「タイカン」の電脳チューン始まる! テックアートが示すポルシェ・チューニングの未来

1987年に設立されて以来、速く、そして美しいポルシェ・ベースのチューニング・カーを数多く生み出してきた、ドイツのテックアート社。ポルシェ・チューナーの戦いは熾烈で、新興勢力の参入を簡単には許さない世界がそこにはあるが、30年以上にわたる歴史を積み重ねてきたテックアートから、タイカンのチューニングがスタートされた。

ポルシェ・チューナーの雄、テックアートがタイカンに着手

 テックアートが、ついにポルシェのBEV、タイカンのチューニングをスタートすることになった。

 カイエンやパナメーラなどのHV、PHEVではすでにチューニングの経験があるテックアートも、BEVに関してはその準備段階にはかなりの時間が必要になっているようだ。

テックアートから、ポルシェBEVのチューニング時代がスタートする
テックアートから、ポルシェBEVのチューニング時代がスタートする

 まず、ベースとなるタイカンについて簡単な解説を加えておこう。2019年の9月にデビューしたタイカンは、ポルシェ初の量産BEVである。

 設定されているグレードは、下から「4S」、「ターボ」、「ターボS」の3タイプ。ターボとは単にグレードの名前として残されたもので、内燃機関時代のターボチャージャーが搭載されているわけではない。

 ほかのEVによく見られる400Vシステムではなく、800Vシステムを使用するタイカン。

 エレクトリック・モーターは前後アクスルにそれぞれ搭載され、グレードにとってその最高出力は異なっている。

 ターボSは560ps、ターボは500ps、4Sは390psという数字だが、最高の加速性能を生み出すローンチコントロールを選択すると、各々761ps、680ps、530psにまで高まる。

 また4Sでは、最高巡航距離は333~407kmにも達する。

 そのルーフの低さが印象的なエクステリアデザインや、機能性と高級感に優れたインテリアも、テックアートにとっては独自のアレンジに頭を悩ませる部分だろう。

●まずはタイカン用ホイールが発表

 実際にフル・コンプリートカーが披露されるのは、開催が可能であれば2020年のエッセン・モーターショー、あるいは2021年のジュネーブ・ショーというタイミングになるだろうが、デザイナーもエンジニアも、それがショーの華となるべく開発に総力を注いでいるのは間違いない。

 その先陣を切って、発表されたタイカン用のニュー・プロダクトが、新デザインのタイカン用鍛造ホイール「フォーミュラVI」だ。

 サイズはフロント用が10×22インチ、リア用が11.5×22インチで、これはタイカン用のエアロキット、インテリアデザインと同時にプロジェクトが進められたものだとテックアートは説明する。

 もちろんこのホイールを始め、同社の製品は世界中の市場ですべての安全試験をパスするものであるから、この日本でもその装着には一切の問題はない。

 BEVのチューニングという新時代が到来したことで、はたしてその世界はどのように変わっていくのだろうか。技術がなければ残れない。ポルシェ・チューニングの世界で、テックアートはまさにそれを強くアピールしてくれているかのようだ。

【画像】新たなチューニングの時代を予感させるテックアートのタイカン(8枚)

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