16年ぶり復活!? 新たな「“3列6人乗り+1”ミニバン」世界初公開! “便利な”多目的スペース採用! 4人乗り「ピックアップ」にも変身するフィアット「マルチプレイ」仏国で披露

フィアットは2026年10月11日、パリ・モーターショー2026の開幕を前に、新たなコンセプトカー「マルチプレイ」を世界初公開しました。かつて個性的な6人乗りモデルとして知られた「ムルティプラ」の思想を現代に蘇らせた新モデルは、どのようなクルマなのでしょうか。

「ムルティプラ」後継機は3列6人乗り+1!

 フィアットは2026年10月11日(現地時間)、フランス「パリ・モーターショー2026」の開幕前イベント「Night Before(ナイト ビフォアー)」において、新たなコンセプトカー「マルチプレイ(Multiplay)」を世界初公開しました。

 マルチプレイは、MPV(日本でいうミニバン)の広い室内空間、SUVのキャラクター、ピックアップの実用性という3つの要素を全長4.45mのボディに組み合わせた「3-in-1」を掲げるコンセプトモデルです。ひとつのクルマで、家族の移動からレジャー、大きな荷物の運搬まで対応する新たなファミリーモビリティを提案しています。

 その思想のルーツとなるのが、フィアットの個性派モデル「ムルティプラ」です。1956年に登場した「600ムルティプラ」は約3.5mという小さなボディで6人乗りを実現し、1998年に登場したムルティプラも、全長4m未満の車体に前3人+後ろ3人という独特の2列6人乗りレイアウトを採用していました。

 1998年に登場したムルティプラは2010年まで生産されており、今回のマルチプレイは、その生産終了から16年を経て、ムルティプラが追求した高効率な室内空間の考え方を現代的に蘇らせたモデルといえます。

 マルチプレイ最大の特徴となるのが、Cピラー部分に採用された「Metamorfosi(メタモルフォージ)」と呼ばれる可変構造です。リア部分のモジュールを専用のガイドに沿って前後へスライドさせることで、ファミリーカーからオープンデッキを備えたピックアップへと姿を変えられます。

 ファミリー仕様では6つのシートに加えて、「Petsenger seat」と呼ばれる多目的スペースを用意。一方、ピックアップ仕様では4人乗りとなり、後方に自転車やスポーツ用品、大型荷物などを積載できるオープンデッキが現れます。

 さらにリアスポイラーも回転し、ピックアップ仕様では最大2台の自転車を載せられる一体型バイクラックとして使用可能です。ひとつのパーツに空力性能と実用性という複数の役割を持たせています。

 室内でも、ムルティプラが持っていた柔軟な空間づくりの思想が受け継がれています。ペッセンジャーシートは、チャイルドシートの取り付け場所、ペット用スペース、小型テーブル、収納スペースなど、用途に応じてさまざまな役割を担います。

 ペットとの移動にも配慮されており、シートクッションの一部は取り外してリードとして使用できるほか、ドア部分には折りたたみ式のボウルも収納。後方スペースには最大で子ども2人が座ることができ、必要に応じて大人ひとりが利用することも想定されています。

 助手席には「Sunseat(サンシート)」と呼ばれるユニークな機構も採用されました。停車時に助手席を後ろ向きにし、ダッシュボードを背もたれとして利用することで、パノラマルーフの下でくつろげるラウンジのような空間をつくり出します。

可変構造を採用した”多目的”ミニバン!
可変構造を採用した”多目的”ミニバン!

 エクステリアのカラーリングは、イタリアの夏をイメージしたスイカから着想を得ています。鮮やかなグリーンのボディはスイカの皮を、室内の赤やピンクは果肉を表現しており、ピンクのフロアやターコイズなども組み合わせた大胆な配色です。

 大きなサイドウインドウやパノラマルーフを採用することで、室内の明るさと開放感も高めました。インテリアのソフト素材には、縫製を必要としない3Dニット製法によるモノマテリアル生地を多く使用し、子どもやペットが利用する部分には防水性を持たせています。

 また、ダッシュボードにはディスプレイを組み込んでいますが、車両の電源を切ると画面が見えなくなる仕組みを採用。デジタル機器を必要なときだけ表に出すことで、室内をすっきりと見せています。

 なお、フィアットはマルチプレイについて、特定の市販モデルを直接予告するものではないと説明しています。可変する車体構造や室内空間、多目的に使える装備などを研究する「アイデアの実験室」として、今後のフィアット車に採用する可能性のある技術や考え方を探るモデルに位置付けられています。

※ ※ ※

 1998年に登場したムルティプラは、前後2列に3人ずつが座る個性的な6人乗りレイアウトを採用し、全長4m未満というコンパクトなボディから高い室内効率を実現していました。

 その生産終了から16年を経て登場したマルチプレイは、全長4.4mのボディをファミリーカーからピックアップへ変化させるなど、ムルティプラが追求した「限られたボディを最大限に活用する」という考え方をさらに発展させています。

 16年ぶりに蘇ったムルティプラの精神が、今後のフィアットの市販モデルへどのように反映されるのか注目されます。

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Writer: くるまのニュース編集部

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