「光るナンバープレート」なぜ激減? かつて流行った“高級車の証”の「字光式ナンバー」現在の動向とは!
かつてクルマの定番ドレスアップだった「光るナンバープレート(字光式ナンバー)」ですが、近年では見かける機会が減りました。一体なぜ姿を消しつつあるのでしょうか。
「光るナンバープレート」なぜ激減?
「秋の夜長」を迎える2026年10月、夜間のドライブに出かける機会も増える時期でしょう。
昭和末期から平成初期にかけて、文字部分が鮮やかな緑色に浮かび上がる「字光式ナンバープレート」を装着した車両が頻繁に見受けられました。
夜間に強い存在感を放つこの装備は自動車愛好家の間で大きな人気を博していましたが、現在ではその装着率が低下しています。
一世を風靡したこの装備が減少している背景を探るには、開発の経緯を振り返る必要があります。
目立ちたい若者やカスタムカー向けの装飾品として認識されがちな字光式ナンバーですが、その発祥は1970年の北海道にあります。
当時の雪国では、猛吹雪の中を走行するとナンバープレートの表面に雪が厚く付着し、文字が全く認識できなくなるという問題が存在していました。
その解決策として、プレート背面に白熱電球を内蔵した照明器具を設置し、背後から文字を照らし出す機構が考案されたのです。
視認性の向上に加え、白熱球が発する熱を利用して張り付いた雪を溶かすという、極めて実用的な融雪装置として誕生したのが始まりでした。

その後、1980年代後半のバブル期を迎えると本来の実用目的から離れ、全国規模でドレスアップアイテムとしての流行が始まります。
高級セダンなどに装着することで夜間でも存在感をアピールできるとして持て囃され、一種のステータスシンボルのように扱われました。
しかし、現在において字光式ナンバーが激減したことにはいくつかの明確な理由があります。
決定的な要因の一つは、光源技術の進化です。省電力で長寿命なLEDランプが普及したことで、背面光源も熱を持たないLEDへと置き換わりました。
結果として、雪を熱で溶かすという最大の機能が失われ、降雪地域における実用面での利点が薄れてしまったのです。
さらに、現代の自動車におけるデザインや先進安全機能も影響を及ぼしています。
近年の車両はバンパー周辺のデザインが複雑化しており、字光式ナンバー用の厚みのある照明ユニットを取り付けるスペースが限られています。
無理に装着すると、バックカメラやソナー等の安全センサーと干渉する恐れがあるため、自動車販売店側も積極的な推奨を避けるようになりました。
また、カスタムに対する価値観の移り変わりも大きな要因です。
インターネット上やSNSにおける当時の流行を知る世代と現代のドライバーの反響を見ると、様々な声が入り混じっています。
「昔は憧れの先輩がセルシオやシーマに付けてたな~」
「親の車が字光式で、高級セダンの証みたいな雰囲気が好きだった」
このように当時を懐かしむ意見がある一方で、現在の視点からの否定的なコメントも多く見受けられます。
「今時のスタイリッシュな車のデザインには似合わない」
「なんだか一昔前のヤンチャなオーナーというイメージが強くて、自分で付けようとは思わない」
「雪国住みだけど、LEDになってからは雪が溶けないからただの飾りになってしまった」
これらの要因から姿を消しつつあるように見える字光式ナンバーですが、完全に過去の遺物となったわけではなく、現代の環境に合わせて密かに進化を遂げています。
従来のような分厚い照明ユニットに代わり、厚さわずか数ミリという極薄型のLEDプレートが開発され、最新の車両デザインにも違和感なく適合する製品が登場しています。
さらに普通車だけでなく軽自動車用として、夜間に黄色い文字が発光する専用品も展開されています。
大ブームとなった時代に比べ装着率は下がったものの、他とは違う個性を演出したいドライバーやカスタム愛好家からは現在でも根強い支持を集めています。
極寒の地での実用品から全国的な装飾品へ、そして最新の極薄LEDへと形を変えてきた歴史は、自動車パーツの変遷を示す興味深い事例と言えるでしょう。
Writer: くるまのニュース編集部
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