なぜトヨタ「ランクル」人気続く? 流行りの「SUV」と異なる需要も! 納期4年待ちでも「一人勝ち」する理由
なぜライバル不在?「ランクルひとり勝ち」の背景とは
一方、ランドクルーザーのライバルといえる存在は決して多くありません。
国産メーカーの大型クロカンというカテゴリーを見ると、かつての「RVブーム」でランドクルーザーと並んで高い人気を誇った日産「サファリ」や三菱「パジェロ」は、サファリが2007年に、パジェロが2019年に国内仕様の販売を終了しています。
サファリは「パトロール」として中東などで現在でも販売が継続されていますが、パジェロは2021年をもって海外仕様の生産も終了しています。
また海外メーカーでは、ランドローバー「ディフェンダー」やメルセデス・ベンツ「Gクラス」もかつては直接的なライバルといえる存在でしたが、それぞれ独自の方向性を打ち出しています。
ランドクルーザーをはじめとするクロカンは、「ラダーフレーム」と呼ばれる強固なフレーム構造を持ち、一般的な乗用車と共有できる部品も少ないことから、専用設計をおこない、開発も専用ラインを必要とすることがほとんどです。
一方で乗用車に採用されるモノコックボディは、ラダーフレームよりも素材が少ないゆえの低コスト化、ボディの共通化、さらにボディ剛性を高めることで走行性能(燃費なども)も高めることが出来ることなどもメリットが挙げられます。
こうした背景もあり、ディフェンダーは2019年のフルモデルチェンジでラダーフレームからモノコックボディに変更。Gクラスは、プレミアム化して富裕層に向けたビジネスを成立させました。
しかし、前述したように、クロカンは新興国などインフラ整備の整っていない国や地域でその真価を発揮するため、そうした国や地域をターゲットにするならば、極端に高価なクルマとすることはできません。
それらを解決するためには、できるだけ多くの台数を販売することでスケールメリットを得る必要がありますが、世界のあらゆる国や地域へと販売網を整備するのは、多くの自動車メーカーにとって簡単なことではありません。
さらに、環境規制が厳格化されている昨今では、燃費性能で不利なクロカンを新規開発することはもちろん、生産を続けること自体が困難というのが、自動車メーカーの本音といえそうです。
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優れたパフォーマンスとそれに裏打ちされた圧倒的なブランド力を武器に、そうしたニーズを一身に背負っているランドクルーザー。
現在は、ライバル不在の独走体制を築いており、今後もそうした圧倒的な人気は続いていくのでしょう。
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