激減する“ドライブイン銀座”の生き残り! 「The昭和な食堂」青森・碇ヶ関ドライブインが教えてくれた“懐の深さ”とは ~昭和のドライブイン巡り~
昭和という時代の“空気感”を色濃く残すドライブインは、ある種のノスタルジーや普段は見過ごしがちな大切なモノを思い出させてくれる気がします。今回は、国道7号の“ドライブイン銀座”に残る「碇ヶ関ドライブイン」(青森県平川市)を訪れ、「自然薯ラーメン」と「自然薯またぎ餃子」を味わってみました。
かつては周囲に4軒が営業!“ドライブイン銀座”に残る昭和の空気
高度経済成長期のマイカーブームとともに激増したドライブインは、現在ではその役割を「道の駅」やサービスエリアに譲り、全国で200店舗程度にまで減少していると言われています。
その一方、現存するドライブインは、素朴ながらも温かみのある料理や独自のサービスによって、多くのファンから根強く支持されているのです。
東北自動車道「碇ヶ関(いかりがせき)IC」から約1分。かつてのドライブイン銀座の生き残りともいえる「碇ヶ関ドライブイン」は、地元産の自然薯(じねんじょ)をラーメン&餃子で楽しめる“昭和のドライブイン”。
外観の雰囲気は、「碇ヶ関」という地名も相まって、どことなく関所や要塞のよう。営業時間の札で隠れてしまった「営業中」の看板や年季の入った自動ドアも、絶妙な“入りにくさ”を演出しています。
ちなみに同店が位置する国道7号は、かつては“ドライブイン銀座”として栄え、約12kmの範囲に4軒ものドライブインが存在していたといいます。
ただし現在も営業を続けているのは、「碇ヶ関ドライブイン」と「鯖石ドライブイン」の2軒だけ。
![かつては“ドライブイン銀座”として栄えた碇ヶ関で今も残る「The昭和な食堂」とは[Photo:のぐちまさひろ]](https://kuruma-news.jp/wp-content/uploads/2027/09/20260916_IKARI-GASEKI_DRIVE-IN_001.jpg?v=1789549534)
では、残る2軒はどうなったのか。実際に国道7号を走ってみると、「ドライブイン あいのり あんちゃん」と「ドライブイン いかりがせき 関所」の建物を発見したものの、どちらもすでに閉店していました。
さて、ちょっぴり勇気を出して店内へ。
そこには、濃厚な“昭和×青森”の世界が広がっていたのです。
ラーメン&餃子の“ダブル自然薯”で決まり!
碇ヶ関ドライブインの店内に足を踏み入れると、年季の入ったテーブルやイス、壁いっぱいに並ぶ木札のメニューなど、期待を裏切らない昭和の世界が広がっています。
そこに青森らしさを加えているのが、店内のあちこちに飾られた「ねぶた」。昭和のドライブインと青森の伝統が、なんとも違和感なく溶け込んでいます。
メニューは「何でもある」状態なのですが、お目当ては最初から決まっています。そう、「自然薯ラーメン」です。
自然薯とは日本原産の山芋の一種で、一般的な長芋と比べて粘りが強く、独特の風味が特徴。同店の自然薯ラーメンでは、その自然薯を麺に練り込んでいるのです。
自然薯ラーメンは「しょうゆ」(770円)が定番ですが、+200円で「みそ/塩/とんこつ/冷やし中華/焼きそば」なども選べます。
さらにメニューを見回していると、「自然薯またぎ餃子」(450円)の文字を発見!
これをスルーする手はないでしょう。
「長っ!」「熱っ!」 驚きも楽しい自然薯ラーメン
厨房からは、お母さんが「筆者の昼ごはん」を作ってくれる音が聞こえてきます。その音が消え、ほどなくして“ダブル自然薯”が到着しました。
「長っ!」思わず声に出てしまった。
丼からはみ出さんばかりに横たわっているのは、東北などで親しまれている「ねまがり竹」です。割り箸のように長いタケノコのシャキッとした食感は、箸休め的なアクセントになってくれます。
まずはスープをひと口。どこかホッとする味わいが、ロングドライブの疲れをじんわり癒してくれます。
そして、主役である自然薯の麺へ。
ひと口すすってみると、力強さの中にどこかやさしさのある、なんとも不思議な食感です。正直なところ、「自然薯だ!」と分かるほどの繊細な舌は持ち合わせていませんが、普段食べている中華麺とは明らかに違います。
しかも、実は太麺・中麺・細麺をブレンドしているそうで、よく見ると太さが微妙にバラバラ。口に運ぶたびに食感が変わるのも、この麺の面白いところです。
ねまがり竹を筆頭に、チャーシュー/うずら/メンマ/ねぎなど、具材もなかなかのオールスター状態。
その中で、油断するとヤケドするのが「お麩」です。スープをたっぷり吸い込んだお麩を何気なく頬張ると……「熱っ!」。見た目のかわいらしさとは裏腹に、なかなかの熱量を隠し持っています。
続いて「自然薯またぎ餃子」へ。こちらは皮に自然薯が練り込まれていて、ひと口かじるとモチモチ、プルプル。ニンニクは控えめで、一般的な焼き餃子とはひと味違う、弾力のある食べ心地が印象的です。
この日はラーメン&餃子をガッツリいただいたはずなのに、“ダブル自然薯”のおかげか、なぜかちょっぴり健康的な気分になりました。
「絶対にかつ丼はあると思った」ドライブインの懐深さに感銘
お腹いっぱいになったところで、そろそろ出発です。
この日はお母さんがひとりで店を切り盛りしていたので、食べ終わった器をカウンターまで運んで、「ごちそうさまでした~、美味しかったです!」とご挨拶。
年季の入った建物や店内を彩るねぶた、壁いっぱいのメニュー、そして自然薯ラーメン……。碇ヶ関ドライブインには、今どきの「道の駅」やサービスエリアとは違う魅力がたっぷり詰まっていました。
そうそう、筆者が自然薯ラーメンを待っている間には、関東から帰省してきたという東北出身のご夫婦も来店。ふたり揃って迷わず「かつ丼」を注文していたので、駐車場で顔を合わせた際に「かつ丼も有名なんですか?」と尋ねてみました。
すると返ってきたのは、予想外の答え。
「実は目当てだったかつ丼の有名店が閉まっていたので、ドライブインの文字を見てふらっと入ってみました。絶対にかつ丼はあると思ったし(笑)。なかなか美味しかったですよー」
なるほど。丼もの、ラーメン、カレー、定食……。旅先での“緊急事態”にもさらっと応えてくれる懐の深さも、昔ながらのドライブインの魅力なのかもしれません。
かつては4軒もあったドライブインも、今では2軒だけ。お母さんの温かさにも触れられる碇ヶ関ドライブインは、国道7号を行き交う人々を迎える“関所”として、末永く続いてほしい存在です。

※ ※ ※
■碇ヶ関(いかりがせき)ドライブイン
所在地:青森県平川市碇ヶ関諏訪平18-9
営業時間:10時00分~21時00分
定休日:不定休
Writer: のぐち まさひろ
ゴルフとサウナと愛犬のチョコをこよなく愛するライター&ディレクター。20年ほど従事したクルマ系メディアの編集者からフリーランスになり、これから何をしていこうか色々と妄想中。SAJスキー検定1級/国内A級ライセンス/小型船舶2級/サウナスパ健康アドバイザー所持。ホームコースは「南総カントリークラブ」で、直近1年間のハンデ推移は「7.7」→「8.6」→「7.1」→「5.6」。














































































