盗難車の「プラド」「レクサス」を港で“発見”報告に「あっぱれ!」「でかした!」と称賛の声殺到! “最後の砦”横浜税関が「コンテナ詰め密輸」ギリ回避事例を発表

横浜税関は2026年7月16日、千葉県警と合同で捜査を進めてきた盗難車の不正輸出未遂事件について、犯則者を告発したことを明らかにしました。この発表に対し、ネット上やSNSでは様々な反響が寄せられています。

コンテナに中古パーツを偽装して隠されたレクサスとプラド

 横浜税関は2026年7月16日、千葉県警と合同で捜査を進めてきた盗難車の不正輸出未遂事件について、犯則者を告発したことを明らかにしました。

 事件が起きたのは2024年3月26日のことです。横浜税関の本牧ふ頭で通関手続きの検査を行っていた職員が、海外へ輸出される予定のコンテナを確認したところ、申告されていた内容と実際に詰められているものが一致しないことを突き止めました。いわゆる虚偽の輸出申告です。その後、千葉県警捜査三課と共同で調査を続け、2026年7月に関税法違反として千葉地方検察庁へ告発するに至りました。

 コンテナの中に隠されていたのは盗難車でした。行き先はアラブ首長国連邦で、輸出される直前に発覚したため、未遂という形で事件は食い止められました。

 発表に添付された写真によると、コンテナの扉を開けた段階では、フロントバンパーなど大量の解体車の中古パーツが並んでいるだけのように見えます。ところが、その中古パーツを取り除いていくと、奥にレクサス「RX」(先代モデル)とトヨタ「ランドクルーザープラド」の車体が2台、巧みに隠されていたのです。2台合わせた時価は約785万円とされています。

 犯則者は「コンテナの中身はクルマの中古パーツだ」と偽り、それらを目くらましに使って盗難車を密かに運び出そうとしたとみられます。コンテナのサイズも、車体がギリギリ収まる程度のものを選んでいたようで、RX・プラドともにミラーが接触しそうな状態で押し込まれていました。発見されるリスクを少しでも下げようとした工夫だったのかもしれません。

 今回の犯則者に対しては、関税法第111条に基づき、5年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金、あるいはその両方が科せられる可能性があります。また、不正に輸出しようとしたクルマはその場で即時没収となります。

令和6年3月に横浜税関で発生した盗難車不正輸出未遂(虚偽の輸出申告)事件(画像:税関)
令和6年3月に横浜税関で発生した盗難車不正輸出未遂(虚偽の輸出申告)事件(画像:税関)

 ここで、クルマの盗難を取り巻く現状についても触れておきます。自動車盗難の件数は、新車への盗難防止装置の標準装備や防犯カメラの普及などを背景に、2000年代中頃をピークにして1割以下にまで減少しました。しかし、ここ4年ほどは再び増加傾向に転じており、警察庁の最新データでは2025年の1年間だけで6386件が認知されています。

 現在の自動車盗難は、強盗や詐欺といった犯罪に使うためにクルマを調達するのではなく、海外で中古車として売り捌いて利益を得ることが主な目的となっています。そのため、中東など海外での需要が特に高い高級モデルが狙われる傾向にあります。

 今回のRXやプラドをはじめ、トヨタ「ランドクルーザー300」「アルファード」「ハイエース」「プリウス」、レクサス「LX」「LS」などが特に標的になりやすいとされています。

 近年の新車には高性能なセキュリティ装置が標準で備わっていますが、窃盗団も手口を巧妙化しており、そうした装置を強引に解除して盗み出す手口が後を絶ちません。一度盗まれてしまうと、ナンバーを付け替えて追跡を逃れたり、窃盗団のヤードに持ち込まれて細工されたりするほか、コンテナに詰められて即座に輸出手続きが進められるため、取り戻すことはほぼ不可能です。

 こうした状況から、税関は事実上、盗難車を食い止める「最後の砦」の役割を担っています。近年は水際での取り締まりを強化しており、中古車の輸出においては「輸出抹消登録証明書」などの正規書類の提出を義務付けるとともに、車台番号を直接確認する対応も実施しています。さらに、大型X線検査装置を活用することで、コンテナをひとつずつ開封しなくても不正輸出を発見できる体制も整えています。

 税関が取り締まりの対象としているのは盗難車だけではありません。不正薬物や拳銃といった社会悪物品、特許権や意匠権を侵害するいわゆる偽ブランド品なども、水際での摘発強化が図られています。

 一般の人々からの密輸情報の提供も呼びかけており、公式の情報提供サイトや密輸ダイヤル「0120-461-961(シロイ・クロイ)」で広く受け付けています。盗難車の問題は社会全体で向き合うべき課題であり、税関の取り組みとともに、市民の協力が抑止力の一つになることが期待されます。

 今回の発表に対し、ネット上やSNSでは「でかした!」「あっぱれ!」「ダミーの中古パーツの奥に隠されていたのを見つけ出すのはプロの技」「警察の手を離れてしまった後、まさに『最後の砦』として機能してくれた」など、税関の活躍を高く評価する声が多く見られます。

 また、「罰金1000万円や懲役5年では、高級車を何台も盗む窃盗団にとってはリスクが低すぎる」「被害者の被る金銭的・精神的ダメージを考えれば、もっと重罪にすべき」「窃盗罪や関税法違反だけでなく、組織犯罪としてより強力な法整備と厳罰化が必要」といった、司法・法制度に対するアップデートを求める意見も見られました。

 さらに、「今回見つかったのは氷山の一角。すり抜けて密輸されている車が山ほどあるはず」「水際対策だけでなく、盗難車をコンテナ詰めしたり解体したりする怪しいヤード自体を徹底的に取り締まってほしい」など、ヤード規制への要望も寄せられています。

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