爆速ワゴン!? 新型「Zeekr001」は打倒テスラを目指す? 中国車に日本製モーターを採用する理由とは

ジーカー001には、日本メーカーの部品が多数採用されている!?

 クルマとしてのパフォーマンス面以外では、ヤマハ株式会社が専用で開発したサウンドシステム(25mmツイーター×4、80mmスコーカー×3、160mmウーファー×4、200mmサブウーファー×1)を搭載している点が特徴です。

 ヤマハによれば、位相イコライザを用いた音響チューニングや、「EVならでは」を追求した加速音演出を提供しており、装備面でも抜かりはありません。

 ちなみにブレーキシステムでは曙ブレーキ工業製の4ポットフロントキャリパーをオプションとして一部ホイールと組み合わせることが可能です。

新たな高級EVとなるジーカー「001」はシューティングブレークタイプとなる
新たな高級EVとなるジーカー「001」はシューティングブレークタイプとなる

 日本電産製のE-Axleを採用するのはこのクルマが初めてではありません。

 同社のE-Axleを最初に採用したのはNi150Exを搭載する「アイオン S」という車種です。

 アイオン(Aion)は広州汽車集団(GAC)の子会社である広汽埃安新能源汽車が展開する純電動ブランドで、2018年に誕生しました。

 現在はセダンのアイオン S、ミドルサイズクロスオーバーの「アイオン LX」、コンパクトクロスオーバーの「アイオン V」、MPVの「アイオン Y」の計4モデルが展開されていますが、すべてのモデルにおいて日本電産のE-Axleが採用されています。

 アイオン以外の広州汽車系モデルでは広州汽車とNIOの合弁会社「広汽蔚来」が展開する「ハイカン(Hycan)」の「007」や、広汽ホンダ「EA6」、広汽トヨタ「iA5」がE-Axleを搭載しています。

 ちなみに、ハイカン 007はアイオン Y、広汽ホンダ EA6と広汽ホンダ iA5はアイオン Sをベースとしています。

 また、ジーカー以外のジーリー車では、ジオメトリー(Geometry)という純電動ブランドの「ジオメトリー A」と「ジオメトリー Y」がNi150Exを搭載しています。

※ ※ ※

 2021年7月にはASF株式会社(本社:東京都)が設計・開発し、広西汽車集団傘下の柳州五菱汽車が製造、配送大手の佐川急便に向けて供給する日本車「ASF G050」にも、日本電産製のトラクションモーターが採用されることが発表されました。

 今後、搭載車種が続々と増えていく日本電産の電気自動車用トラクションモーター。

 その高性能と他の追随を辞さない開発スピードでシェア拡大に向け着々と歩みを進めていく様子からは目が離せません。

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Writer: 中国車研究家 加藤ヒロト

下関生まれ、横浜在住。2017年に初めて訪中した際に中国車の面白さに感動、情報を集めるうちに自ら発信するようになる。現在は慶應義塾大学環境情報学部にて学ぶかたわら、雑誌やウェブへの寄稿のみならず、同人誌「中国自動車ガイドブック」も年2回ほど頒布する。愛車は98年式トヨタ カレン、86年式トヨタ カリーナED、そして並行輸入の13年式MG6 GT。

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