更新後の「古い免許証」は自分で持ち帰りへ! 警察庁が処分方法について“原則返却”を指示! 一体なぜ?
運転免許更新時に不要となった古い免許証については、各都道府県でその処分方法が異なっていましたが、このたび警察庁は全国の警察に対し、古い免許証を原則として本人に返却するよう指示しました。では、一体なぜこのような運用となったのでしょうか。
神奈川県警の不祥事を受け、処分方法が見直しに
運転免許の更新時には、必要な講習や手続きを経て、新しい運転免許証が交付されます。その際、不要となった古い免許証については警察が回収したり、穴を開けて本人に返却したりと、各都道府県でその運用が異なっていました。
一例として警視庁では、古い免許証について、本人が保有したいと希望すれば免許証に穴を開けて返却し、不要であれば原則としてその日のうちに細断・廃棄するという措置をとっていました。
こうした中、警察庁は2026年10月9日、全国の警察に対して「有効期間の更新時における旧免許証に関する事務処理上の当面の留意事項について」という通達を発出し、古い免許証については、原則として穴を開けた上で本人に返却するように指示しました。
そのきっかけとなったのが、2026年10月8日に報じられた神奈川県警の警察官による不祥事です。この事案は、神奈川県警保土ケ谷署に勤務する20代男性巡査長が、失効した免許証31枚を無断で持ち出した上、飲酒後に免許証の入ったリュックを駅のホームに置き忘れたというものです。
リュックは落とし物として県警に届けられ、その中に失効した免許証が入っていたことから、無断での持ち出しが発覚しました。
県警では通常、運転免許更新時に回収された古い免許証については幹部の立ち会いのもと、シュレッダーにかけるなどして処分するということですが、男性巡査長は何らかの方法により、処分前に入手していました。なお現在、神奈川県警で詳細を捜査中ということです。

この事案を受けて警察庁は、「旧免許証については、個人情報が記載されており、本来、交通部門において責任を持って適切に処分すべきものである」とした上で、今回の指示を出すに至りました。
さらに警察庁は、古い免許証を本人が受け取らなかったときなど、返却できない場合には、「申請者の面前で細断する」「申請手続き中は一時的に保管した上で申請受付時間終了後に直ちに細断する」など、免許更新をおこなった当日中に古い免許証を処分するよう指示しました。
加えて、警察署に免許証をまとめて細断するための機器がなく、当日中の処分が難しい場合には、廃棄されるまでの間、鍵のかかる場所で免許証を保管するとともに、保管している免許証の枚数や処分状況などを処理簿で確実に管理することとしています。
古い免許証の処分方法が示されたことに関して、SNS上では「えっ?『原則』っていうより、今まで更新ごとに穴空けられて、持ち帰ってたから普通だと思ってた」「手元に残しておきたい人を除いて、各種免許証、パスポート、マイナンバーカード等は失効次第、国なり自治体なり担当が責任をもって回収し処分すべき」など、さまざまな声が上がっています。
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今後、古い免許証は穴を開けた後、本人に返却されることとなります。ただし、免許証に穴が開いていても、場合によっては記載された個人情報が読み取られたり、生成AIによって画像が加工されたりと、悪用される可能性があることには留意しましょう。
また、最近は大手銀行や携帯電話会社などの本人確認の際、免許証の画像をアップロードする方法が原則として廃止される方向にあるものの、悪用されるリスクがゼロになるわけではありません。
そのため、免許証の画像を不用意にSNSに投稿したり、信頼できるか分からないウェブサイトにアップロードしたりすることは避けるべきです。
そして、古い免許証を保管する場合には、第三者の目に触れない場所で管理することが大切です。もし不要になった場合は、個人情報が読み取られないよう、細断するなどして適切に処分すると良いでしょう。
Writer: 元警察官はる
2022年4月からウェブライターとして活動を開始。元警察官の経歴を活かし、ニュースで話題となっている交通事件や交通違反、運転免許制度に関する解説など、法律・安全分野の記事を中心に執筆しています。難しい法律や制度をやさしく伝え、読者にとって分かりやすい記事の執筆を心がけています。



















