「えっ…傘を固定しても“違反”なの!?」 警察が警告する「傘差しホルダー」使用の落とし穴とは? 再確認したい自転車の交通ルール
2026年4月から自転車にも「青切符」制度が導入され、交通違反の取り締まりが厳格化されています。自転車の「傘差し運転」は危険な違反行為ですが、実は傘を固定する「傘差しホルダー」の使用も交通違反になるおそれがあるとして、埼玉県警が注意を呼びかけています。どのような違反になるのでしょうか。
「固定しているから大丈夫」ではない!?
2026年4月1日から、自転車の交通違反にもクルマやバイクと同様に交通反則通告制度、いわゆる「青切符」の制度が導入されました。
自転車の交通反則通告制度は、16歳以上の運転者が交通違反をして青切符を交付されたとき、一定期間内に反則金を納付すると、刑事手続きに移行することなく交通違反が処理されるというものです。
たとえば自転車で「一時不停止」の違反をした場合、その後一定期間内に反則金5000円を納付すれば、原則として運転者が刑事罰に問われることはありません。
なお、警察庁によると、2026年4月から6月までの3か月間で、自転車の青切符は全国で7159件交付されました。
交通違反の内訳は、「運転中の携帯電話の使用(ながらスマホ)」が2812件と最多で、次いで「一時不停止」の2706件、「信号無視」の686件、「遮断踏切立ち入り」の527件などと続きます。
加えて、青切符の交付に至らない指導・警告については約36万件実施され、依然として自転車の交通違反が多い状況にあります。
そのような中、埼玉県警察本部交通部交通総務課は2026年8月19日、公式Xで「傘差し運転」に関して次のように投稿しました。
「自転車の傘差し運転は危険!視界が悪くなり周囲が見えにくくなるほか片手運転となるためバランスを崩しやすくなります。また、傘差しホルダーを使用する場合は傘差し運転ではありませんが、違う違反に該当するおそれがあります」
同投稿に添付された画像では、「傘差し運転」や「傘差しホルダーを使用しての運転」がどのような交通違反に当たるのかを解説しています。
まず傘差し運転については、周囲の状況が見えにくくなるほか、バランスを崩しやすくなるとした上で、道路交通法第71条第6号に規定する「公安委員会遵守事項違反」に当たる可能性があると説明しています。
この公安委員会遵守事項違反とは、各都道府県の公安委員会が定めた運転者が守るべきルール(道路交通規則)に従わなかった場合の交通違反です。
ちなみに埼玉県道路交通法施行細則の第10条第4項では「かさをさし、物をかつぎ、物を持つ等視野を妨げ、又は安定を失うおそれのある方法で、大型自動二輪車、普通自動二輪車、原動機付自転車又は自転車を運転しないこと」と傘差し運転を明確に禁止しており、これに従わなければ公安委員会遵守事項違反に当たります。

さらに埼玉県警は、傘差しホルダーを使用しての運転について、道路交通法第55条第2項に規定する「乗車積載方法違反」や、道路交通法第70条の「安全運転義務違反」に該当する可能性があるとしています。
道路交通法第55条第2項では、運転者の視野やハンドルその他の装置の操作を妨げるなど、運転の障害となるような乗車・積載方法で運転してはならないと規定しています。
たとえ傘を固定する傘差しホルダーを使用していても、傘によって運転者の視野が妨げられたり、ハンドルその他の装置の操作に支障をきたしたりする場合には、この乗車積載方法違反に抵触するおそれがあります。
また、ホルダーに固定した傘によって車体の安定を失ったり、傘が通行人に接触するおそれがあったりするなど、他人に危害を及ぼすような方法で運転した場合には、上記の安全運転義務違反に該当する可能性もあります。
そのほか埼玉県道路交通法施行細則では、自転車のような軽車両の積載制限について、高さが2mを超えない、積載装置の幅+30cmを超えてはみ出さないといった要件が設けられています。
仮に開いた傘をホルダーに取り付けると、積載物の高さや幅が上記の条件を超える可能性が高く、積載制限の面からみても、違反となるおそれがあります。
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埼玉県警の公式Xでは、雨の日の自転車の運転を控えるよう呼びかけた上で、「自転車に乗らなければいけない場合はレインコートを着て乗りましょう。レインコートは明るい色や反射素材入りのものがおすすめです」としています。
傘差しホルダーで傘を固定したとしても、交通違反に該当するおそれがあるほか、傘で視野が狭くなったり風で転倒したりして周囲に迷惑を及ぼす危険もあります。
自転車であっても状況によっては重大な事故につながることを認識し、安全を意識した運転に努めましょう。
Writer: 元警察官はる
2022年4月からウェブライターとして活動を開始。元警察官の経歴を活かし、ニュースで話題となっている交通事件や交通違反、運転免許制度に関する解説など、法律・安全分野の記事を中心に執筆しています。難しい法律や制度をやさしく伝え、読者にとって分かりやすい記事の執筆を心がけています。









































