トヨタ「ランドクルーザー」中古車相場に異変!? 1400万円超から急落! 「新車が買えない」のに“プレミアム価格”が崩壊したワケ
新車の受注停止が続き、依然として購入しにくいトヨタ「ランドクルーザー」。それにもかかわらず、中古車価格が急落しています。一体なぜなのでしょうか。
人気の「ランドクルーザー」中古車相場に異変アリ!
近年は、一部の中古車価格が新車価格を上回っています。主な理由は「受注の停止」です。国内仕様の生産台数が少ない車種を中心に、供給台数が需要に追いつかず、納期が大幅に遅延した結果、受注が停止されました。そのため、同じ車種の中古車を求めるユーザーが急増し、中古車価格が高騰しています。
その代表がトヨタ「ランドクルーザー300」です。2021年8月に発売されましたが、中東などへの輸出が優先され、国内への供給体制は生産総数の約10%にとどまりました。
こうした供給不足から、販売店は発売直後に「納期は4年~5年を要する」と説明。さらに約1年後の2022年中盤には、納期の長期化を抑えるために受注自体を停止しました。その結果、新車を手に入れられないユーザーが中古車へ流れ、価格の急騰につながったのです。
販売店は新車購入時、ユーザーに転売しない趣旨の誓約書を書かせたりしましたが、購入者が所有権を得てしまえば転売を止める法的な拘束力はありません。結果として、高年式のランドクルーザー300が中古車市場へ放出されました。

発売時点におけるランドクルーザー300の人気グレードは、3.5リッターV型6気筒ガソリンツインターボエンジンを搭載する「ZX」で、新車価格は730万円(消費税込、以下同)に設定されていました。しかし、中古車市場では1400万円前後を中心に取引される事態に。新車価格を約700万円も上回り、倍率にしておよそ2倍という圧倒的なプレミアム価格がついたのです。
このランドクルーザー300の中古車価格が、最近は下がる傾向にあります。クリーンディーゼルターボやドレスアップされた車両には1400万円を超える個体もありますが、ノーマル状態の「3.5 ZX」は1100万円前後です。「AX」や「GX」といったベーシックなグレードであれば800万円前後です。
トヨタの新車販売店は以下のように述べています。
「ランドクルーザー300は、2026年9月に一部改良が発表されましたが、受注は今でも止まっています。稀に各店舗に1~2台の受注枠が割り当てられますが、既に購入希望のお客様が順番待ちをしており、新規で受注を受け付けることはありません」
このようにランドクルーザー300は、依然として新車を入手しにくい状態が続いていますが、一方で中古車価格は下がっています。この背景には複数の理由があります。
まずは欲しいユーザーに行き渡り、2021年の発売から5年を経過したことで、目新しさが薄れた事情もあります。
またランドクルーザー300の発売後、2023年には「ランドクルーザー70」が国内で復活し、2024年には「ランドクルーザープラド」の後継に位置する「ランドクルーザー250」も発売され、2026年にはコンパクトな「ランドクルーザーFJ」も登場しています。
新しいランドクルーザーシリーズが続々と追加され、人気が分散されたことも、ランドクルーザー300の中古車価格が下落した要因の一つです。
ランドクルーザー300の弟分にあたるランドクルーザー250でも、同様の現象が見られました。2024年4月に発売された後、生産台数が受注に追いつかず、翌月には受注を停止する販売会社が増えました。2.8リッター直列4気筒クリーンディーゼルターボを搭載するZXは、当時の新車価格が735万円でしたが、中古車価格は1.5倍の1100万円前後に達しました。
この中古車価格が現在は落ち着き、クリーンディーゼルターボを搭載するZXの中心価格帯は750万円~850万円です。新車価格と同等かそれ以上ですが、以前のような極端なプレミアム価格ではありません。
販売店はランドクルーザー250の販売状況について、以下のように説明しています。
「ランドクルーザー250のディーゼルは、改良を控えて受注を停止しています。販売の再開時期は不明ですが、2026年の後半から2027年の初頭でしょう。一方、ガソリンエンジン車は今でも受注を行っています。直近(2026年9月中旬)は受注停止のカウントダウンに入りましたが、今のところ契約できます」
このように初期の深刻な納期遅延が和らぎ、新車の供給見通しが立ち始めたことで、ランドクルーザー250の中古車価格も相場が落ち着いてきました。
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一連の動きからもわかる通り、ランドクルーザー各モデルの中古車価格高騰は、長続きするとは限りません。納期が短縮されたり受注が再開されたりすると、価格の高い中古車を買う必要はなくなり、中古車需要が減って中古車価格も下がります。
従って高値で売却することを狙って、好みに合わないクルマを買うのは避けた方が無難でしょう。クルマは投機の対象にはなり得ないのです。
Writer: 渡辺陽一郎
1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、2001年にフリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を得意とする。





























