デザインが再評価されてジワジワ価格が高騰している!? 人気の絶版SUV3選

近年、世界的に人気となっている「ネオクラシック」と呼ばれるクルマですが、一部の車種は常軌を逸したほど価格が高騰しています。また、SUVにおいても絶版車が人気となっているケースもあります。そこで、ジワジワと価格高騰中の絶版SUVを、3車種ピックアップして紹介します。

デザインが再評価された!? 価格高騰中の絶版SUVを振り返る

 1980年代から1990年代に生産されたクルマを「ネオクラシック」と呼びますが、なかでも日産「スカイラインGT-R」やトヨタ「スープラ」などの高性能車は世界的に人気で、価格も異常なまでに高騰しています。

販売終了後に人気を集め中古車の価格も上がっているSUVたち
販売終了後に人気を集め中古車の価格も上がっているSUVたち

 今では高性能車に限らず、同年代のさまざまなクルマでも価格高騰が波及している状況で、現在のクルマにはない魅力が再評価されているといえるでしょう。

 一方、現行モデルではSUVの人気が上昇中ですが、このSUVでも絶版車が注目され、なかにはジワジワと中古車価格が上がってきているモデルも存在します。

 そこで、需要が高くなっている絶版SUVを、3車種ピックアップして紹介します。

●日産「ラシーン」

今でも通用しそうなデザインのクロスオーバーSUVだった「ラシーン」

 現在、人気のSUVのなかでも、各メーカーの主力はオンロード性能を重視した「クロスオーバーSUV」ですが、かつてのRVブームの頃にも展開され、代表的な1台が1994年に登場した日産「ラシーン」です。

 ラシーンは7代目「サニー」のプラットフォームをベースに開発され、ボディは直線基調のボクシーなショートワゴンタイプです。

 外観デザインはグリルガード、ルーフレール、リアに背面スペアタイヤキャリアを装着したモデルを設定するなど、全高を抑えたクロスカントリー4WD車をイメージさせました。

 搭載されたエンジンは当初1.5リッター直列4気筒のみでしたが、1997年のマイナーチェンジで1.8リッターの「SR18DE型」に変更され、1998年にはスポーティグレードの「ラシーンフォルザ」が加わり、最高出力145馬力の2リッターエンジン「SR20DE型」が搭載されました。

 トランスミッションは5速MTと4速ATの設定で、駆動方式は全車フルタイム4WDを採用し、雪道などの悪路走行に配慮していました。

 ラシーンは時代のニーズにマッチしたモデルとして一定の人気が得られましたが、RVブームの終焉とともにフルモデルチェンジすることなく、2000年に生産を終了。

 ところが、近年のSUV人気の高まりからラシーンのデザインが再評価され、さらにアニメやドラマにもなったマンガの「ゆるキャン△」に登場したことも追い風となって中古車の人気が上昇し、専門店によるカスタマイズも盛んにおこなわれています。

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●ホンダ「エレメント」

アメリカではヒットしたものの日本では不人気車だった「エレメント」

 ホンダは1994年に、自社開発した初のSUVとして初代「CR-V」を発売し、大ヒットを記録しました。そして、2001年に登場した2代目は、日本以上に北米市場でヒット。

 そこでアメリカホンダは次の一手として2002年に、より若い世代に訴求するミドルサイズSUV「エレメント」を発売しました。

 エレメントは「ジェネレーションY」と呼ばれるアメリカの若年齢層をターゲットに開発され、ボクシーなフォルムのステーションワゴンタイプの外観と、センターピラーレスで前後ドアが観音開きとなっているなど、それまでのホンダ車にはない個性的なデザインを採用。

 さらにバンパーやフェンダーなど無塗装の樹脂パーツを外装に多用することで、SUVらしい機能性を表現していました。

 ボディサイズは10フィート(約3m)のサーフボードが室内に格納できることを前提に設計され、内装も水拭き可能なフロア素材や、防水シート表皮、撥水ルーフライニング、跳ね上げ式リアシートでフルフラット化できる荷室など、機能性が重視されました。

 北米市場では目的どおり若者から人気となり、2005年には日本でも輸入車として発売されましたが、奇抜なデザインが受け入れられず販売が低迷し、発売からわずか2年8か月で販売を終了。

 ところが、この個性的なデザインが再評価され、近年、エレメントの中古車が人気となり、個体数が少ないのもあって価格が上昇しています。

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●トヨタ「FJクルーザー」

レトロなデザインは当時から高く評価されていた「FJクルーザー」

 トヨタは2006年に、「ランドクルーザープラド」をベースに開発した「FJクルーザー」を北米市場で発売してヒット作となり、2010年には日本でも販売が開始されました。

 外観は丸目2灯ヘッドライトやフロントグリルに「TOYOTA」のロゴ、垂直に近いフロントガラス、背面まで回り込んだサイドクォーターガラス、ホワイトにカラーリングされたルーフなど、往年の「FJ40型」ランドクルーザーをモチーフにしたレトロなデザインを採用。

 さらに前後方向に開く観音開きのサイドドアによって形成された、ユニークなサイドビューも特徴のひとつでした。

 国内仕様では最高出力276馬力を発揮する4リッターV型6気筒ガソリンエンジンを搭載し、トランスミッションは5速ATが組み合わされました。

 駆動方式は全車パートタイム式4WDで、「オフロードパッケージ」にはリアデフロックを標準装備し、さらにオプションで「アクティブトラクションコントロール」を設定するなど、ファニーな見た目ながら高い悪路走破性を誇りました。

 国内でもヒットを記録したFJクルーザーでしたが、2017年10月に限定モデル「ファイナルエディション」が発売され、翌2018年1月に生産を終了しました。

 近年は歴代のランドクルーザーシリーズすべてが人気ですがFJクルーザーも同様で、高年式・低走行の個体は新車価格を上回るプレミア価格となっています。

 なお、中東の一部や南アフリカ、フィリピンなどで、現在もFJクルーザーは新車販売されています。

※ ※ ※

 SUV人気は収まる気配もなく、ますます上昇中です。直近では電動モデルも盛んに発表・発売され、なかでももうすぐ販売されるトヨタ「bZ4X」の試乗レポートが話題となっています。

 スペース効率が高いSUVは大容量のバッテリーを搭載するEVとの親和性も高く、今後、さらに増えると予想されます。

 しかし、充電時間や冬季における航続可能距離などEVにはまだまだ改善すべき点も多く、さらなる技術革新が待たれる状況です。

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