トヨタ次期型「プリウス」出る? クラウンですら変化求める時代に歴史的名車も安泰ではないのか
「歴史的名車」でさえも消えゆく昨今の自動車業界事情
2020年の自動車業界ニュースを振り返ったとき、ほとんどが新型コロナウイルスに大なり小なり関連するものでした。
しかし、それ以外でもっとも印象的だったニュースのひとつに、トヨタ「クラウン」が生産終了するという報道がありました。
各社の報道によると「2022年をもって現行型のセダンタイプとなるクラウンは生産終了し、その後はグローバルで展開されるSUVタイプとしての展開を検討」とされています。
クラウンという名前が残るかどうかは定かではありませんが、少なくとも日本の高級セダンを代表してきたこれまでのクラウンのイメージとはかけ離れたものになると考えられます。
クラウンの生産終了について、現時点ではトヨタから公式なアナウンスはありません。しかし、筆者(瓜生洋明)としては、その可能性は非常に高いと考えています。
たしかに、クラウンは1955年に登場して以来、実に65年にわたって日本の自動車産業をけん引し、その功績をあえて語る必要もないほど、日本国民に愛されてきたと名車のなかの名車です。

一方、近年ではレクサスなどの影に隠れてしまい、その立ち位置が曖昧になってしまっていました。
さらに、クラウンは基本的に国内専用モデルとして開発されており、過去のモデルを振り返っても海外市場ではほとんど販売されていません。
近年の自動車業界のトレンドである「グローバルモデル」ではないということも、ビジネス面では負担になっていると考えられます。
このように考えると、報道にあるように世界中の市場で販売台数を稼げるSUVスタイルの新型車として生まれ変わるというのは、理にかなっているといえます。
思えば、トヨタは「マークX」や「エスティマ」、「RAV4」、「ハリアー」、そして数々のスポーツカーなど、一世を風靡したモデルであっても時代や状況の変化に合わせて大胆に整理や変化することで競争力を確保してきました。
また、「86」や「スープラ」は結果的に復活しましたが、いわゆる従来のフルモデルチェンジとは異なる形で登場しました。
馴染み深いモデルが消えてしまうのは残念ではありますが、こうした徹底的な姿勢こそがトヨタの強みであることは間違いありません。
Writer: PeacockBlue K.K. 瓜生洋明
自動車系インターネット・メディア、大手IT企業、外資系出版社を経て、2017年にPeacock Blue K.K./株式会社ピーコックブルーを創業。グローバルな視点にもとづくビジネスコラムから人文科学の知識を活かしたオリジナルコラムまで、その守備範囲は多岐にわたる。

















































