なぜバイクは「ライト消せない」? 昼間でも「消灯」で違反に!? クルマより20年早かった「常時点灯」の理由とは
ほとんどのバイクは、エンジンをかけるとヘッドライトが自動的に点灯し、消すことができません。なぜそのような仕様となっているのでしょうか?
クルマにも広がった「常時点灯」という安全対策
現在販売されているバイクのほとんどは、エンジンを始動すると同時にヘッドライトが点灯する仕組みとなっており、走行中に消灯する手段は用意されていません。
常時点灯と呼ばれるこうした仕様は、バイクにとってはごく当たり前のこととして定着しています。
一方、かつてのバイクのヘッドライトは、クルマと同じようにライダーが任意に点灯・消灯することができる仕様でした。
この状況が大きく変わるきっかけとなったのが、バイクの被視認性、つまり「ほかのクルマや歩行者からバイクがどれだけ見えやすいか」という課題への対応です。
道路上を走る乗り物のなかでも、バイクは特に車体が小さく、ほかの交通参加者から発見されにくいという特徴があります。
たとえば、交差点における右直事故は、バイクの存在を見落としやすいことが主な原因のひとつとされてきました。
また、昼間であっても、太陽光の反射や周囲の景色にまぎれることで、バイクの存在が視認されにくくなるケースはめずらしくありません。
こうした背景から、日本では1998年4月1日以降に製造されるバイクを対象に、走行中にヘッドライトが常時点灯する構造とすることが道路運送車両法における保安基準で義務付けられています。
そのため、現在では昼夜問わず消灯した状態で走行していると、原則として無灯火違反や整備不良車両運転として検挙の対象となります。
ただし、常時点灯が義務化される以前に製造されたバイクに関しては、この限りではありません。

バイクの常時点灯化は、日本だけで進められた取り組みではなく、ヨーロッパをはじめとする多くの国や地域でも、同様の考え方が採用されています。
一方、クルマについては長らく任意点灯が基本とされてきました。
ただ、近年ではクルマにおいても被視認性向上に対する意識が高まっており、2016年の保安基準改正以降は、ヨーロッパでは義務化されている「デイタイム・ランニング・ライト(DRL)」を搭載するモデルが増えています。
さらに、現在ではオートライト機能の搭載も義務付けられるようになりました。
こうした流れを見ると、クルマにおいても「点灯するかどうかをドライバーの判断に任せる」という従来の考え方が変化しつつあることが伺えます。
バイクの常時点灯化は、クルマのオートライト義務化よりも20年以上先行して導入された安全対策です。
バイクとクルマでは車体の大きさや事故の傾向が異なるため、単純に同じ基準で語ることはできません。
しかし、「見落としをいかに減らすか」という課題に対して、技術と法規制の両面からアプローチしてきたという点はどちらも共通していると言えそうです。
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現在ではバイクのヘッドライトの電子制御化もさらに進んでいます。
たとえば、対向車を眩惑させずにより遠くまで照らすことのできるヤマハの「マトリクスLEDヘッドランプ」や、車体の傾きや走行状況に合わせて照射範囲を自動調整するBMW Motorrad「アダプティブヘッドライト」などが登場しています。
将来的には、センサーや通信機能などと組み合わせることで予防安全デバイスとしての役割を果たす可能性も示唆されているなど、ヘッドライトの進化には大きな期待と注目が集まっています。
Writer: くるまのニュース編集部
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