名車「スバル360」“復刻版”がスゴイ! 伝説の“てんとう虫”が蘇った! “丸目ライト”&斬新「左右非対称ドア」採用! ソーラー充電もできる“ちいさな”先進コンパクト「エルテン」とは!
スバルが名車「スバル360」をモチーフに現代に蘇らせたコンセプトカー「エルテン」を1997年の「東京モーターショー」で公開しています。いったいどのようなクルマだったのでしょうか。
伝説の“てんとう虫”が蘇った!
丸いヘッドライトに、丸みを帯びたボディ。スバル(当時は富士重工業)のコンセプトカー「エルテン(ELTEN)」は、名車「スバル360」をモチーフにしたモデルです。1997年10月に幕張メッセで開幕した第32回「東京モーターショー」で世界初公開されました。
その中身は、660ccエンジンとモーターを組み合わせた4WDのハイブリッドです。さらにルーフには太陽光パネルを載せ、駐車中の補充電に使う仕組みでした。
モチーフとなったスバル360は、富士重工業が1958年3月に発表した軽自動車で、“てんとう虫”の愛称で知られています。車名のエルテンは、エレクトリック(電気)と、このてんとう虫を掛け合わせたものです。
ボディサイズは全長3410mm×全幅1500mm×全高1500mm、ホイールベースは2270mm、車両重量は960kgです。
公開当時の軽自動車規格は全長3300mm以下・全幅1400mm以下でしたが、安全性能の向上などを目的に1998年10月から施行された新規格は全長3400mm以下・全幅1480mm以下でした(全高2000mm以下・排気量660cc以下という上限は新旧で同じ)。
エルテンの寸法は、新規格と比べても全長が10mm、全幅が20mm大きく、ほんの数センチとはいえ軽規格からはみ出ていることがわかります。
デザイン性を重視したコンセプトカーゆえのことかもしれませんが、その真意も今となっては不明です。

外観は、丸目のヘッドライトとスリットの入ったフロントフェイスが特徴です。
ドアの配置は左右非対称で、運転席側は1ドアとする一方、助手席側は前後2ドアとし、歩道からの安全な乗り降りに配慮していました。
内装はベージュを基調とし、明るく開放感のある空間とされていました。コンパクトなボディながら、大人4人が快適に過ごせる居住性を実現したとされています。
エルテンが公開された1997年は、トヨタが“ハイブリッド乗用車”の初代「プリウス」を10月に発表し、12月に発売した年でもあります。
パワーユニットは、フロントに搭載した最高出力46PS・最大トルク約57Nmとされる660cc直列4気筒エンジンと、プロペラシャフト(前後輪をつなぐ駆動軸)の途中に配置した最高出力41PSのモーターの組み合わせです。トランスミッションはCVT(無段変速機)で、駆動方式は4WDです。
電源は3種類あります。特性の異なるコンデンサーバッテリーとマンガンリチウムバッテリーに加え、ルーフには駐車中の補充電用のソーラーシステムを装備。これらを制御し、低燃費とアクティブな走りを両立させるとしていました。
現在でも、SNSなどでは、エルテンについて「ルーフにソーラーパネルを付けるなんて、1997年の発想とは思えない」といった声も見られます。
2年後の1999年10月、第33回東京モーターショーには「エルテン カスタム(ELTEN CUSTOM)」が出展されています。「スバル・ハイブリッド・パワーシステム」を搭載し、ニッケル水素バッテリーを後席床下に収納していました。
エルテン カスタムは、1998年10月に発売された軽ワゴン「プレオ」のプラットフォームをベースにした、より市販車に近い仕様でした。しかし第3弾は登場せず、エルテンとしての市販化には至っていません。
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その後スバルは、2004年12月に発表した軽自動車「R1(アールワン)」を、「NEWてんとう虫」のキャッチコピーで2005年1月に発売しました。
評判を得たエルテンのコンセプトは、しっかりとR1に受け継がれています……。そんなスバルからの意思表明だったのかもしれません。
Writer: 佐藤 亨
自動車・交通分野を専門とするフリーライター。自動車系Webメディア編集部での長年の経験と豊富な知識を生かし、幅広いテーマをわかりやすく記事化する。趣味は全国各地のグルメ巡りと、猫を愛でること。
























