ブン回る「直4エンジン」が快感! “ツインより軽い”車体でワインディングが痛快なホンダ新型「CBR400R FOUR E-Clutch」の実力は?
ホンダ新型「CB400 SUPER FOUR E-Clutch」と同時期に、もうひとつの400ccクラス直列4気筒エンジン搭載車として登場したのが「CBR400R FOUR E-Clutch」です。直4ならではのフィーリングと軽量な車体、スポーティなライディングポジションを採用し、クラッチ操作をアシストしてくれるホンダの独自機構を標準装備しています。バイクジャーナリストの青木タカオさんが、実際に乗ってその走りを確かめました。
“直4”を回して走る楽しさ!
ホンダ新型「CB400 SUPER FOUR E-Clutch」と同時期に、もうひとつの400ccクラスの直列4気筒エンジン搭載車として登場したのが「CBR400R FOUR E-Clutch」です。直4ならではのフィーリングと軽量な車体、スポーティなライディングポジションを採用し、クラッチ操作をアシストしてくれるホンダの独自機構「E-Clutch(イー・クラッチ)」を標準装備しています。
筆者(青木タカオ)が実際に乗ってみて最も印象に残ったのが、排気量399ccの直列4気筒エンジンによる爽快感です。アクセルを開けて回転を上げていくほどに、「直4」エンジンらしい滑らかな吹け上がりと伸びやかさが際立ってきます。
低回転域からトルクは十分ですが、回してこそ面白い。ピークパワー58PSを発揮する11500rpmまでよどみなく吹け上がり、回転上昇とともにパワーもグイグイ盛り上がっていきます。スロットルを開けるほどに加速感が強まっていく、その感覚がなんとも痛快です。
さらに気分を盛り上げてくれるのが、カウルの内側から響いてくるサウンド。ツインラムエアダクトを採用し、走行風を効率よく取り込むことで、中高回転域では胸のすくような爽快な回転上昇フィーリングと吸気音を楽しませてくれます。
アクセルを開けていくと、排気音だけでなく吸気音までが伸びやかな回転上昇を感じさせてくれる。気分が高まり、いつの間にか右手のスロットルをさらに開けたくなっているのです。
フロント荷重で狙ったラインへ
フロントに荷重をかけやすいライディングポジションと、前後17インチホイールの足まわりが生み出すハンドリングの良さも、積極的に走りたくなる気持ちを後押しします。
ワインディングへ持ち込むと、その楽しさはさらに際立ちます。ブレーキングでフロントに荷重をかけ、ステップを使って身体を動かしながらコーナーへ入っていく。車体は素直に反応し、狙ったラインへスッと向きを変えてくれます。
気がつけば、アクセルを開けるタイミングが早くなり、スロットルをさらに大きく開けてしまう。コーナーの立ち上がりでは、直4の回転上昇を楽しみながら、もう一段深くアクセルを開けてみたくなります。
任せてもいいし、操ってもいい
そんなスポーツライディングを支えてくれるのが、標準装備の「E-Clutch」です。発進のたびに左手でクラッチレバーを操作する必要はありません。
1速に入れてアクセルを開ければ、クラッチのつながりを自動でコントロールし、スムーズに車体を発進させます。スタートの時だけでなく、停止するときも、ギアを変えるときも、クラッチレバーを操作する必要がありません。
自分でクラッチを使いたいと思ったときには、レバー操作を受け入れてくれるのが秀逸。たとえば低速域で、半クラッチを使いながら自分の感覚で車体をコントロールしたい。そんな場面ではクラッチレバーを握れば、その瞬間からマニュアル操作に切り替わります。
そしてレバーから手を離せば、再び「E-Clutch」が作動します。ラクをしたいときは任せられて、操りたいときは自分で介入できる。この自由度の高さが、実際に乗ってみるととてもありがたいのです。
攻める気にさせるライディングポジション
跨った瞬間に感じたのは、スポーツモデルらしい前傾姿勢です。ただし、スーパースポーツのようにセパレートハンドルが極端に低いわけではありません。前屈みの姿勢ではあるものの窮屈さはなく、上体にはほどよく余裕があります。

グリップ位置は兄弟車である「CB400 SUPER FOUR E-Clutch」と比べると、よりワイドでやや遠め。フロントを軽く押さえ込むようなライディングポジションとなっていて、車体との一体感がしっかり感じられます。
ステップ位置も、コーナーで身体を動かしたり、前後に荷重を移しやすい設定です。積極的に車体へ入力し、アグレッシブに走るにはうってつけです。
シート高は「CB400 SUPER FOUR E-Clutch」と同じ780mmですが、シート形状が絞られているため足を地面に向かって真っ直ぐに下ろしやすく、実際に跨ってみると数値以上に足がしっかりと地面へ届きます。
4気筒なのに、2気筒より軽い!?
そしてもうひとつ驚かされるのが、その軽さです。開発チームの各部門が徹底して軽量化を積み重ねた結果、車両重量は187kgです。2気筒エンジン車の「CBR400R(NC65)」が195kgですから、なんと8kgも軽く、エンジン単体では直列2気筒と同じ52kgなのです。
フレームに至っては7kgも軽量化されています。直列4気筒エンジンを積みながら、2気筒モデルより軽く仕上げてくる。このあたりは、さすがホンダ。その技術力には脱帽です。
想像以上の完成度の高さ
軽い車体に、回して楽しい400ccクラスの直列4気筒エンジン。フロント荷重を意識しやすいライディングポジションに、前後17インチの足まわり。そして、カウルの内側から響いてくる吸気サウンド。それぞれの要素が単独で主張するのではなく、すべてがひとつにつながり、走る楽しさを引き出しています。
だからこそ、ワインディングでは自然とペースが上がっていくのでしょう。もっと身体を動かしてみたくなる。もっと回してみたくなる。そして、もっとアクセルを開けてみたくなる。ライダーをよりアグレシッブな走りへと導いてくれるバイクなのです。

今回は試すことができませんでしたが、長距離ツーリングや高速道路での巡航力も、400ccクラスの枠を超えた余裕を感じさせてくれるでしょう。サーキットへ持ち込んでも、直4エンジンを存分に回して楽しめそうです。
「CBR400R FOUR E-Clutch」はスーパースポーツモデルではありません。兄弟モデルと車体構成を共通としながら、セパレートハンドルを採用してライディングポジションをスポーツ方向へ振った、ライダーに寄り添ったスポーツバイクです。
いま話題の中心は、日本のスタンダードとも言える「CB400 SUPER FOUR E-Clutch」に集まっていますが、実際に「CBR400R FOUR E-Clutch」を走らせてみると、こちらもまた完成度の高さに驚かされました。
もし2台を同時に試乗する機会があれば、「こっちもいいな」と心を動かされるユーザーは決して少なくないでしょう。
2026年9月18日に発売された「CBR400R FOUR E-Clutch」の気になる価格(消費税10%込み)は119万9000円で、カラーバリエーションは今回試乗した「マットバリスティックブラックメタリック」のほか、「ベータシルバーメタリック」の2色設定です。
Writer: 青木タカオ(モーターサイクルジャーナリスト)
バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。自らのモトクロスレース活動や、多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク技術関連著書もある。










































