日産が本気で作った“最高峰”2ドアクーペ! 全長5m級の「超流麗ボディ」にパワフルな「4.5リッターV8」搭載! まるで高級ソファな「本革4座シート」も凄い! バブルが生んだ“幻の超豪華モデル”「TRI-X」とは!
日産がかつて公開した「TRI-X(トライエックス)」は、高性能な4.5リッターV8エンジンを積む4人乗りの超高級2ドアクーペコンセプトでした。どのような内外装と技術を備えていたのでしょうか。
まるで高級ソファな「本革4座シート」も凄い!
日産が1991年の「第29回東京モーターショー」で公開したコンセプトカーが「TRI-X(トライエックス)」です。
全長5m級のエレガントな2ドアボディに4.5リッターV型8気筒エンジンを積み、前後に計4座の本革シートを並べた4人乗りのラグジュアリークーペでした。
搭載する「VH-X型」は、ガソリンとメタノールの混合燃料にも対応するエンジンでした。
コンセプトは「環境や安全への対応と、クルマ本来の走る楽しさ、美しさ、快適さとの両立を追求して生まれたレスポンシブル・ラグジュアリークーペ」です。
ボディサイズは全長4995mm×全幅1900mm×全高1350mmで、ホイールベースは2800mmという堂々としたもの。
日産の高級セダン、初代「シーマ」と比べると、全長は105mm長く、全幅は130mm広い一方、全高は30mm低い数値です。

エクステリアは、フラッグシップモデルらしい長く流麗な2ドアボディに、日本独自の美意識を取り入れたデザインです。
低く丸みを帯びたフロントフェイスでは、細いスリットの入ったグリルとヘッドライトがひと続きになっていました。
サイドはキャラクターライン以外に凹凸がなく、外側へふくらませた面で上質感を表現。リアはトランクが後部に向かって突き出た形で、スモークがかった真一文字のテールランプを備えていました。
インテリアはベージュが基調で、後席まで続く大型センターコンソールの大部分には木目パネルがあしらわれました。
シートは、座面と背もたれが一体化した高級ソファのような本革製でした。これを前後に計4座配置し、大人4人が長距離移動しても疲れない室内を目指したといいます。
インパネにはアナログ時計を置き、ナビゲーションシステムやテレビ機能をまとめたマルチインフォテインメントシステムも装備。さらに、3次元に文字やゲージが浮かぶ「遠方結像電子メーター」や、日本舞踊の所作からインスピレーションを受けた「動き演出ワイパー」といった新技術も採用していました。
VH-X型は、最高級セダンの「プレジデント」や「インフィニティQ45」などにも採用されたV型8気筒DOHC「VH型」エンジンをベースに、メタノール混合燃料へ対応させたエンジンです。最高出力は320PSで、メタノール割合0~85%の燃料をカバーしました。
また足まわりには「プレビューアクティブサスペンション」を採用していました。
第29回東京モーターショーは、1991年10月から11月にかけて幕張メッセ(千葉市美浜区)で開かれました。来場者数が史上はじめて200万人を超えた回で、水素やメタノールといった代替エネルギー車も多数登場しています。
日産はこのショーで、5台のコンセプトカーと16台の参考出品車、17台の市販車を展示しました。TRI-Xはそのなかの1台です。
日産は1980年代半ばから「1990年までに世界No.1の動性能を実現」という目標を掲げ、いわゆる「901活動」を進めていました。TRI-Xは、この901活動とバブル景気が生んだ産物とされています。
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TRI-Xは、北米向け高級ブランド「インフィニティ」向けラグジュアリークーペとして市販化の計画も進められていたようですが、実際に世に出ることはありませんでした。
その最大の理由とされるのが、1990年代初頭のバブル経済の崩壊です。高価格な贅沢品の市場が一気に冷え込み、日産自身も深刻な経営不振に陥りました。
ただし、1993年10月に登場したスポーティクーペの6代目「シルビア」(S14型)のエクステリアなどに、TRI-Xのデザインテイストとの共通性をみることができます。
Writer: 佐藤 亨
自動車・交通分野を専門とするフリーライター。自動車系Webメディア編集部での長年の経験と豊富な知識を生かし、幅広いテーマをわかりやすく記事化する。趣味は全国各地のグルメ巡りと、猫を愛でること。




















