オトコのおもちゃ箱! ミラノのパズルガレージはスケールもアイディアも型破りだった!!

パズルガレージだけじゃない! 1階のガレージも夢の世界が広がっていた

 次に2階に降りると、今度は上から見えた39台のクルマを実際に見て、触ることができる。キイキイと鳴る木のパネルの上を歩きながらのクルマ鑑賞だ。

 珍しい戦前のクルマから1970年代までのクルマが並ぶ。オーナーのCさんは好きか嫌いか、直感でクルマを選ぶ。そして自分のクルマとの歴史も重要な条件という。やはり殆どがイタリア車だ。

ロフトのような空間にはバイクが並べられ、ここからクルマの後ろ姿を眺めるの後ろ姿は壮観
ロフトのような空間にはバイクが並べられ、ここからクルマの後ろ姿を眺めるの後ろ姿は壮観

 一番古いクルマは1920年式の「チェイラーノ」。幼い頃、父親が乗っていたチェイラーノと同じ年代のものを探したという。チェイラーノはイタリアで最も古く1899年に誕生したメーカーで、ヴィンチェンツォ・ランチアが働いていたり、その後、特許をフィアットに譲るなど、イタリアのクルマはチェイラーノから巣立ったといっても過言ではないと思う。

 バリューがあるのは1931年製のアルファロメオ「6C 1750 GS Spider Zagato」。まさに当時のスーパーカー。戦前車が好きなアルフィスタにとっては夢のクルマだ。

 思い出のクルマはやはり免許取得後初めてのクルマ、1959年製のフィアット「600」とのこと。このクルマで弟が新婚旅行にでかけたそうだ。

 そして1階には「オトコのおもちゃ」が集まっている。

 1階は、救急車、ジープ、イゾッタ、ムルティプラ、など、ちょっと変わった小さいクルマが並ぶ。この階で凄いのが、なんだか分からない機械類だ。どこから見つけてくるのか、ここには不思議な道具遺産が集められている。どういうわけか、そういう不思議なものをオトコ達は好きらしい、この機械の前に立つとなんの談義か分からないが笑顔で何時間も話続ける。

 そんなCさんはどんな幼少時代を送ったのだろう。Cさんは男4人、女2人兄妹の大家族だったそうだ。クルマを持っている家はほんの一握りの時代であった幼いころ、父親はチェイラーノを持っていた。そんな環境で育った子供達は父を含め皆クルマ、機械が好きなエンジニア系一家となる。

 免許取得後、初めて手にしたクルマはフィアット600。その後、兄弟と一緒に沢山のクルマを乗り継いでいき、コレクションが増えていった。

 80年代に入ると、仕事の合間にクルマの走行会に参加するようになり、クルマと過ごす時間が彼にとって一時の楽しみとなった。

 2010年から彼の趣味の世界への快進撃が始まる。家族経営の会社を手放し、方々に散らばっていた趣味のクルマを一カ所に集める場所を探しはじめる。既に兄弟で集めた50台近くのクルマがあったので、ある程度のスペースが必要だった。それと同時に、自宅から近いということも重要であった。

 場所探しに1年かかり、ようやく見つけたのがイタリアの老舗のお菓子の会社「Alemagna」のアイスクリーム工場だった。がらんとしたスペースにアーチ型の天井、これをどうやってガレージに蘇えさせられることが出来るか、それを考えるだけでも楽しい時間だった。

 Cさんは、現役当時から研究していた15パズルスライディングシステムをこのガレージで実現化する。工場は2年以上かけてリフォームをおこなった。兄弟で集めたクルマ、グッズを全て結集し、夢に描いていた世界観を表現したガレージは2014年に完成、今に至る。

 現在は、各地でおこなわれているクラシックカーイベントに参加し、クルマ仲間との交流を広めている。2020年10月に開催予定のCMAE主催の「TROFEO MILANO」にはアルファロメオの110周年のために10台のアルファロメオで参加予定とのことだ。

 Cさんは、リタイア後の人生をクルマを中心に仲間、旅、食事と人生最高の時を過ごしている。ちなみに、私設ガレージなので一般公開はしていない。興味のある人は、ホームページ(www.dominobox.it)からもガレージを見ることができる。

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