女性は合流が苦手? 運転技術、なぜ男女で差がつくのか
そもそも運転自体に興味が薄いのが問題?
「空間認識」能力とは、例えば「地図を見て目的地を把握する」というのがそれです。これが苦手な人は「○丁目の交差点を右折」「その次を左」といった具合に地図を“読む”ため、途中でひとつでも曲がる場所を間違えると目的地がわからなくなってしまう……という話を、耳にしたことはないでしょうか。地図の全体像を言語的に順を追って把握していくため、瞬時に全体をとらえられない、ということのようです。
この「空間認識」能力は、車両感覚や視覚情報による速度の把握など、クルマの運転において様々な場面で要求されるものです。フジドライビングスクールの田中さんはこれを「車の運転が得意、不得意の差が出る要因のひとつ」としたうえで、「女性が合流を苦手というのは、車両感覚や速度、ほかの車両との位置関係などを瞬時に把握せねばならず、『空間認識』能力が必要とされる究極の場面だからではないでしょうか」との見解を示しました。
一方、元プロレーシングドライバーで「injured ZERO(死亡・負傷事故ゼロ)」を目標としたドライビングスクールを開いている太田哲也さんは、男女の運転技術の違いについて「『ある』と言えばある、『ない』と言えばない」と、そして「女性は運転に関心のある人が少ないのが違い」といいます。
「関心があるかないかが、運転が上達するポイント。漫然と運転せずイメージを考えて走って、上手く曲がれたとかダメだったとか考えると上達しますね」(太田哲也さん)
前述の田中さんも、空間認識が苦手な人に対しては「ミラー見て、次は右見て、と、ひとつひとつ順を追って指導します。人によっては煩わしく感じられるかもしれませんが、結果的にはこの方が早く上達します」と話します。
つまり空間認識が苦手でも車の運転は上達可能で、そして煩わしく感じつつも指導を受けて上達する人は、それだけ車の運転に対する関心や積極性があるということ。「運転技術における男女間の差」は、このあたりに要因があるのかもしれません。