“軽自動車”より小さな新「コンパクトカー」初公開! 650kgの“超軽量ボディ”に802cc「2気筒」エンジン搭載! “レトロ”デザインのラ・チンクエチェント「スカッタンテ」英国仕様とは
イギリスのラ・チンクエチェントが、クラシックなフィアット「500」の中身を新設計したレストモッド「スカッタンテ」を初公開しました。軽自動車よりも小さなボディを持つ500は、どのような仕立てなのでしょうか。
軽自動車より小さなレストモッド「チンク」!
2026年9月11日(現地時間)、イギリスの自動車デザイン・エンジニアリングスタジオ「ラ・チンクエチェント(La Cinquecento)」は、クラシックなフィアット「500」をベースにしたレストモッド「スカッタンテ(Scattante)」のプロトタイプを、イタリアで開かれた自動車イベント「トゥット・ベーネ・ヒルクライム」で初公開しました。
見た目は1970年代のフィアット500ですが、中身はほとんどが見直されています。ベースとなるのは1973年製の500で、プロポーションやシンプルさ、独特の個性はそのままに、車体の下の機構は全面的に新設計。フィアット「126」のエンジンブロックを使う802ccエンジンを車体後部に積み、目標車重は約650kgです。
フィアット500は、1957年に「ヌォーヴァ500」として登場した小型車です。「チンク」の愛称でも親しまれるモデルで、登場時のボディサイズは全長2970mm×全幅1320mm×全高1325mm。フィアット初の空冷エンジンとなる直列2気筒エンジンを搭載していました。
現在の日本の軽自動車規格は全長3400mm以下×全幅1480mm以下×全高2000mm以下です。これと比べると、当時の500は全長が430mm短く、全幅も160mm狭いなど、現在の軽自動車よりもさらにコンパクトなボディとなっています。
ラ・チンクエチェントの原点は、創業者マックス・キンダースリー氏の家族が所有し、約25年にわたって納屋に保管されていた1台の500だといいます。この500を再び公道で走らせたいという個人的なレストア計画が発展し、スタジオの設立に至ったとされています。
最初のプロトタイプも、その同じ納屋で組み立てられているといいます。キンダースリー氏は、シンプルで軽く、個性にあふれ、人を笑顔にする500の魅力にひかれてきたとされ、今回もその本質は変えずに、どこまで進化させられるかに主眼を置いたといいます。
エクステリアは、ミラノを拠点とするデザインスタジオ「ボロメオデシルバ(BorromeodeSilva)」との共同開発とされています。クラシックな500の姿をベースに、幅を広げたホイールアーチやサイドスカートを装着し、フロントにはラリーカーから着想を得た補助灯を加えたといいます。

パワーユニットは、1972年のトリノモーターショーで500の後継として発表された126のエンジンをベースにしたもの。オリジナルと同じリアエンジン・トランスアクスルのレイアウトを受け継ぎ、レスポンスとバランス、そしてとても小さく軽いクルマの持ち味を最大限に生かすことを軸に開発されています。
2気筒エンジンには、ツインスパーク(1気筒に点火プラグを2本備える方式)の点火システムを組み合わせます。さらにサスペンション、ブレーキ、ステアリング、冷却系、電装系にも、専用部品の採用や大幅な改修が施されています。
開発では、絶対的なパワーや最高速度よりも、アクセル操作への素早い反応やトルク感、ドライバーとクルマの一体感を重視。スカッタンテという車名も、軽快で反応がよく、身のこなしが素早いという走りのキャラクターに由来します。
生産は受注生産で、年に数台というごく少数にとどまる計画です。シリアルナンバー入りの限定シリーズとし、オーナーと一台ずつ綿密に話し合いながら仕上げていく方針です。
同社のWebサイトでは、価格や販売開始の時期は案内されていません。購入を検討する人からの問い合わせは、同サイトを通じて受け付けています。
Writer: 佐藤 亨
自動車・交通分野を専門とするフリーライター。自動車系Webメディア編集部での長年の経験と豊富な知識を生かし、幅広いテーマをわかりやすく記事化する。趣味は全国各地のグルメ巡りと、猫を愛でること。












