130馬力アップの新「2人乗り“スポーツカー”」発表! 巨大ウイング&激薄“軽量ボディ”に2.9リッター「ツインターボ」搭載! 伊国のフェラーリ「296 GTモディフィカータ」仕様に注目
フェラーリは2026年9月13日、サーキット専用の新型「296 GTモディフィカータ」を発表しました。ベースとなったレースカーより130馬力高い730馬力を発生し、助手席まで備えます。どのようなサーキット専用車なのでしょうか。
レースカーより速い730馬力の2シーター
イタリアのフェラーリは2026年9月13日(現地時間)、ハンガリー・ブダペストで開催された「フェラーリ・レーシング・デイズ(Ferrari Racing Days)」において、サーキット専用の新型「296 GT Modificata(296 GTモディフィカータ)」をデジタル形式で発表しました。
レース規則の制約を受けずに開発された2シーターで、V6エンジンはベースとなったレーシングカー「296 GT3 Evo(296 GT3 エボ)」より130馬力高い最高出力730馬力を発生。フェラーリは、フィオラノ・サーキットで296 GT3 Evoより3秒速く周回できる性能を持つと説明しています。
296 GTモディフィカータは、フェラーリの顧客向けプログラム「クラブ・コンペティツィオーニGT(Club Competizioni GT)」の非競技イベントとトラックデイ専用のモデルです。2026年シーズン初めにデビューした296 GT3 Evoの経験に、レースとスポーツモデルで培った技術を組み合わせ、生産はごく少数に限られます。
車名の「296」は2.9リッターの排気量と6気筒を、「モディフィカータ」は既存モデルに専用の改良を施し、技術規則やモータースポーツ規則の制約を受けずに性能を突き詰めた特別仕様であることを表します。
ボディサイズは全長5033mm×全幅2050mm(ミラー除く)×全高1082mmで、ホイールベースは2660mm。乾燥重量は1330kgです。
キャビンはロールバーの変更によって助手席を設け、2シーターとしました。同乗者と走りを共有できるほか、インストラクターを乗せ、計測走行中にリアルタイムで助言を受けることも可能です。助手席には専用のフットレストが備わり、インターコムで常に会話できます。
リアミッドに搭載するバンク角120度のV6ツインターボは、296 GT3 Evoのアーキテクチャーと設計を受け継ぎ、クランクトレインやカムシャフト、吸気系、インタークーラー、ターボチャージャーを改良。ターボの内部部品は専用設計で、顧客向けのスポーツプロトタイプ「499P Modificata(499Pモディフィカータ)」で得た経験も生かされています。
燃料系には低圧ポンプを追加し、テールパイプは完全新設計です。最高出力は730馬力/7500rpm・最大トルクは800Nm/5000rpmで、排気量1リッター当たりの出力は244馬力です。回転上限は500rpm引き上げられて8500rpmとなり、カーボンクラッチを備える6速シーケンシャルトランスミッションには新しいギア比を採用しました。
空力も専用開発です。フロントは、出力向上にともなう放熱性能を確保するため主開口部を拡大したボンネットを採用し、ラジエーターの熱気が左右のインタークーラーに干渉しないよう専用ベーンを設置。エンジニアが「スロテッド・スプリッター」と呼ぶ新ウイングは、床下の気流を改善してダウンフォースの発生能力を高めます。
リアウイングは中央1本の新しい支柱、5mmのガーニーフラップ、499Pから着想を得たエンドプレートを採用。エンドプレートは構造的な役割も担い、ウイングが生む渦の制御も改善しています。
ブレーキは冷却性能を高めた新しいスチール製フロントディスクを採用し、フロントバンパー下部の追加エアインテークと最適化した冷却ダクトで送風量を増やしました。ABSは、あらゆる技量のドライバーが性能を引き出しやすいよう調整されています。
296 GT3 Evoではオプションとなる装備の多くを標準で備えます。データ収集システムには、ピトー管、ダンパーの動きを測るセンサー、ブレーキ温度センサーが含まれます。走行映像の記録装置、リアカメラ、タイヤの空気圧と温度を監視する装置、プロ仕様のシートハーネス、室内の冷却を助ける追加ファンなども備えます。
オプションでは、後方から速いクルマが迫っていることを知らせるリアレーダーを用意。車体のカラーリングは、フェラーリ・デザイン・スタジオ(Ferrari Design Studio)が扱う全色から選べます。

車両の購入には、クラブ・コンペティツィオーニGTへの2年間、または12ラウンド分の参加が含まれます。同プログラムは、1989年以降に生産された対象のフェラーリGTレーシングカーで参加する、オーナー限定のサーキットイベントです。
2027年はヘレス、ミサノ、富士、インディアナポリス、ポール・リカール、スパ・フランコルシャンを巡り、フェラーリ・フィナーリ・モンディアーリ(Finali Mondiali Ferrari)で締めくくる全7イベントが予定されています。最終イベントの会場と日程は後日発表されます。
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「モディフィカータ」の名を最初に冠したのは1970年の「512 M」です。その後は公道走行可能なモデルにも用いられ、2020年にはサーキット専用の「488 GT Modificata(488 GTモディフィカータ)」が登場しました。
296 GTモディフィカータは、その系譜を受け継ぎながら、レース規則に縛られない730馬力の性能と2シーターのキャビンを備えた、サーキット走行専用モデルとなっています。
Writer: 佐藤 亨
自動車・交通分野を専門とするフリーライター。自動車系Webメディア編集部での長年の経験と豊富な知識を生かし、幅広いテーマをわかりやすく記事化する。趣味は全国各地のグルメ巡りと、猫を愛でること。



















































