1頭いたら次が来る!? “エゾジカ”との衝突事故ついて国交省が警告! 愛車の破損どころか「生死にかかわる」事態にも!? 秋に急増する理由と注意すべき点は

北海道では10月頃からエゾシカと自動車との交通事故が急増する傾向にあり、国土交通省北海道開発局や北海道庁などが注意を呼びかけています。では、ドライバーは一体どのようなことに気をつければ良いのでしょうか。

2025年中の事故は過去最多の6705件! 突然の飛び出しや群れでの横断に要注意

 クルマを運転中、動物が道路に飛び出してきて驚いた経験のある人は少なくないでしょう。特に、飛び出してくるのが大きな動物であればあるほど、衝突したときの衝撃や車両の破損が大きくなることが想定されます。

 そのような中、国土交通省北海道開発局 函館開発建設部は2026年10月10日、公式Xにおいて以下のように投稿し、北海道で生息数が増加傾向にあるエゾシカへの注意を呼びかけました。

 「【秋の道路に潜む危険】エゾシカとの衝突事故は北海道内で増加が続き、10~11月に多く発生します。道南でも夕方から夜間の運転は要注意。1頭見かけても後続のシカが続くことがあります。速度を控え、安全運転をお願いします」

 同ポストには、「見えたときにはもう、すぐそばにいる!!」「エゾシカとの衝突は生死にかかわる事故につながります」などと書かれたエゾシカの画像も添付されています。

 実は例年10月~11月はエゾシカの繁殖期であり、行動が活発になるため、それにともなってエゾシカと自動車の交通事故も増加する傾向にあります。

 北海道警の統計によると、2025年中、エゾシカが関係する交通事故(エゾシカを避けようとして発生した事故なども含む)は道内で6705件発生しており、9年連続で最多記録を更新しました。加えて、事故件数は調査を開始した2004年の約5.7倍にのぼっています。

エゾシカと自動車の衝突事故に要注意!10月からは急増する傾向がある(画像はイメージ、MakiEni/PIXTA)
エゾシカと自動車の衝突事故に要注意!10月からは急増する傾向がある(画像はイメージ、MakiEni/PIXTA)

 また、2025年中に発生した事故6705件のうち、方面別の発生状況をみると、「札幌方面」が2790件(全体の41.6%)と最も多く、次いで「釧路方面」の1751件(26.1%)、「旭川方面」の1272件(19%)などと続きます。

 さらに、月別の事故発生状況をみると、10月が1531件(全体の22.8%)と最も多く、9月の616件(9.2%)から急増したことが明らかになっています。11月も1206件(18%)と10月に次いで事故が増える傾向にあることから、特に注意が必要です。

 そして、時間別の事故発生状況では、「18~20時」の発生が1932件(全体の28.8%)と最も多くなっており、夜間の視界が悪くなる時間帯に事故が増える傾向にあります。

 そのほか、シカの進行方向別の事故発生状況を調べた統計では、ドライバーから見て左右からの横断が多く、全体の89.9%を占めました。

 つまり、エゾシカは道路の左右どちらかから急に飛び出すことが多く、こうした動きがクルマとの衝突や、回避しようとした際の事故を引き起こすおそれがあります。

 野生動物の行動は突発的であるため事故を完全に防ぐことは難しいものの、ドライバー側もエゾシカの生態や習性を知り、可能な限り対策を講じておくことが大切です。

 なお、北海道開発局や北海道庁などでは、事故防止のため次のような運転を心がけるよう呼びかけています。

――
1. 減速運転
 エゾシカは突然飛び出してくることがありますが、速度を落とすことでエゾシカを早期に発見し、衝突を回避しやすくなります。

 クルマの速度が速いほど、エゾシカとの衝突の危険が増加するという統計もあることから、警戒標識や注意喚起の看板などを見たら減速しましょう。

2. かもしれない運転
 エゾシカは群れで行動し、1頭が道路を渡ると後ろのシカも次々に飛び出してくることがあるため、1頭でも見かけたら「渡ってくるかもしれない」と考えるようにしましょう。

 特に夕方~夜間は事故が多く、「エゾシカがいるかもしれない」という意識を持って運転することが重要です。

3. ハイビームの活用
 夜間はハイビームを活用すると、エゾシカを早期に発見しやすくなります。ヘッドライトの光が反射して目が光ることもあるため、道路脇などに光るものが見えたら、エゾシカがいる可能性を考えて減速しましょう。

 また、エゾシカはクルマのライトや走行音に反応して急に立ち止まったり、アスファルト上では蹄が滑って転んだりするなど予想外の動きをする可能性があるため、エゾシカの動向には十分気をつけましょう。
――

 このほか、北海道開発局ではウェブサイト上で「エゾシカ衝突事故マップ」を公開し、特に事故の多い要注意区間などを掲載しています。このマップも活用しながら、安全な運転に役立てると良いでしょう。

※ ※ ※

 エゾシカは体重が約125kgあり、本州にいるニホンジカ(体重約75kg)などと比べて大きい傾向にあります。北海道開発局の資料によると、仮にクルマでエゾシカと衝突した場合、クルマの修理費の平均額は67.4万円とされています。

 エゾシカとの衝突事故を防ぎ、またドライバー自身もけがをしないよう、エゾシカが出没しやすい道路では、より一層注意を払って運転することが求められます。

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Writer: 元警察官はる

2022年4月からウェブライターとして活動を開始。元警察官の経歴を活かし、ニュースで話題となっている交通事件や交通違反、運転免許制度に関する解説など、法律・安全分野の記事を中心に執筆しています。難しい法律や制度をやさしく伝え、読者にとって分かりやすい記事の執筆を心がけています。

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