。
そのほかにも、出力制御の見直しに加え、MT車では加速応答の制御の改善やヒール&トゥアシスト制御などの導入も行われています。
続いては、特別仕様車PSについてです。
PSは「ピュアスポーツ」の略で、「街中からワインディングまで、よりピュアにスポーツ走行を楽しみたい方の新たな選択肢」がコンセプトとなっています。
ロードスターには、Sスペシャルパッケージを基本に、軽さを極めた「S」や装備が充実したスポーティグレードの「RS」、サーキット向けの「NR-A」など、様々なキャラクターのグレードがラインナップされています。
そんななか新設定のPSは、グレークロスのソフトトップを採用し、エアコンルーバーやエアコンダイヤルをブラックで統一することでスポーティさを強調。さらに足元には、ブラック塗装のレイズ製16インチアルミホイール、シルバー塗装のブレンボ製キャリパーやローターのほか、専用チューニングを施したサスペンションとビルシュタイン製ダンパーを装備しています。
この足回りはRSと共通ですが、SPでは味付けを大幅に変更。従来のRSと比べてスプリングレートを強め、その分、縮み側の減衰力を下げることでハンドリングと乗り心地をバランスさせました。
さらに、リアのスプリングレートをフロントに対して強めることで、リアのロール剛性もあげて旋回性能と応答性を高めています。
このPSの味付けには、2025年に登場した2200台限定の「マツダスピリットレーシングロードスター」の知見が盛り込まれています。齋藤氏はPSの開発の経緯を次のように話します。
「マツダスピリットレーシングロードスターを開発しているなかで、ものすごく気持ちよくていい足回りができたので、これベースに1.5リッターのロードスターに投入できないかなと(考えていた)。マツダスピリットレーシングロードスターは2リッターエンジンだが、1.5リッターエンジンでやったらとても気持ちいいのができるのではないか」(齋藤氏)
マツダスピリットレーシングロードスターは、サーキット走行も視野に入れ、ボディ剛性も強化したスパルタンなモデル。しかし齋藤氏によると、PSのターゲットはあくまでもストリートで、サーキットは想定していないとのこと。そのため「乗り心地と旋回性能をいいところでバランスさせた」といいます。
実際にSPに乗ってみると、適度なコシがあり、ハンドルを切るとダイレクトに曲がるスポーツカーらしい味付けで、「しなやか」という言葉がピッタリ。このセッティングが好きな人も多いのではないでしょうか。
ロードスターにまたひとつ新たなキャラクターが追加された印象で、2022年に登場しヒットした特別仕様車「990S」の対極にあると感じました。
さらに今回は、ついにND型にグリーン系のボディカラー「ジンクグリーンメタリック」も追加されています(生産は10月から)。光の加減で色味がガラッと変わる不思議なカラーですが、販売比率は30%と最も高くなっているそうです。
「ND型はデザインが全く古くならない。今回のジンクグリーンメタリックのようにカラーコーディネーションで新しい世界観を提案することができる」と、齋藤氏は語っていました。
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騒音規制というハードルを乗り越えて、新たな世界観のPSや新色「ジンクグリーンメタリック」を追加し、さらに進化、そして深化を遂げたロードスター。
世界はどんどんと電動化に向かうなか、ピュアエンジンのライトウエイトモデルはますます貴重な存在となっています。
現行のND型の登場から11年が経ちましたが、買うならまさに「いまが旬」といえそうです。






















