新車約1000万円だった! トヨタの「巨大オフローダー」がスゴイ! 全幅2.17mなのに“小回り”が利く!? 「4.1リッターディーゼル」搭載の「メガクルーザー」とは
全幅2m超の巨体なのに、小回りを助ける仕組みまで備えていたトヨタ「メガクルーザー」。自衛隊の高機動車をもとに生まれたこのクルマには、災害時の救助活動などを想定した工夫が詰まっていました。
幅2.17mの巨体が小さく曲がれる! その秘密は「後輪」にありました
全幅2170mm、車両重量2850kgという巨体に、後輪まで向きを変える仕組みを組み合わせたクルマが、かつてトヨタから販売されていました。
その名は「メガクルーザー」。大きな車体で人や機材を運びながら、荒れた路面を走り、小回りにも配慮した本格四輪駆動車です。災害時の救助・復旧活動、厳しい環境での調査・探査といった用途が想定されていました。
ベースとなったのは、陸上自衛隊の人員輸送用に開発された高機動車です。1993年の第30回東京モーターショーに出展された後、1996年1月9日に民生仕様のメガクルーザーが発売され、全国のトヨタ店を通じて販売されました。

車名は、「巨大」を意味する「メガ」と、「巡洋艦」を意味する「クルーザー」を組み合わせたもの。その名の通り、ボディサイズは全長5090mm×全幅2170mm×全高2075mm、ホイールベースは3395mmという堂々としたものでした。
この大きさで注目したいのが、最小回転半径5.6mという数値です。これは、クルマがどれだけ小さく曲がれるかを示す目安になります。
その立役者が、後輪も操舵する4WS(4輪操舵)です。メガクルーザーは、後輪を前輪と逆向きに最大12度まで切る「逆位相」の仕組みを採用。前輪だけで向きを変える場合に比べ、小さく回れるようにしていました。
もちろん、通行や駐車には全幅に応じたスペースが必要ですが、巨体の方向転換を助ける工夫が盛り込まれていたのです。
床下に42cmのゆとり! 巨大なボディに込められた役割とは
荒れた道を進むための仕組みは、車体の下側にもありました。
最低地上高は420mm、つまり42cmです。これを実現する装備のひとつが「ハブリダクション機構」でした。
車輪を駆動する部分にギヤを設け、駆動力を伝えるドライブシャフトを車輪の中心より高い位置に配置する仕組みです。大径タイヤと組み合わせ、車体の下に大きな空間を確保していました。
地面の凹凸などで車体の下側を接触させにくくすることは、道の荒れた場所を進むうえで重要です。4WSが方向転換を助ける装備なら、こちらは障害物を越えるための工夫といえます。
駆動方式はフルタイム4WDで、4速ATと2段の副変速機を組み合わせています。さらに、前後輪への駆動力の配分に関わるセンターデフに加え、前後のデフにもロック機構を備えていました。
エンジンは4.1リッター直列4気筒ディーゼルターボの「15B-FT」型で、発売時の最高出力は155PS、最大トルクは約382Nmです。低い回転域から大きなトルクを発揮し、重い車体を動かしていました。
また、走行中に後輪の空気圧を下げられるタイヤ空気圧調整装置もオプションで設定。ぬかるみや雪道での走行性を高めるための装備でした。
室内は前席2人、後席4人の6人乗りです。発売時のトヨタの発表によると、荷室の積載量は600kg。人とともに、大きく重い救助機材を運ぶことも考えられていました。
こうした用途を知ると、幅広いボディや独特の装備にも、それぞれ役割があったことがわかります。
発売時の東京地区のメーカー希望小売価格は、当時の消費税3%を含めて990万8600円でした。
1999年5月の一部改良では、エンジンが「15B-FTE」型となり、最高出力170PS、最大トルク約422Nmに向上。排出ガス中のNOx(窒素酸化物)やPM(粒子状物質)も低減されました。東京地区の価格は、当時の消費税5%を含めて1029万円です。
生産は岐阜車体工業が担当し、2001年8月に終了。総生産台数は132台といわれています。
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メガクルーザーには、JAFの災害対策指揮車として導入された車両もあります。トヨタ博物館が2026年夏の体験イベントの展示車両として紹介したのも、このJAF仕様でした。
幅2.17mのボディ、小回りを助ける4WS、42cmの最低地上高。メガクルーザーの迫力ある姿には、厳しい現場へ人と機材を届けるための工夫が詰まっていたのです。


































