「ヤエー」とは、バイクのツーリング中にライダー同士がする挨拶を指しますが、少々独特な挨拶といえます。ツーリング中のライダーは、見ず知らずのライダーに挨拶をします。この挨拶が「ヤエー」と呼ばれるものであり、ライダーの中には、すれ違う全てのライダーに向かってする方もいます。

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「ヤエー」に決まった形はなく、ピースサインや軽く手を振る、会釈をする、敬礼をする、親指を立てるなど、やり方は様々です。

　しかもただの挨拶ではなく、「ヤエー」にはツーリング中の安全祈願や地元の方からの歓迎の挨拶も含まれているとされます。よくバイクツーリングに行くライダーの中には、癖になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

　とても不思議な感じがしますが、「ヤエー」を初めてされたライダーは、感動を覚えるといいます。日常では、見ず知らずの方から気持ちよく挨拶をされるのは珍しいことでしょう。一度「ヤエー」を体験してみると、その感動が味わえるのではないでしょうか。

　いつからこのような挨拶が始まったのかは、正確には分かりません。1980年代からすでにあったという意見もありますが、20年前からあったと書いている方もいました。「ヤエー」は、かなり前から自然とライダー同士の間で定着していった、文化のようなものといえます。

「ヤエー」の由来は、英語の「Yeah(イエー)」のスペルを間違えて打ってしまった結果、「Yaeh（ヤエー）」になったともいわれています。

　専用のヤエーステッカーまで製作されており、無料配布されています。「ヤエーステッカーウェブサイト」では、ステッカー製作やデザインの扱いについてのガイドライン、イベント情報やステッカーの設置申請もできるようになっているのです。

　ヤエーステッカーは、全国に設置場所があり、HPまたはTwitterの公式アカウント「YAEH!!STICKER」から日本地図を参照できて、場所が分かるようになっています。ステッカーが設置されているのは、バイクショップや飲食店、道の駅など。知らなければ、素通りしてしまうくらいマイナーな場所もあります。

　長距離ツーリングの際に事前に調べて、訪ねてみるのも良いかもしれません。ステッカーには様々なバージョンがありコレクションしがいがあるため、全国あちこちをツーリングして、集めているライダーもいるほどです。

　普通は、運転中に「ヤエー」をすることになるでしょう。その際、片手を使って表現するため、片手運転になります。車と比べてバイクの片手運転は危険が大きいため、ハンドル操作中や体重移動中に無理して行ってはいけません。

　カーブ中のすれ違いや車線変更、クラッチ操作、ブレーキ操作の時は、運転に集中しましょう。ツーリング中の安全を祈る意味もある「ヤエー」をして、事故を起こしてしまうと本末転倒になってしまいます。その他にも、路面が未舗装地であったり、強風が吹いていたり、雨の時はバイクのバランスを崩さないように運転するのが大事です。

　また、「ヤエー」をするのに慣れていないライダーが、すれ違うライダーに向かって自分から挨拶をするのは、かなり勇気が要ります。もちろん相手がそれに対してヤエーを返してくれると、とても気持ちが良くなりますが、返してくれない場合もあります。そんな時、落ち込んだり、少し怒りを感じたりといったこともあるかもしれませんが、そこは割り切るようにしましょう。

　ライダー全員が「ヤエー」を返してくれるとは限りません。ライダーによっては嫌っている方挨拶を返さない方もいます。

　つまるところ、「ヤエー」をするか、しないか、返すか、返さないかは個人の自由です。義務でもなければ、ルールでもありません。こちらから挨拶をして無反応であっても、気にせずに気持ち良く、相手の道中の安全を祈りましょう。

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　いつの間にか、広まったライダー同士の挨拶である「ヤエー」は、ライダーしか知らないひとつつの文化といえるかもしれません。「ヤエー」をするときは、バイクの運転に支障が出ない範囲で、相手に伝えることを心掛けましょう。

提供：バイクのニュース

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