スーパーGT第3戦 SUZUKA、「NSX GT3」3戦目にして予選Q1初の突破!(その1)[PR]
5月19日(土)/20日(日)の2日間にわたる、スーパーGT第3戦「SUZUKA 300KM FAN FESTIVAL」が鈴鹿サーキットで開催されました。世界屈指のテクニカルコースで、これまでの鈴鹿1000キロレースとはまたひと味違う、白熱の超高速バトルが繰り広げられました。
今年のスーパーGT鈴鹿は1000キロレースから300キロレースへ
5月19日(土)/20日(日)の2日間にわたる、スーパーGT第3戦「SUZUKA 300KM FAN FESTIVAL」が鈴鹿サーキットで開催されました。名前の通り今年のは鈴鹿ラウンドは300キロレース。世界屈指のテクニカルコースで、これまでの鈴鹿1000キロレースとはまたひと味違う、白熱の超高速バトルが繰り広げられました。
開幕戦では惜しくもリタイアを喫しましたが、第2戦富士ラウンドでは苦しい燃費を巧みにセーブしながら8位を獲得したModulo Drago corseチーム。ホームコースとなる鈴鹿では富士でも素晴らし走りで魅せた、ルーキーの大津弘樹選手が予選1回目(Q1)のドライバーを務めました。
ここで大津選手は期待に応え、計測3周目という早い段階に1分57秒367をマーク。いち早くコースへと飛び出したこともありましたが、全体でも二番手という好位置に付けました。
その後は残された1チャンスを使って最後のアタックを試みましたが、セクター1とセクター3でベストを更新できずにタイムは1分57秒971と後退。そして計測5周目からはタイヤのグリップがピークを過ぎ、これを温存するためにも(決勝レースのスタートタイヤは、Q1とQ2で使ったタイヤから抽選で選ばれるのです)アタックを中断してマシンをガレージへと戻しました。
対してライバルたちは、タイヤの暖まりと共にめまぐるしくその順位を入れ替えて行きました。
激しいトップ争いで断トツのスピードを示したのは、1分56秒159をマークした「♯25 HOPPY 86 MC」(坪井 翔)。
このあと「♯2 シンティアム・アップル・ロータス」(加藤寛規)が逆バンク立ち上がりでコースオフし、これが原因で赤旗中断となってしまったことから、結局このタイムを破るマシンは現れずQ1は終了。「♯34 Modulo KENWOOD NSX GT3」は7位のポジションを獲得して、見事に予選Q1を突破しました。
予選Q2ではエース道上選手がドライブ
予選Q2では道上選手がNSX GT3をドライブ。教え子の奮闘をエースで締め括る活躍が期待されました。
クリアラップを得るべく道上選手は真っ先にコースイン。着実にタイヤを暖めながらアタックラップに備えました。
そして計測3周目に記録したタイムは、1分57秒494。わずかにQ1のタイムを下回りましたが、次の周回に期待が注がれました。そして渾身のアタックでは、セクター1をわずかに0.043秒ロスしたものの、セクター2を0.3秒も更新。しかしセクター3では0.2秒ロストし、タイムは1分58秒376。この結果からModulo Drago corseは、日曜日の決勝レースを10番グリッドから闘うこととなりました。
またポールポジションは、1分55秒531というスーパーラップを刻んだ「♯96 K-tune RC F GT3」(中山雄一)でした。
スーパーGTでは、Q1よりもQ2でのタイムが上回ることが常です。それはノックアウト方式で台数が絞られたことによりコース上のマシンが少なくなったことと(これによって他車と遭遇する可能性が減ります)、GT500クラスを含めQ1で走ったマシンたちが路面に塗り込んだラバー(タイヤのゴムのことです)によって、レコードライン(もっともタイムが出るコース上のラインのことです)が、より高いグリップを発揮できる路面状態になるからです。
しかし道上選手は、Q1のタイムを上回ることができませんでした。なぜなのか? ルーキー大津選手が師匠超えを果たしたから? そこには、ひとつのドラマが隠されていたのです。
【了】
Writer: 山田弘樹(モータージャーナリスト)
自動車雑誌「Tipo」の副編集長を経てフリーランスに。レース活動の経験を活かし、モータージャーナリストとして執筆中。並行してスーパーGTなどのレースレポートや、ドライビングスクールでの講師も行う。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。A.J.A.J.(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。