日産新型「エルグランド」登場で人気上昇!? 新旧高級ミニバン5選

北米生まれ! でも販売はイマイチだったプレミアムミニバンとは

●日産「クエスト」

北米専用に開発され日本にも輸入された大型ミニバンの初代「クエスト」
北米専用に開発され日本にも輸入された大型ミニバンの初代「クエスト」

 もともとミニバンはアメリカで誕生したカテゴリーで、大型のフルサイズバンに対して小さめなバンを指しました。

 アメリカでは1980年代にミニバンの普及が始まり、1992年には日産が北米専用のミニバン「クエスト」を発売。

 クエストは7人乗りの大型ミニバンとして開発され、米オハイオ州の工場で生産し、1995年にはオーテックジャパンが輸入するかたちで、左ハンドルのまま日本でも販売されました。

 ボディサイズは全長4835mm×全幅1870mm×全高1770mmと、当時のミニバンとしてはかなり大きく、現在のエルグランドと同等です。

 外観はボリュームの全体にある丸みを帯びたフォルムで、サイズ感とともにアメリカナイズされたデザインを採用。

 搭載されたエンジンは150馬力を発揮する3リッターV型6気筒のみで、当時としては先進的なFFミニバンだったことから、広い室内空間を確保。

 シートレイアウトは2列目が独立したキャプテンシートとし、3列目は3人掛けで、大人7人がゆったりと座れました。

 しかし、日本での販売は、左ハンドルのみだったことに加え、リアのスライドドアが右側だけで、価格も約350万円からと高額だったことからヒットせず、1999年に販売を終了。

 なお、北米ではその後もクエストは代を重ねて販売されましたが、エルグランドをベースにした4代目が2017年に販売を終え、ラインナップから消滅してしまいました。

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●ホンダ「ラグレイト」

US「オデッセイ」としてデビューし、日本でも販売された「ラグレイト」
US「オデッセイ」としてデビューし、日本でも販売された「ラグレイト」

 初代オデッセイは北米でもヒットしましたが、アメリカではサイズ、パワーともにキャパシティ不足との声もありました。そこで、ホンダは1998年に、北米専用モデルのオデッセイを発売。

 カナダにある工場で生産され、日本でも1999年に「ラグレイト」として輸入販売されました。

 外観は国内仕様のオデッセイに近いデザインですが、後部ドアは両側電動スライドドアとなっており、後席の乗降性を高めています。

 また、ボディサイズは全長5105mm×全幅1935mm×全高1740mmとかなり大型で、全グレードが7人乗りということもあり、ゆとりある室内空間を実現。

 搭載されたエンジンは205馬力を誇る3.5リッターV型6気筒VTECで、トランスミッションは4速ATのみの設定です。

 当時、エルグランドに対抗してホンダはラグレイトを発売しましたが、日本の住環境、道路環境ではさすがに大きすぎて販売は低迷。

 2004年に日本の道路事情にもマッチしたプレミアムミニバン「エリシオン」の発売によって、ラグレイトの販売は終了しました。

 ちなみに、現在も北米専用モデルのオデッセイが販売されていますが、ボディサイズは全長5212mm×全幅1994mm×全高1735mmと、さらに大きくなっています。

※ ※ ※

 これまで数多くのミニバンが誕生しては消えていきましたが、なかには他車との差別化を図るうえで、高性能なモデルも存在しました。

 たとえば、1998年に登場した日産「プレーリーリバティ ハイウェイスターGT4」には、「シルビア」などにも搭載された230馬力を誇る「SR20DET型」を搭載し、1995年に発売された三菱「シャリオ リゾートランナーGT」には、「ランサーエボリューション」と同じ2リッター直列4気筒DOHCインタークーラーターボの4G63型エンジンを搭載して、最高出力230馬力を発揮しました。

 現在、こうしたユニークなモデルは淘汰されてしまいましたが、ミニバンにも個性が求められていた時代ならではのモデルといえます。

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