超ド派手な「デコトラキャリイ」初公開! キラキラ荷台は和室仕様!? 学生渾身のカスタムカーとは
群馬自動車大学校/東京自動車大学校が、2022年1月14日から開催された「東京オートサロン2022」に、ド派手なカスタムカーをエントリーしました。一体どのような車両になっているのでしょうか。
学生たちの想いをのせて、「デコキャリイ」が晴れ舞台へ!
2022年1月14日から開催された「東京オートサロン2022」(以下、オートサロン)に、群馬自動車大学校/東京自動車大学校がド派手なカスタムカーを展示しました。
クルマに関する知識と技術を教えている「群馬自動車大学校/東京自動車大学校」では、人間性豊かな整備士や次世代の自動車業界を担う人材を育成しています。
同校では例年、このオートサロンに向けて、学生がさまざまな車両を製作しており、過去にはEV仕様のマツダ「RX-7」や、やんちゃにカスタムされた日産「サニートラック」などを展示していました。
そんななか今回展示されたのは、スズキの軽トラック「キャリイ」を“デコトラ”風にカスタムした「デコトラキャリイ」(デコキャリイ)です。
デコトラとは、エクステリアに電飾パーツを取り付けたり、荷台にイラストを模したりしたド派手なデコレーショントラックのことを指します。
一方でキャリイといえば、ごく一般的な軽トラックであり、通常デコレーションされるような車両ではありません。
しかし、このデコキャリイは、ルーフにはきらびやかな電飾が施され、イルミネーションのように輝いています。
荷台にはコイやタカのド派手なイラストが描かれ、まさにミニデコトラといえるものに仕上げられています。
一方、単なる「映え」を目的として製作されたわけではないようです。
同校で副校長を務める池田氏は今回の展示車両について、「自然災害の際に困っている地域へ電気を供給したり、避難所として車内を提供したりできることをコンセプトにしています」と話します。
例えば、荷台のなかは畳が敷かれ、壁の一部には装飾された障子が備わっているうえ、荷台はおよそ1m50cmほど後方へスライドして拡大することができるため、災害時に多数人が一時的な避難場所として活用することが想定されています。
そんなデコキャリイを仕上げた学生たちですが、大変だった点は「すべてを1から作り上げたこと」だといいます。
デコキャリイでは、フロントやリアのパーツだけでなく、電飾の配線や荷台の内装の制作などをすべて学生が設計・制作しています。
そもそもデコトラを製作することになった背景には、近年流行している軽トラックのカスタムを見て、学生たちから「軽トラをベース車両に採用しよう」という声が挙がったそうです。
また、デコトラ専門誌を愛読している学生がおりその掲載内容を読んだほかの生徒から「デコトラかっこ良い!デコトラにしよう!」と提案があったといいます。
学生のなかには今回の制作に携わるまで、デコトラ自体を認知していなかった人もいたようです。
そうした経緯から、軽トラックをデコトラにカスタムすることが決まりましたが、ベース車両は値段のつかないようなボロボロの状態のキャリイだったそうです。
「ボディーの凹みや傷はもちろん、塗装などの状態も悪かった」と池田氏は当時を振り返ります。
しかし、今回出展されたデコキャリーを見てみると、外装はラメが際立つシルバーに塗装され、ボディにも凹みや傷は見られません。
また、荷台のなかに装飾されている障子も学生の手作りとなっており、学生たちの手によっておこなわれたカスタムは、一般的なクルマのカスタムの域を大きく超えています。
学生たちが力を合わせたことで、ボロボロのキャリイは、ふたたび命を吹き込まれたといえます。
ただ、残念なことに、デコキャリイの製作に携わった学生たちは、今回の晴れ舞台を目にすることはできませんでした。
2022年明け以降急増している新型コロナウイルスの影響を受けて、学生たちのオートサロンへの参加辞退という判断が下されたといいます。
その背景には、3月に控える国家試験に向けて、学生たちが万全の状況で望めるようにという学校側の配慮があったといいますが、最終的な判断がなされたのがオートサロン開幕の前日の夜だったということからも、非常に難しい苦渋の判断であったことがうかがえます。
ただ、そんなデコキャリイの前では多くの観覧客が足を止め、荷台のイラストや電飾を撮影していました。
その様子を学生たちが見ることは叶いませんでしたが、デコキャリイが多くの人の心をつかんだことは間違いないようです。
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オートサロンの魅力は、なんといっても個性的なカスタムカーの数々です。
しかし、どのクルマもその背景にはさまざまなドラマが存在し、そうしたストーリーもまたオートサロンの魅力といえるでしょう。
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