見直される「国際モーターショー」の価値 コロナ禍も中国は北京モーターショー開催!

ブランド側も「モーターショー」に魅力を感じていない?

 それ以外にも、ブランド側がモーターショーそのものに価値を感じなくなってきたという背景もあります。

 中国では、20代から30代の比較的若い層がおもな自動車購入層とされていますが、これらの世代の人々は、目新しいものを好む傾向があります。

 また、雨後の筍のように登場しているEVスタートアップや、自動運転など最新技術をアピールしたいブランドは、CESアジアのようなエレクトロニクスショーへも出展するようになりました。

 新しい物好きな若い層と、最新の自動車技術の相性は良く、モーターショーよりも魅力に感じるブランドもあったようです。

 また、これは中国だけに限った話ではありませんが、モーターショーのコストパフォーマンスの悪さも課題といえます。

 とあるブランドの幹部は次のように話します。

「モーターショーに出展すると、ブース設営や車両の搬入、広報宣伝素材の制作、そして人件費などを合わせて、中堅ブランドでも数億円、グローバルブランドなら10億円以上もの予算が必要です。

 しかし、それだけの予算を投入しても来場者がブースに来てくれるとは限りません。また、プレスカンファレンスも15分程度で、メディアの方もすぐ次のプレスカンファレンスへ行ってしまいます。

 さらに、会場の制約もあり、ブランドアイデンティに沿った展示や来場者へのおもてなしができない可能性もあります。

 もし数億円の予算を投入するなら、自分たちで会場を用意し、メディアや顧客を招待したほうが、じっくりとブランドやモデルの魅力を伝えることができると思います」

北京モーターショーにてトヨタは4つのテーマに分けてブースを展開。ワールドプレミアは実施されなかった
北京モーターショーにてトヨタは4つのテーマに分けてブースを展開。ワールドプレミアは実施されなかった

 クルマの性能が進化したことで、従来のガソリン車などでは機能的な差は少なくなってきているといわれています。

 その分、そのブランドが持つ世界観やイメージが新車販売において重要な意味を持つなかで、せわしないモーターショーのなかで発信するよりも、自社でイベントを企画したほうが、より深く適切にブランドの魅力を伝えられるということのようです。

※ ※ ※

 2020年の北京モーターショーが、新型コロナウイルスの影響を大きく受けていることは疑う余地のないことです。

 しかし、すべての原因をコロナに帰着させてしまうのは危険です。新時代のモーターショーを業界全体でつくりあげていかなければならない時が来ているのではないでしょうか。

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