スバルの「“丸目”軽ハイブリッド」に注目! “斬新”太陽光パネル採用&“660ccハイブリッド”搭載! 名車「スバル360」の遺伝子を継ぐ「エルテン」とは!
1997年の「東京モーターショー」で登場したスバル「エルテン」は、かつての名車「スバル360」を現代的な解釈で蘇らせた斬新なコンセプトカーです。レトロな丸型フォルムとハイブリッド技術を融合させたその仕様とは、一体どのようなものだったのでしょうか。
名車モチーフの先進ハイブリッド軽自動車
モーターショーで披露されるコンセプトカーには、メーカーが持つ最先端の技術や今後のトレンドとなるデザインをアピールするだけでなく、市販化に向けた市場の反響を探るという重要な役割があります。
しかしなかには、大きな注目を集めながら、市販化に至らなかったモデルも数多く存在します。
1997年の「東京モーターショー」でスバルが初公開した「エルテン」もまさにその1台です。
一体どのような特徴があるのでしょうか。
エルテンは、1997年に開催された第32回「東京モーターショー」でスバル(当時は富士重工業)が世界初公開したコンセプトモデルです。
1950年代にデビューし、高度経済成長期のマイカーブームを支え、日本の大衆車として広く親しまれた名車「スバル360(通称:てんとう虫)」のデザインをモチーフに開発され、丸型の愛らしいルックスと当時最先端のハイブリッド技術を融合させた次世代の軽自動車として当時注目されました。
ちなみに車名の「エルテン」は、エレクトリック(電気)と通称のてんとう虫を掛け合わせて名付けられており、ハイブリッド機構を搭載していたことが特徴です。
ボディサイズは、全長3410mm×全幅1500mm×全高1500mmとなっており、安全性能向上などを目的に1998年10月から改正される新軽自動車規格に合わせたサイズです。
エクステリアは、丸目のヘッドライトやスリットが入ったフロントフェイスなどが特徴的で、スバル360を連想させるレトロでかわいらしいフォルムに仕上がっています。
またドア配置も個性的です。運転席側は1ドア、歩道からの安全な乗り降りに配慮して助手席側は前後2ドアとする左右非対称レイアウトを採用しました。
インテリアは、ベージュを基調とした明るく開放感のある室内空間を演出しています。
パワートレインは、660ccガソリンエンジンにモーターを組み合わせたハイブリッドシステムを搭載しました。まだ「ハイブリッド」という言葉すら認知されていない当時において、非常に画期的な仕様と言えます。
トランスミッションはスムーズな無段変速が可能なCVTを合わせ、駆動方式にはスバルが得意とする四輪駆動(4WD)を採用しています。
さらに、ルーフに設置された太陽光パネルによる駐車中のバッテリー充電機能を備え、当時の軽自動車としては極めて先進的な環境性能を実現していました。

エルテンは公開当時、その洗練されたデザインと時代の先をゆくハイブリッドシステムを搭載したことから市販化への期待が高まりました。
1999年には第2弾としてよりデザインやパワートレインを発展させた「エルテンカスタム」がモーターショーに出展され、熟成を重ねていましたが、その後、第3弾の登場はなく、残念ながら直接の市販化には至りませんでした。
しかし、このコンセプトや試みが無駄になったわけではありません。2005年に「NEWてんとう虫」のキャッチコピーで登場した、軽自動車「スバル R1」のデザインや思想には、エルテンと共通性を感じざるを得ません。
また、後年にはハイブリッド車が一般に普及し、現在では軽自動車にマイルドハイブリッドが搭載されることも珍しくはなくなりました。
とはいえエルテンは、1990年代後半にこうしたハイブリッドを軽自動車にいち早く搭載したのは評価に値すべきであり、その先進性とチャレンジ精神は、今なお多くのクルマファンに語り継がれています。
Writer: くるまのニュース編集部
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