トヨタは2025年5月23日、人気SUV「カローラクロス」のマイナーチェンジモデルを発表しました。

　2025年5月の改良では、デザインや機能の見直しに加え、走りを追求した「GRスポーツ」が新設定され、商品力がさらにアップしています。

　新設定されたGRスポーツグレードの特徴は何なのでしょうか。

　カローラクロスは、シリーズ初のSUVとして2021年9月に国内発売を開始。

　世界累計5000万台以上の販売実績を持つカローラの名を冠するモデルだけに、実用性と取り回しの良さを兼ね備えた一台として注目を集めてきました。

　プラットフォームには、トヨタの新しいクルマの設計思想「TNGA」の「GA-C」を採用し、低重心で剛性の高い走りを実現し、発売以来、国内でも高い人気を維持しています。

　2023年にはガソリンエンジン刷新やハイブリッドシステム改良を実施してきましたが、2025年5月23日の改良ではさらなる進化を遂げています。

　グレードは「G」「S」「Z」の3タイプに整理され、従来設定されていたガソリン車用のベーシックグレード「G“X”」は廃止、全モデルがハイブリッドのみとなっています。

　エクステリアではフロントバンパーやグリル、ヘッドランプのデザインが変更され、よりシャープで力強い表情に。

　特にZグレードには新たにLEDライン発光式のクリアランスランプが追加され、先進的な印象を高めています。

　ボディサイズは全長4455mm×全幅1825mm×全高1620mmで都市部での扱いやすさを維持しています。

　Zグレードには新デザインの18インチホイールが装備され、足元にも存在感を演出しています。

　インテリアでは、ダッシュボード中央の収納やシフト周りのレイアウトが見直され、使いやすさと上質感を両立。シンプルながら質感の高い内装は、幅広いユーザー層に訴求します。

　標準モデルのパワートレインは最高出力140ps（2WD）の1.8リッターハイブリッドシステムを搭載し、駆動方式は2WDと4WD（E-Four）から選べます。

　安全性能も強化され、トヨタの最新予防安全機能「Toyota Safety Sense」を全車標準搭載。交差点での対向車や横断車両を検知する機能をはじめ、歩行者保護性能も強化されました。

　標準グレードの車両本体価格（消費税込）は276万円から368万9000円に設定されています。

　2025年5月23日の改良とともに発表されたGRスポーツは、走行性能とデザインの両面で大幅な専用チューニングが施されています。

　足回りでは、専用コイルスプリングやショックアブソーバーを採用し、フロントロアアームブッシュの剛性を高めることで、車高を10mmダウン。

　さらにリアバンパーリインフォースを追加することでボディ剛性を高め、操縦安定性と乗り心地を両立させています。

　パワートレインは、標準グレードの1.8リッターではなく、2リッター直列4気筒エンジン（M20A-FXS型）をベースにしたGR専用ハイブリッドシステムを搭載。

　システム最高出力は199psに達し、スポーツ走行を求めるユーザーの期待に応える性能を備えています。

　加えて「SPORTモード」を選択すると加速レスポンスが鋭くなり、6速シーケンシャルシフトマチックによりマニュアル感覚の操作も可能となっています。

　エクステリアでは、専用の「Functional MATRIXグリル」をはじめ、ブラック加飾のトヨタエンブレムやGR専用バッジを装備し、標準モデルとの差別化を明確にしています。

　ボディサイズは全長4460mm×全幅1825mm×全高1600mmと、標準モデルよりわずかに変化。さらにブラックルーフとのツートーン仕様も選べ、スタイリングの幅が広がっています。

　インテリアにもGR専用装備が多く採用されています。

　GRロゴ付きスポーツシートはスエード調素材を用いてホールド性を高め、コーナリング時でも身体がずれにくい設計になっています。

　ステアリングやシフトノブ、インパネにはスモークシルバーメタリック加飾が施され、アルミペダルや専用スマートキーも用意されています。視覚的にも操作感でも「GRらしさ」を徹底した仕上がりとなっています。

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　新型カローラクロス GRスポーツの車両本体価格（消費税込）は389万5000円。標準モデル最上位「Z・4WD」の368万9000円と比較して約21万円の差にとどまり、性能や専用装備を考えるとコストパフォーマンスの高さが際立ちます。

　普段使いのSUVでありながら、走る楽しさを求める層にとって非常に魅力的な選択肢といえるでしょう。