全長4.1m! 2人乗りの新「“ちいさな”スポーツカー」世界初公開! 後輪駆動&“270馬力”パワトレ搭載! 旧車デザインがカッコいいルノー「8ゴルディーニ コンセプト」仏国仕様とは

ルノーが、フランス・パリで「8ゴルディーニ コンセプト」を世界初公開しました。1964年登場のオリジナルを、後輪駆動の電動スポーツカーとして再解釈した1台限りのモデルです。往年の姿から何を受け継ぎ、どこを変えたのでしょうか。

270馬力・後輪駆動の2人乗りスポーツカー

 ルノーは2026年9月24日(現地時間)、フランス・パリの「ルノー・カーウォーク」で、コンセプトカー「8ゴルディーニ コンセプト(8 Gordini Concept)」を世界初公開しました。

 1964年に登場し、フランスのモータースポーツの象徴となった「8ゴルディーニ」を、電動化時代に向け再解釈したモデルです。

 ボディは2人乗りの2ドアクーペで、パワートレインは最高出力270馬力の100%電動。オリジナルの特徴だった後輪駆動を受け継いでいます。ただし、デザインスタディとして開発された1台限りのモデルで、市販の予定はありません。

 ルノーはこの5年間、128年におよぶ自社の歴史をひもとき、象徴的なモデルを1台限りのかたちでよみがえらせてきました。電動レストモッド「R17」、アートカー「ルノー5 ディアマン(Renault 5 Diamant)」に続く最新作が、この8ゴルディーニ コンセプトです。

 ボディサイズは全長4120mm×全幅1880mm×全高1270mm。カーボン製のボディに前19インチ・後20インチのホイールを組み合わせ、現代のラリーカーのように路面にどっしりと構えます。V字形状で強調された鋭いノーズと、6灯のヘッドライトを備えます。

 前後異径ホイールについて、ルノーのデザイン担当副社長アレクサンドル・マルヴァル氏は、後輪を大きくすることで視覚的な勢いを生み、オリジナルのリアレイアウトへのオマージュにしたと説明しています。

 そのオリジナルは、リアに95馬力のエンジンを積む後輪駆動車です。本格的なレーシング性能を備える一方、高度な運転技術を求める手ごわいクルマでした。“ラ・ゴルド”とも呼ばれ、ジャン・ラニョッティ氏をはじめ、多くのドライバーにとって格好の“練習車”となりました。

 量産車のスポーティ版にゴルディーニの名を冠したことで、ルノーはGTIブームの10年前に高性能を手の届くものにしました。その象徴となったのが、白いダブルストライプです。

 名前の由来となったアメデ・ゴルディーニ氏は、平凡なエンジンでも一級品に仕立てることから“魔術師”と呼ばれた人物。製図板を使わず、フライス盤の作業者に部品の削り方を直接指示し、完成した部品から図面を起こさせていたといいます。

 8ゴルディーニ コンセプトのデザインは、著名デザイナーのオラ・イト氏と協業したR17と異なり、100%ルノー社内によるもの。社内コンペには300点以上のスケッチが自発的に寄せられ、選ばれた2案を2/5スケールモデルで比較して、双方の長所を融合させました。

 着想源は、カスタムバイクの世界で人気の“カフェレーサー”。不要なものを取り去り、素材やメカニズムの美しさを引き出す手法です。かつてのクロームのサイドモールはボディと一体化。ボンネットの見切り線もなくし、フロント部を一部のレーシングカーのように一体で取り外せる構造としました。

 オリジナルへのオマージュとして、8つのセグメントで構成された新しい「8」エンブレムを採用。ウエストラインのくぼみは新設されたエアベントへ空気を導く役割を担います。ラリー仕様の補助灯はヘッドライトと一体化され、6つの丸型ランプによるライトシグネチャーになりました。

 かつては装飾だった白いダブルストライプは構造的な要素となり、フロントガラス下のグリルやリアランプ内の光るグラフィックがストライプとそろえられています。ストライプは室内のダッシュボード上部にも続き、色は白から青に変わります。

 ボディカラーは、オリジナルを象徴する色「ブルー・ド・フランス」に着想を得たもの。パールと青みを帯びたバインダーを組み合わせる3層塗装です。

”ブルー基調”の旧車デザインがカッコいい!
”ブルー基調”の旧車デザインがカッコいい!

 インテリアは、プラスチックの代わりにヘアライン仕上げのアルミを操作系や広い面に使い、アルカンターラ張りの部分とのコントラストを生んでいます。アルミのダッシュボード上に並ぶ丸型メーターは、デジタル表示です。

 バケットシートの座面と背もたれ中央には青いコーデュロイを張り、ヘッドレストのないフラットな往年のシートを思い起こさせる仕立てとしました。

 8ゴルディーニ コンセプトは、世界初公開後、2026年10月開催のパリモーターショーで展示される予定です。その後は、約15か月後に一般公開予定の新ミュージアム「ルノー・コレクションズ(Renault Collections)」に収められます。

※ ※ ※

 8ゴルディーニ コンセプトは、オリジナルの後輪駆動を受け継ぎ、270馬力の電動パワートレインを積んだ2人乗りクーペです。丸目6灯や白いダブルストライプなど、往年のモチーフを現代の形で取り入れました。

 マルヴァル氏は、この1台で呼び起こしたいのはノスタルジーではなく、クルマへの真の情熱だと語っています。

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Writer: 佐藤 亨

自動車・交通分野を専門とするフリーライター。自動車系Webメディア編集部での長年の経験と豊富な知識を生かし、幅広いテーマをわかりやすく記事化する。趣味は全国各地のグルメ巡りと、猫を愛でること。

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