ベントレー「フライングスパー」でファスティング体験の旅へ【PR】
気持ちとシンクロする「フライングスパー」のスポーツドライビング
ファスティング初日の夜をやり過ごせば、2日目は意外と順調に空腹を克服することができる。ファスティングを定期的におこなっている人ならば、体が軽くなっていることを実感できるゾーンに入り、胃に固形物がない状態に快感を覚えるほどだ。
しかも、2000坪もある敷地にわずか11室しかないクアビオで過ごすひとときは、ゆっくりと移ろうようでいてあっという間に過ぎ去ってしまう。
●くつろぎの空間で、心身ともにリセット
施設内にはフィットネスルームが完備されており、ここで、日頃おこなっているトレーニングをプロトレーナーにチェックしてもらう。より効率的で効果的なフォームへの改善と、体の「クセ」を指摘してもらうパーソナルトレーニングで汗を流すというわけだ。
もしくは、ノルディックウォーキングスタイルのネイチャーウォークで草津周辺の森をガイドに案内してもらうのもおすすめだ。フィトンチッドを全身に浴びる森林浴で、リラクゼイションするのもいいだろう。
そして、浅間山を眺めながら100%源泉かけ流しの温泉でリフレッシュ。ストイックな2日目は、気がつくと遠くの浅間山に星が降り注ぐ時間となっている。
クアビオの客室は、全室が南傾斜に面しており、浅間山を始めとする山々を望むことができる。この山々に朝陽が射して黄金色に染まりはじめるころに、3日目の朝は目が覚めた。
ファスティングが完了する日の少し遅めの朝食は、玄米粥や椎茸と昆布だけでじっくりと出汁を取った味噌汁がメインの胃腸に優しい回復食となる。36時間以上、食事らしい食事を口にしていないと味覚までもリセットされていて、玄米の甘さと椎茸と昆布の旨味がいつも以上に強烈に感じられる。
意識して咀嚼の回数を増やしているせいか、ほんの少しの量でも満腹感に包まれる。さらに余計なものを体が拒否しているような、不思議な感覚も伴う。初日の夜に飲んだときより、三年番茶の香りも強く芳香を放っているようだ。
ファスティングの後は、味覚だけでなくあらゆる感覚が研ぎ澄まされるのだろう、窓外の樹々の色までも鮮やかに目に映る。
●長く向き合うことで分かる、本当の素晴らしさ
チェックアウトを済ませ、2日ぶりにフライングスパーのシートに身を委ねる。フェイシアに用いられるウッドとソフトな手触りに鞣された雄牛のレザーの混じり合った香りだろうか、ベントレー独特のスパイシーな芳香がいつも以上に心地よく鼻腔をくすぐる。いつもは気にもしないけれど、この香りはなんと心を落ち着かせることか。
センターコンソールのエンジンスタートボタンを押して、W12を目覚めさせる。シートからその鼓動を感じ取ることはできないが、耳に心地よいビートが届く。さっそく2日前に走ってきた道を辿る。
往路では「鬼押ハイウェー」まで「浅間・白根・志賀さわやか街道」を走ったが、帰路では「鬼押ハイウェー」から先は「白糸ハイランドウェイ」に舵を切った。道幅も狭くタイトなコーナーが続くルートだ。
全長5325mm、全幅1990mmというボディサイズが、実際に数値上変わることはない。しかし、ファスティング後にドライビングするフライングスパーは、感覚が研ぎ澄まされているせいか身体と感覚にフィットし、ワンサイズ小さく感じられてしまう。都心の市街路では、ボンネット先端の「フライングB」マスコットが車幅感覚を掴む心強い味方になってくれるが、それすら必要ないと思えるほどだ。
ベントレー初となるエレクトロニックAWS(オールホイールステアリング)が、どれほどサポートしてくれているのかは分からない。スーパースポーツカーに採用されるAWSのような分かりやすい介入をしてこないところが、ベントレーの奥ゆかしさだからだ。むしろ、だからこそドライバーの感覚とフライングスパーの挙動がシンクロするといっていい。まさしくドライバーズカーと呼ぶにふさわしい所作だ。
巨躯によるストレスは一切ないままに、三笠通りから軽井沢へと抜ける。スピードを上げて走ったわけではないけれど、碓氷軽井沢ICまで往路よりも短い時間で着いたように感じる。フライングスパーのキャビンは、流れる時間の感覚をも変えてしまうほどの心地よさなのだ。
帰路では上信越道も「レーンアシスト」を解除したままに走る。低速走行時には後輪が前輪と逆方向に操舵されることで回転半径を小さくするAWSだが、高速走行時には前輪と同じ方向に後輪が操舵されるため、車線変更の際の安定性が確保される。コーナーの途中でさえイメージしているラインと寸分違わずトレースしてくれるのは、このAWSのおかげだ。
否、白状してしまうと、ステアリングを切るとフライングスパーが勝手に理想のラインを描いてくれるので、脳内で自分が思い描くラインだと都合よくすり替えているだけかもしれない。それほどまでにフライングスパーのハンドリングは麗しい。そこに無駄な夾雑物は一切ない。日本では上信越道のようなアップダウンの多い高速コーナーの続くステージこそ、フライングスパーの真骨頂を味わえる瞬間だろう。
クルマの流れが多くなる関越自動車道に入ると、「レーンアシスト」と「アダプティブ・クルーズコントロール」をオンにして、ファスティングで過ごした3日間とフライングスパーのスポーツドライブの余韻に浸りながら都心を目指す。
片道200kmほどのドライブを終えてフライングスパーのキャビンから車外へと出ると、上着からベルガモットの香りが仄かに香ったような気がした。どうやらクアビオの部屋から浅間山が朝陽に照らされる姿を眺めていた時の爽快な気分を、そのまま都心まで持ち帰ってきたようである。
そしてこれこそが、ロングツーリングを経験した者だけにしか知り得ない、フライングスパーの最大の美徳なのだ。
●Bentley Flying Spur
ベントレー・フライングスパー
・車両価格(消費税込):2720万3000円
・全長:5325mm
・全幅:1990mm
・全高:1490mm
・ホイールベース:3195mm
・車両重量:2540kg
・エンジン形式:W型12気筒DOHCツインターボチャージドTSI
・排気量:5950cc
・エンジン配置:フロント縦置き
・駆動方式:四輪駆動
・変速機:8速AT
・最高出力:635ps/6000rpm
・最大トルク:900Nm/1350-4500rpm
・0-100km/h:3.8秒
・最高速度:333km/h
・公称燃費(WLTC):8.1km/L
・ラゲッジ容量:420L
・燃料タンク容量:90L
・タイヤ:(前)275/35ZR22、(後)315/30ZR22